’00、1〜6月に読んだ本です

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左手に告げるなかれ 渡辺容子 面白かった!女流作家らしい細々した女性の心理描写や恋愛観、それから女性保安士って職業はなんだかみんな好奇心が湧くし、読み応えがあったよ。(00.6.28)
箱庭 内田康夫 これって再読のはずだけれど全然ストーリーは覚えてなかった。
箱庭が心理療法だってことだけね。現場に陽一郎さんが出てきたのは珍しい。和子さんが
あんなにしゃべるのも。光彦さんのキャラが存分に発揮されて、なかなかよかった。
あと、政治に絡むことは聞かないでくれたまえ。(00.6.28)
青帝の鉾 赤江爆  文庫の解説の詩人の方がすごかったッス。
えぐいっす。そんなに好きならどうにでもなれば?でしたもん。(00,6,20)
滅びの風 栗本薫 あだだも「終焉」を考えることがあって、ヒトの種が滅びるのは宇宙の摂理であると感じていました。ヒトだけが選ばれた者ではないでしょう?ヒトだけがずっと繁栄できる約束は何一つないし、自分たちにそんな資格があると思うこと自体、傲慢だと思います。
そんな気持ちにとても添った短編集でしたからどれもこれも切ないくらい、素直に心に沁みました。(0,6,14)
秘密機関 クリスティ タスペンスとトミーの最初の作品かな?
スパイものは好きじゃないけど、この2人は好きだからね。
 でも、やっぱポアロとミス、マープルかなぁ・・(00.6.14)
だからあなたも生き抜いて 大平光代 いんやぁ、すごい人だ。いったいどれだけ頭がいいんだろう。そして彼女を支えたほんとの大人たち。いんやぁ・・・いやはや・・・・(00.5.24)
マギンティ夫人は死んだ クリスティー 面白い、といいつつも、そんなに後味すっきり!でもなかった・・(00.5.24)
ABC殺人事件 アガサクリスティ 再読ではあるけれど、すっかり忘れてる。それにつけても女流作家だよね。女性の描写が実にシビアだよ。ちっとも綺麗ごとじゃないとこ、好きだなぁ(00,5,4) 
斜め屋敷の犯罪 島田荘司 これは正反対の娯楽的謎解き小説。一気に読んではしまったけどタイプ的には違うかな。ま、トリックだけはすごかった。ほんとかいな?ものだったよ。(00,5,4) 
スナーク狩り 宮部みゆき これはまた・・・ こういう小説を読むと、やっぱり被害者がおざなりにされている気になるね。でも外側から事件だけを見た場合、被害者の苦しみなんて度返しで結果の批判だけになってしまいそうだ。うううん・(00,5,4) ・
12月 栗本薫 これは面白かったぞ!夢様、伊集院様、かおるくん、グインサーガまで総出演!12種類もの小説が読めるんだよ!さっすが!の栗本様、でした。(00,4,11)
塗仏の宴 京極夏彦
洗脳、催眠術・・ 今回はしょっぱなからきつかったっス。自分が何者か分からなくなる怖さ、と言ったら。ずいぶん遠い不老不死なんかの話しのはずなのに割と身につまされる他人事でない恐怖心がいたるところに感じられました。
関口までが濡れ衣で容疑者になっちまって、しかし、あんな彼を刑事たちみなが持て余す様は
ある意味大変おかしくて、「関口!男だ」と思ってしまいましたね。なかなかああはなれないッスよね。時々なってみたい(なってる??)ことはあるけど。
それから今回は京極堂を中心に廻ってる事件だ、とも言えなくなかったでしょう?
とくに死んでしまった方に関しては。あの無表情な理屈屋がかなり打ちのめされたとしたら
ここまでファンである私たちもとても辛いことでしたけど、今回のエノさんはカッコよかったなぁ
腰の重い京極堂を引っ張り出すときの言葉の数々!
やっぱりオトコたちはいいな。オトコどうしってすんごくいいよ。
それからね、誰のモノローグなのか「社会は企業じゃなくて家族だ」っていってたでしょ?
今回は家族の在り方、幸福の尺度というものが繰り返し語られていて、その辺でも面白かったのですがほんとに前向きに明日に向かいながらもたくさんのマイナスの感情やら、負の状況、
みんなひっくるめて家族ですから、不平不満背負いながら、それでも当たり前に寄り添い続けるのが家族ですから、それを肯定してもらった、という感動の一冊(2冊)でもありました。
登場人物はすでに名前も忘れておりまして、あの派閥(?)の数さえもサダカでないまま読んだにしろまたまた今回も大変面白かった!と申し上げます。(20,4,1)
絡新婦の理 京極夏彦
面白かった〜〜〜〜!「」(~▽~*)今まで読んだうちではいっちばんはまったよ〜〜〜ん。
いやはや、蜘蛛の巣の一番外側とその次の事件の数々には翻弄されちゃったけど、京極堂初め、榎木津、木場、伊佐間、今回はちょい役の関口の親友度、優しさ度ってのはオナゴにはつくづく羨ましい限りだねぇ。いい仲間ってのは実にいい。
今回はジェンダーが根っこにあったよね。外側の見かけに囚われて自分を偽らざるを得ないのは辛いことではありましょう。でも、それを素直に表現できる強さなんて難しい。たくさんの哀しみを越えなくては得られないものなんでしょうね。それなのに、せっかく憑き物を落としたその人達がどんどん命を落として行くのは読んでていても辛かったけど。
ヨシさんはキリスト教の蘊蓄がよかった、って書いてあったよね、前。あだだは宗教は今ひとつなので(鉄鼠よりはとっつき易い気はしたけれども)やっぱりフェミニズム論と、日本の昔のムラの母系社会の話しが面白かった。よく田辺聖子氏の小説なんかでも昔の祭りの夜の乱交パーティ(?)や夜這いのシステムなんか出て来るんで、むしろ懐かしく納得できたし。
蜘蛛の正体は学院での憑き物落としの時に想像がついた。でもずっと動機が分からなかったのね。結局、自分の過去を抹殺したかっただけなの?家を飛び出していたわずかの間に行っていた小さな正義(だったのでしょう?蜘蛛の中では)を、社会に否定されたから?
ともかくも面白かったんだ!得も言われぬ美女の話しって、それだけでドキドキするし、実はあだだって昔ゲイ評論家をしていたんだよ。(アハハ、完璧に自称。どこに何を書いたとかでなく、
友達としゃべっていただけだからね。)どれもこれもよく分かった。ただ、どうしてこんなに死んじゃうんだろう、っては思うけど、ま、小説だからいいか、とか。
それにしても(しつこく)仲間っていいよね。男同士の歯に衣着せぬ(というより意識的な)暴言にはいつも大笑いだし、その後ろにほっこりと友人を思いやる気持ちが垣間見える。
むろん自分が女でも疎外感を感じる必要はないのだろうけどやっぱ男の時がなかったので、アヤツラの関係は羨ましいぞ!(00.3.11)
鉄鼠の檻 京極夏彦
ううう、なん「」も禅の蘊蓄はすんごく面白い!(相変わらず分かっちゃないけど)今半分くらいかな?でも、ちょっと美しい坊様が多すぎない?だから痴情の縺れに意識が行っちまうんだよ〜〜〜あだだはこんなオバサンなんだから!あ、早く続きが読みたい。でも、長い・・・(99,3,1)
 倒錯の性にだけスポットを当てちゃだめだよ、ヨシさん!んでも、もう遺伝子に組み込まれているリビドーが自分のいる社会では犯罪になっちゃったりすると、こりゃ悩むよね〜 それを座禅で悟れればいいのだけれど、なかなかそうは行くまいて。
 それにしても京極堂の蘊蓄たるや・・・禅は言葉での表現は不可能ということで、さすがの京極堂も向かい合う前から「敗北宣言」していたけど、桑田の鉄鼠を落とした時は見事だった。
でも一番の難物、鈴はついに落とせなかったしね。だけど仏教ももの凄い数の宗派があるんだね。禅と関係ない仏教もあるんだ。(ちっともわかってない)でもって、犯人の動機、となるとこりゃまた仏教に近い人はおお!という驚きかもしれないけど、悟りに遠い私にはふーん、というところだった。ま、そういうのもなきにしあらずかな?ってな感じ。
でも、今回も引きずり込まれていましたね〜あの寺の雰囲気はなんとも言えないですね〜
美しい坊さんたち、年を取らない振り袖の娘、謎の老人、そして禅禅禅・・・
生きることがこれすべて修行ですからね。と言ったらいいべ。(00.3.4)
狂骨の夢 京極夏彦
潜在意識にしまい込まれた過去の記憶がトラウマになっちまう、てのは分かる。牧師に元精神科医。あたしゃフロイトは(全然知らないけど)納得できないさ。なんでみんなエッチに結びつくんだろう、よっほど絶倫なおぢさんだったんだろうか、でなきゃダメなおぢさんだったんだろうか、なんて思ったことがあった。んでも、京極堂の講釈でなんとなくわかったかな?(実は分かってないんだけど)「ユダヤ人だったから」ってすっごい説得力あったよ。文化や感じ方が違うってことはそういうことなんだ!(それでも白丘のトラウマからの脱却ぶりはいくら京極堂に憑き物落とされてもあんなにすぐにあそこまで行くかな?とちと疑問を感じた。でも、ま、宗教家だから、悟れば早いか。)
朱美のことはずっと変だった・・・あの別の記憶が民江のものだろうとは想像がついてたけど、
伊佐間を家に連れ込んだ朱美の語る言葉は(「妾」だよ!)内容は同じなのにイメージがきっちりと際だっていて、最初のふわふわと頼りない不安定さがなかったから・・・
で、髑髏をおっかけての3者のラグビーは、目的や歴史は違ってもその想いってヤツを思った時になんと言えばいいかわからなくなるね。いやはや重たい、しんどい、狂気も混じってるし、ゼイゼイだったよ。ただ、立川流ってのは初めて聞いたけど非常に人間的だと感動しちゃったよ。
ああ、それにしても京極堂様のお近づきになりたいわん。(そばに寄らせてもくれないだろうけど)でもあたしがこれ以上ふぬけになっても、だれも責任取っちゃくれないか。あ、榎木津は中坊に任せる。
ちっとも感想になっとらんね。だって書きようがないもん。(00,2,25)
魍魎の匣 京極夏彦 うううう、京極堂の蘊蓄は大好きだ。んでも、この数々の愛ってヤツは納得できないぞ。
世間じゃ性癖とかに分類されるんじゃないか?それも病的な。それで人が殺されたんじゃまったく納得できない。
でも今回の超能力者、宗教家、占い師、なんかの分類は大変楽しく読ませて戴きました、ホホホ(00、2,21)
姑獲鳥の夏 京極夏彦  
あたいには何一つ違和感がなかったぞい。ま、あえて言うなら関口クンの(ナゼかクンづけ)
まともすぎる感性とその脆さ、が一番の不安要素であったが、涼子のへ関わり方もある程度予想していた通りだし、(むろん結果的には遙かに予想を超えちゃったけど)京極堂の完璧さや、榎木津の透視能力(?)なんぞが、またいい対比だよね〜 関口クンと。
んでも、これ一冊しかよまんでなんだけれど、かの関口センセイのはどうも精神感応能力、っていうかいわゆる誰かの漏れちゃった記憶の断片を非常に主観的に、まるで自分が体験したかのように感じる能力があるの????このある意味主体性のなさが、これからドンドン事件を呼びそうで恐くもあり、待ち遠しくもあり・・・・・(ヤジウマ根性・・ってヤツ?)
京極堂の眉唾理論、特に時間と幽霊を同一概念として並べちゃうあたりはほとんど大笑い!
こういう机上のこじつけ論だーい好き!なんだ。後半はサスガにおどろおどろと、ちょっとやりすぎだよな、いくらなんでも後味悪いぜ、これじゃオナゴなんぞやってられん、てな感じもあったけど、前半ほどよく笑かせてもらいやした。
でもって、このキャラが固定してこの類の事件を繰り広げるわけですかい?で、最後はどすこい、と。栗本さんの天狼星ものもかなりでありまするが、まぁどっちがどっちとも言えまへんよなぁ。魑魅魍魎と薔薇族とどっちが恐いか、ってとこ?(00.2,14)
親指のうずき クリスティ ・・・・これはちっと・・(--;)犯人はほとんど狂人だし主役のオバチャンが動きすぎて、心配でしょうがいないよ。(00,2,10)
第三の女 クリスティ これも面白かった!!薄幸の子供時代を送った娘の本当の居場所。
信じていたはずのことがすっかりウソだったとしても、最後はもっと確かな真実があったんだもの!!(00.2.1)
死との約束 クリスティ これは面白かった!ほんとに最後は万歳したくなった。普段ミステリーを
読んでても犯人を憎いと思うことはあんまりないんだけど、今回はヤッター!だった(^◇^)(00,1,29)
黄金の石橋 内田康夫 ヤケに急いでなかったかい?ま、いかにも浅見らしかったけど。(00,1,24)
エッジウエア卿殺人事件 クリスティ ううう〜 女ってすごいよね。またこういう話しは女流作家でないと書けないないね〜(00,1,24) 
菊池伝説殺人事件 内田康夫 再読。うう〜ん、一族ってヤツは・・・ ま、ね、あたしも充分な田舎ものでその辺の結束はわからないでもない気もするけど、結局私利私欲に走ったら一族もへったくれもないよね〜(00,1,16)
謎のビッグフォー アガサクリスティー なんとまぁ活動的なポワロではあった。
あっち、こっち旅もする、怪我する、変装する・・・でも、一番おもしろかったのはヘインスティングス大佐との掛け合い、友情だよね!(00.1,14)
耳なし芳一からの手紙 内田康夫 ・・・戦争が絡むとき、人は心をなくした時期があったのだと思う。平常心では考えられい異常な究極の出来事だもの・・・
 でも、それを引きずった未来・・・ 女って恐いかも、って思ってしまったね。(00,1,9)
喪われた道 内田康夫  ううう〜ん、戦争時代の強制労働が出てきたね・・・(00.1.8)
はやぶさ6/1秒の壁 島田荘司 ・・これは思いがけず面白かった!吉敷さんものは例の加納通子が絡むと辟易してしまう。吉敷の純粋さ、頭の良さ、なによりトリックの面白さは読み応えがあったよ(00.1.4)
シャム双生児の秘密 エラリークイーン なんかうだうだとヤチャクチャないねぇ。細かいところに こだわり過ぎだけど、動機は大したことない。これでもったりまけたりひっくり返されて、終わって見れば なんじゃい、これでいいのか〜〜〜 だもんね。(00,1,3)
東京下町殺人暮色 宮部みゆき さ〜すが、宮部さん、少年達がいい!・・・んでも犯人も少年が 絡んでる・・彼らの考え方は切なくなるよ・・ ああ、もっともっと読みたいな、宮部作品!(00,1,3)
天狼星V 栗本薫 T、Uと図書館から借りたのは何年前のことだったか。すっきりしない終わり方、
 Vでけりがついて、ほっ。・・まぁそれにしても栗本さんだなぁ。晶の美しいこと!シリウスの気持ちも ちょっとだけ分かって、ウッシッシ・・である。←(゜゜;)\(--;)(00,1,3)