最近読んだ本です
(’00、7〜12)

(’00,1〜6)                    (’01,1〜)

ジェシーの背骨 山田詠美 これって「トラッシュ」の元本だったのね。トラッシュの続編でココとジェシーの小さなエピソードを書いているのだと思ったの。
たくさんのことは言うまいて。トラッシュを読んでてよかった。ジェシーがかわいいよ。(00,12,28)
異邦の騎士 島田荘司 これがデビュー作なんだよね。でも暗いよ・・ 最初は主人公が御手洗自身かと思った。でも、御手洗が出てきたんで、じゃ、石岡くん?でも免許証の名前が違う・・・なんて思っていたのよ、ほんと。
島田さんのあとがきのような想いは、私も若い頃にあまりにも感じ続けていたので、やっぱり、この人が好きかも、なんて思ってしまった。(おお、やばい)
でもね、一つだけ良子の手紙の中に女性蔑視かな、っちゅう発言があったけれど。吉敷ものの通子ネタではそれがだめで島田さんをシャットアウトしたのだったけれど・・・
・・・・惚れたかも☆/(x。x) (00,12,28)
ふたご 吉村達也 なんか、これってSF?
左京さんの「青髭」と瀬名さんの「パラサイトイヴ」を思い出しましたが、それよりどっかの教授が書かれた遺伝子の本((名前が思い出せないのよ)とても楽しく読んだのですが、最後の1行「人間は遺伝子の乗り物」っていうフレーズ、ずっと忘れることができません。それを彷彿としましたね。(で、その本を思い出すとき、何故かセットで藤田なんとかさんの「笑うカイチュウ」も思い出してしまふ)(00.12.24)
能登島黄金屋敷の殺人 吉村達也 けっこう人間的でしたねぇ
榎木津や御手洗に馴染んじゃうと、かなりマットウじゃん、って思ってしまう(^^ゞ
しっかし、内容はドラマティックでしたねぇ
誘拐、32年前の7人連続猟奇殺人、新興宗教の教祖、
執念の元刑事、そして超美貌の未亡人・・・
そんでもって氷室の精神分析も面白かったけど、
何より、刑事二人が教祖を怒らせて本音を探ろう
っちゅうやりとりが、かなりスカッとしましたな。(00,12,21)
N.P 吉本ばなな あぁ、やっぱりばななさんだ・・再読なんだけど、覚えていないもんだねぇ でもこの雰囲気が大好き。けだるさと偏頭痛のような重たさはあるけど、人はやっぱり自分の心を知らなくてはいけないと思うから・・ ああ、面白かった。(00.12.13)
プラトンは赤いガウンがお好き 小峰元 といいつつ、また買っている私。やっぱり一時代前の感じはいなめない。仲間のことも茶化しすぎだし、肝心のトリックなんかは甘いし、好み的には今ひとつかなぁ(00.2.7)
アルキメデスは手を汚さない 小峰元 なんだっかねぇ、高校生たちもっとハチャメチャにがんばってくれるかと思ったけど、なんとなく大人の発想が見え隠れするなぁ。この作者、あんまり若くないんじゃないのか、と思って解説を読んだら、50代の時の作品でしたね。(00.12.5)
御手洗潔のダンス 島田荘司 いんやぁ面白かった!私、御手洗さんが大好きかも!榎木津や氷室さん(何故榎木津だけ呼び捨て?)とどっか重なるストイックで天才肌!この短編はまたトリックもユーモアも抜群!ああ、こうやってまたひとつ惹かされてしまうんだね、島田さん・・(00.12.3)
トラッシュ 山田詠美 ゼイゼイと言いつつ・・・・
とっても分かるけど、渦中もかなり辛いな、と思っちゃいました。どうもあだだって人は恋愛は好きじゃないようです。ミーハーなら大好きなんですけどね。
恋愛中、未婚の方には是非お薦めです。生き方の指標にならんとも限らない。でもあだだにはかなり重たい読み物でした。(別に切った張ったもないし裏切り、濡れ衣、そんなこともない心の動きだけを追う比較的静かな小説でしたけど)(00,11,30)
せつない話し 山田詠美編 短編なんですがアンソロジーですごい作家の方々・・
吉行淳之介 瀬戸内晴美 田辺聖子 八木義徳 丸谷才一 山口瞳 村上龍 山田詠美 D・H・ロレンス A・カミュ F・サガン H・ミラー T・ウィリアムズ J・ヴォールドウィン・・
恥ずかしながら、始めての作家もたくさんいます。いろいろな状況で人の心を揺さぶる話しですが、男女の愛があり、生死があり、年齢があり・・・
特に感じたのは夫婦というものが日本と欧米では随分と違う捉え方をされているものだな、ということでしょうか。日本人(特にあだだ)の場合は夫婦って家族で、同士で、同僚なんですよね。でも欧米は夫婦は恋愛の対象。で、長いこと夫婦をやってても「実は愛してなかったんだ」なんてことを言い出してがっくり落ち込んでる。
へ?と思っちゃいますよね。だって、長年いたらそんなこととっくに越えて、人間性とか相性とかで家族をやってるでしょ?みなさんは違いますか?
それからもうひとつ、監修である山田詠美さんが意識してだと思いますがサガンと同じテーマを持ってきてたんですね。金のある年増とジゴロの話し。日本とフランス、文体の違いはあっても、同じ種類の切なさでしたね。
でも、あだだとは違う人種が味わえる切なさだとは思いますが。(00,11,25)
鳩笛草 宮部みゆき うう〜ん、やっぱり面白い、宮部さん。超能力を持ってしまった
普通の女性の苦しみなんか、こんな風に書いちゃうんだねぇ
でも、表題の「鳩笛草」は、最後救われた感じ。ちょっと涙(00,11、23)
占星術殺人事件 島田荘司 通子絡みでちょっと苦手だった島田さんだけど、この緻密な話しの進め方と結果の大トリック、実に面白かった。それにほんとのことを言うと裏表紙に出ているあの写真の数々、実はタイプなのです〜〜(^^ゞ(00.11.14)
書斎の死体 クリスティ これもミスパープルの事件簿。まったくこのオバサマの洞察力には・・(--;)思ってもみなかった犯人だったからね。(00,11,6)
牧師館殺人事件 クリスティ 今日は「牧師館殺人事件」角川の中村女史訳を読みました。というのも「ミスマープルの最初の事件簿」とかいう創元社の男の方の訳も買ってしまったのであります。(だって題が違うジャン!!(`´メ)  )悔しいから部分的に読み比べてやった。
角川はね、ミスマープルに品があって、牧師さんのナレーション(?)も日常用語でいいですね。
創元社の方は勢いはあるけど俗っぽい言い回しが多い。マープルも砕けたおばぁちゃまでした。
ま、どっちも犯人は同じでしたが。作者が女性ですからね、なんとなく女性の訳者さんの肩を持ってしまいました。(00,11,1)
虚無回廊U 小松左京 行っちゃいました。人工実存AEが謎の人工天体SSへ。左京さんでは「神々への長い道」筒井康隆氏の「幻想の未来」を彷彿としますな。でも未完っぽかったけど。(00.10,26)
虚無回廊T 小松左京 小松さんの未読を発見してさっそくGET!AE→人工実存の制作の過程が実に面白いよ(00.10.23)
薔薇の殺人 内田康夫 理系の作品の後はなんだかほっとするね。動機も浅見の探偵ぶりも実に人間的で。
今回もセンセはプロットなしで、最後まで誰を犯人にするか迷ったのかな?(00,10,21)
すべてがFになる 森博嗣 ほんとに理系な発想なのね。今までにない動機とトリックには唖然(;゜〇゜) でも、ある意味ドライでいいですね。犯人にも被害者にも感情移入して泣き泣きのミステリそれはそれでいいにしろ、じっとり重たいのもまたやりきれないものがありまして。(00,10,18)
謎のエバンス殺人事件 クリスティ 恋が似合う年頃のシロウト探偵たち。いんやぁ無茶やってはらはらさせてくれるよ。心臓によくないって。でもさすがにクリスティ、ミステリーの中にもロマンスがいっぱいよ♪(00,10,13)
エンドハウス殺人事件 クリスティ さすが若い頃の作品だけあって、ポワロも勢いがあるよ。自慢するにも悔やむにも力一杯だもんね、おまけに大芝居も打つし。
で、ストーリーも面白いよ!!どんでん返し、のどんでん返し、女流作家ならではの心理描写。面白かったぁ・・(00.10,9)
モーリス E,M、フォスター 映画は3度も見ていたが、改めて小説を読むと息苦しくなってくる。モーリスの選んだ生き方と、美しかったクライブがどんどん世俗にまみれて行く様子が対照的でまた泣けてくるね。なにせ、最初は同じ方向を向いていた二人だったのだから。アレクの若さと素直さにやっと助けられた感じ・・(00.10.7)
六の宮姫君 北村薫 芥川と菊池寛の関わりと作品の評論みたいな感じ。さすがは卒論のネタです。でも面白かったですよ。難しかったのはむろんですが。
「私」ってほんとに普通なのに魅力的。伸びやかで素直で・・で、「私」と友人であるところの「正チャン」の関係が大好きです。(00,10,4)
さらしなにっき 栗本薫  「滅びの風」を彷彿とする短編集だったけど、この文庫を作るにあたっての作者のコメントがすべての作品についている。これがけっこう笑える。
特に「隣の宇宙人」や「パソコン日記」にはぶっ飛んだ!アハハしっかし「走馬燈」は同じストーリーが 星新一さんにあったよう〜(00,10,1)
ホワイトアウト 真保裕一 ゼイゼイゼイゼイ はぁはぁはぁはぁ
寒くて息苦しくて、わたしゃ何度も目を背けてたくなったよ。ほんとに映像的な文章でね・・心理描写よりは圧倒的な現場描写(?)。やっぱり実写向きです。(とは言え、あの雪山の映画・・・
撮影は想像を絶したでしょうね。う〜ん、映画も見たいぞ)とにかく、犯人がどこまでも悪役でしょ・・・普通は読む方も犯人に同情したりもするもんだけど。最期に出てくる、プロローグの遭難のエピソードの続き(といのでもないが)には、ほんとに悔しくて腹立たしくて、あったまにきちゃった!悪人はどこまでも悪人なのね!って感じ。
主役の富樫の行動には、こっちが痛みを感じてしまいそうだった。冷たくて白い雪雪雪・・視界も思考も動きも遮る雪・・そんな富樫を突き動かす友情と正義感。あなたも体感してね。(00,9,28)
放課後の音符(キーノート) 山田詠美 これはまた、揺れ動く思春期の少女の気持ちを極めちゃった小説だったかな。もう、あまりにも遠い昔だけどそんな時代が自分にもあったかも知れない。ここに出てくる少女達が不良だなんて絶対思わないよ、たとえ立場がオトナでもね。気持ちをタイトに振り返ることのできる綺麗な小説でした。
でも、ほんとのことを言えば「晩年の子供」や「僕は勉強ができない」の、あんまり恋じゃない女の子や少年がもっと好きかもね。(00.9.25)
一夜の櫛 連城三紀彦 ふ〜ん、相変わらずの連城さんとは言え、この本はこれでもか!の大どんでん返しは少ないね。でも、女性でも気がつかない嫁姑、小姑との関係、危うくまた強い夫婦関係、なんでこう表現できるかなぁ
楽しませて貰いました。(00,9,24)
金田一耕助の冒険 横溝正史 なにやら倒錯の色濃い短編集は、探偵モノとあっちモノぎりぎりって感じ。私がアダルトだからいいものの、あまり大きな声では世間に吹聴できないかな?だけど短編って、作家にとってはもったいないのじゃないかしら。あれだけのトリックを一冊の本にたくさん押し込めてしまうんですものね。(00.9.18)
迷路の花嫁 横溝正史 うう〜ん、アダルトティック。ロマンティックで色っぽい。極悪非道なヒヒジジイがなかなか時代を感じさせてよいでするよ。金田一は今回は付け合わせのパセリがポテト、ってとこね。(00,9,17)
クロフツ ほんとに緻密でアリバイトリックもそれほど突飛でなくて、けっこう真面目に読めたのですけど、訳者さんがねぇ 直訳っていうか、日本語的には色気がなかったような気がする。(クリスティものはその点ちっとも違和感がないのだけど。)(00,9,14)
マジックミラー 有栖川有栖 刑事ものであり、探偵ものであり、おまけに推理作家ものでもあり、双子モノではおまけまであって、多いに楽しめたことでしたがいかんせん、双子のどっちかが殺されて、そのアリバイが小屋に放火されたために成立した、って時から、ハテ?この人、ちょっとヤバイ・・・でも最初の殺人が起こった時はあんなに共感したのに・・・・ え?え?それに・・主役だよねぇと、ちょっと引き始めた自分、けっこう辛かったよ。トリックのすばらしさ、斬新さは「すごいことなのかも」って分かるけど、あだだって人は東野圭吾の「名探偵の掟」にあったようにちっとも真面目にトリック解明に取り組まない人だし、へたすっと飛ばすからね、ほんとに作者には申し訳ないような似非ミステリファンなんだよね。トリックまっしぐらな人にはとってもとってもとっても合うと思うあだだはとにかく主役級の感情移入した人が犯人だった、って分かるパターンが全然ダメなのよ。(だから松本清張もダメだった森村誠一もそれが怖い)もう、雰囲気だけでミステリを読む人で・・(--;)  最後の探偵の双子にはまんまとやられたぁ、って拍手ものだったけど、でも、ねぇ、やっぱ結末は辛いっすよ。幸せな有栖川作品は、ある??(20,9,14)
秋田殺人事件 内田康夫 今ひとつ「ああ!面白かった!」感はないなぁ・・・ 
ま、現実を題材にして、おまけにまだ渦中なわけで、おおっぴらにストーリーに現実の事件を絡ませるのは何かと問題もあるでしょうけど、殺人事件の方だけはきっちり「事件解決」の開放感みたいのが欲しかったかも。
でも、このお話はあまりにも身近なことなので、「ふ〜〜ん、こんな風に世間様からは思われていたのかい?秋田県人」みたいな意識が強すぎて、そっちに感情が行ってしまったわい、というのが正直なところかもね。(20,8,28)
天使が消えていく 夏木静子 女性だねぇ、母性だねぇ・・・
最後の手紙のは涙が溢れてしようがありませんでした・・・(20,8,23)
5匹の子豚 クリスティ クリスティが80代の時の作品??ポワロの安定感が読んでて安心ね。奇しくも前日に読んだ「象・・」と同じ頃の作品でどちらも過ぎた昔の出来事(殺人)を探る物語でした。(20、8,22)
象は忘れない クリスティ ポワロと一緒にじっと座ったまま、昔を探る旅に出ました。オリバー女史が頑張っています。(20,8,21)
名探偵の呪縛 東野圭吾 これは面白かったぞ〜〜 穿ってる、斜めってる、揶揄ってる皮肉ってる、でも、けっきょく自分のこと笑うくらい作者自身がドツボにはまってる?ま、作者の力量がたいしたものなのはおいといて、素直に笑えました〜(20,7,17)
どすこい(仮) 京極夏彦 う、ウワサには聞いていたがこれほどとは・・・・(O.O;)(oo;) 何もいいますまい。でも、私は嫌いではなかった。文面を想像しても気持ち悪くもならなかったし。基本的に相性がいいんでしょうね。(20、7,12)
象は忘れない クリスティ ポワロと一緒にじっと座ったまま、昔を探る旅に出ました。オリバー女史が頑張っています。(20,8,21)
57人の見知らぬ乗客 日本推理作家協会編 けっこうすごいかも。時代的にも作家的にもとても幅のあるショートショートの作品集。肌に合わないものもなかったわけではないけれどどれも一癖のある味わい深い作品ばかりでした。(00,7,10)
山批 板東真砂子 98年の直木賞受賞作品ということで友人に貸された(借りたのではない)のだが、なんともはや重いは、緻密すぎるは、会話は全部方言だは、血は流れるは・・・
向きまへなんだ。やっぱ、あたしゃ、ミステリがいいばい。
(00.7.3)

(’00,1〜6)                    (’01,1〜)