最近読んだ本です

(’13 1〜12 )

   ’12  7〜 12)         作家索引       HOME

 蒼路の旅人 上橋菜穂 守り人シリーズの中の旅人枠、ですか。「精霊・・」のチャグム王子は15歳。父王との確執の中、タルシュ国からの支配と戦うため船に乗り囚われの身となりますが〜 チャグム、すっごくかっこよくなっています。自分のことより王子として国のことを優先して考えるという精神的成長だけでなく、その面影の美しさ、凛々しさが作者の文体によく出ていますし、さすがに女性目線で、躯を拭いたり、食べ物のおいしさに感動したり、なかなか重い主題ですが、チャグムがあまりにも魅力的なのでムフフです。(12月 15日)
 神の守り人 (上・下) 上橋菜穂 シリーズ5作目来訪編、帰還編の上下2冊です。バルサとタンダの二人はものすごい殺戮の力(神)を宿してしまったアスラという少女を、その力を奪うべく殺そうとする勢力と、利用しようとする勢力から守るため何度も命を落としそうになりますが、どっちの言い分もアスラや兄のチキサの気持ちも、そしてロタ王国の社会情勢も、勧善懲悪というような単純さではないので、重たいです。それでも最後、12歳の少女の決断と、彼女をそこへ導いたものを想うと胸が熱くなって涙が落ちました。(11月 30日)
 精霊の守り人 上橋菜穂 会社の同僚から貸してもらったファンタジー(というか、解説では児童文学になっていました。)ですが、相性はよかったです(*^-^*) 女用心棒のバルサと、この世ならぬ世界の精霊の卵を産み付けられた王子チャグム、彼らを巡る人たちが、その卵を狙う向こうの世界の卵食いから守って無事に生まれさせるまでのお話ですが、母性とか成長の過程とかがなかなか深くて、大人でも読み応えたっぷりでした。シリーズの続きも貸してもらえそうなので、幸せです。 (11月 11日)
 王国〈その3〉ひみつの花園 よしもとばなな ずいぶん前に〈その1〉を読んで、2は飛ばして3、雫石の失恋と、そんな時の仕事場の上司(?)である楓と片岡の人間性が、ただ優しいだけじゃなくて、真摯に深いと思いました。高橋君の庭とか、お祖母ちゃんにもらった翡翠のペンダント、台湾旅行などが雫石の気持ちをかきたてています。(10月 30日)
 どきどきフェノメノン 森博嗣 窪居佳那(ドクターの卵→院生、24歳)の研究な日常に絡むどきどきなサマザマ(武蔵坊、水谷、シャンプー、藤田、MOのデータ、剣道、教授、お酒・・)を、この年齢のオバサンは「モリ先生、何を考えてるの?先生っていったい幾つ?先生のジェンダーって??」とつっこみたくなるくらいの乙女小説なんですよ。合わない方が読んだら全然ダメかもです。なのに私ははまってしまうのよね〜〜 百田さんに申し訳ないとは思うのですが (^_^;)\('_') (10月 12日)
 謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 ↓一緒に借りてきた、私らしいお気楽ラブコメミスティー(?)テレビドラマを先に見たので、キャラに役者さんが被って想像に弊害がでました(!?)が、面白かったです。執事とお嬢様なのに、年齢が近くかつ私立探偵になりたかった執事と身元を隠して捜査一課で刑事してるお嬢様のシチュエーションは謎解きだけじゃないドキドキもあって、むふふであります。でも執事の謎解きは説得力もあるし納得できるので、作家さんの力量はたいしたもんだな、と。本格でもひけは取らないよね。シリーズの2も3も機会があったら読みたいです。( 9月 18日)
 海賊とよばれた男(上) 百田尚樹 小耳には挟んでいたのですが、私には不得意の分野のようだったので近寄らずにいたのですが、掲示板で勧められまして、図書館に行ったら、たまたま上巻だけがありまして、借りて読み始めたのですが、う====ん・・・
日章丸という石油タンカー・・出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクションですが、人となりには感動し、戦後の日本にはこんな骨のある人たちが確かにいたんだろうし、そういう小説もたくさん読んだことがある、と思いつつ、だんだん読み進むことができなくなくなって、本来ならここには書かない読み方なのですが、掲示板に「借りた」と書いてしまったので(;^_^A
なんで躓いたかはよくわからないけど、あまりに生々しすぎるから、想像がつきすぎて息苦しくなる感じ・・ ゆえに下巻も無理と思われ、山崎豊子氏とかもダメなんでございますm(..)m( 9月 12日)
 魔神館事件 椙本孝思 あれ?こういうのってミステリーというよりファンタジーって言うんじゃないの?「魔神館」の落成年に呼ばれた12星座に該当する不揃いな皆様方。そしてお定まりの嵐の山荘、孤立の中で殺人が起こるパターンではありますが、キャラがお定まりを越えているし、そのトリックに至れば私は初めてのパターンでこれがむしろファンタジー。白鷹黒彦が仲良くなった犬神清秀とその妹果菜の存在もお定まりと言えない、というあたりがなかなか面白かったです。( 8月 10日)
 夜来たる アイザック・アシモフ 若きアシモフおぢさんがプロとして飛躍した傑作短編集、という紹介でいいかしらん?ご本人のエッセイも載っています。6つの太陽に囲まれた星の住人が2000年に一度訪れる完全な日食による闇とそれで見えてしまう圧倒的な星々に伝説が重なって、恐怖と狂気に満ちてしまう「夜来たる」。フレドリック・ブラウンの不定期な恒星の動きに振り回される滞在者を描いた小説を思い出したけど、規模が半端じゃない分、怖さや(自分が上から目線見ていられる)おかしさもどでかい小説です。私が一番胸に堪えたのは「ホステス」でしょうか。異星人を自宅に招いた科学者のダンナさまは警官でしたが、違う星で生きる生命体の寿命や病気に、地球人が何か関係性があるのではないかと探る異星人と、阻もうとする夫である警察官(あるいは彼に寄生しているかもしれない何か)。それに科学者としての知識や妻としての恋愛感情まで入り交じって、メンタル的にけっこう来てしまいます。あと「緑の斑点」「人間培養中」「C―シュート」。 (7月 22日)
心霊探偵八雲2 魂をつなぐもの 神永学 を読んだのはかなりの大昔。今は二桁くらいまでシリーズが出ているんですね。 八雲の言葉や態度とは裏腹の熱い正義感や口には出さない春香への好意なんぞは、ま、私くらいの年になるともっとひ

ねりが欲しいと思いますが、見え見えもまたよしとしましょう。今回は女子中学生の連続殺人事件で、死者の魂が見える八雲が犯人を追いつめて行きますが、生者である犯人もいろいろ辛い気持ちを抱えているんですね。(でも犯罪はよくないですけど。)(7月 20日)

 永遠の森 博物館惑星 菅浩江 入院介護のお供に再読で当日読破でしたが、一度目とミワコのイメージが変わったかも。面白くて大好きなことは同じだけど、ミワコの感性を知っていて読むと、田代学芸員夫のじたばたもまた微笑みながら余裕です。これで菅氏に落ちてから菅作品を探し求めて彷徨い始めた記念の作品ですからね(^^)(7月 10日)
 探偵伯爵と僕 森博嗣 友達が行方不明になった新太は、探偵伯爵と知り合いになって、一緒に探すことになるのですが、大人の目(たとえば新太の母親もそう)には少し胡散臭い探偵アール氏、仲間なのか弟子なのかのチャフラフスカ女史のかっこよさ、警察との関係などが子供の目で表現されています。なかなか辛い事件なんですが、すっごく感覚が普通で安心して読み続けられましたし、さらっと描かれた過去の事件も、実は悲しみや慟哭がどれほどだったか想像できてしまうところが、なかなかです。文体は子供の作文なんですよ。でも、大人たちの悲しみが感じられて泣けてくるんです。私にはとても相性のいい作品でした。 (5月 20日)
 失はれる物語 乙一 友達が大ファンなので読もうとは思っていたのですが、けっこう怖いイメージがあってね。(;^_^A「傷」みたいなタイプが苦手だったのですよ。優しいのだけど、優しすぎて痛い感じがね。でもそれ以外は全然OKで、どんどん填っていきました。「手を握る泥棒の物語」「しあわせは小猫のかたち」粋だったり、気持の「Calling You」「失はれる物語」「マリアの指」と、おまけ(?)の「ボクの賢いパンツくん」「ウソカノ」が治められた短編集でしたが( 4月 20日)
 黒蜘蛛島
―薬師寺涼子の怪奇事件簿
田中芳樹 最近は読書自体ができていませんが、これもまた過去に買っていたのに最後まで気が付きません。 ちょっとマズイですなぁ。
カナダのバンクーバーの島で、猟奇的な監督と、彼を裏で牛耳る蜘蛛オバサンと闘いますな。お由紀、岸本のキャリアペアもすっかりレギュラーで自分の役所で頑張っておりまする。( 3月 28日)
 クレオパトラ の葬送
―薬師寺涼子の怪奇事件簿
田中芳樹 またしても中古やでダブル買い。 しっかし、今回は読んだことすら覚えていません。>大丈夫か?自分。
香港への豪華客船でのスッタモンダ、相変わらず美しくも過激な涼子さまと、だんだんいなし上手になる泉田くん。読んでてスッキリすることは確かなので。( 2月 10日)
 ソラリスの陽のもとに スタニスワフ・レム 中古やさんで買ったら一度読んだことのある本でした。 でも面白かったので完読。後半はすっかり忘れていたし。意識(知能)を持つらしい惑星ソラリスに赴いた地球の男性3人の前に現れたのは、過去に一番後悔を感じている相手で、対峙しながらも、何故この惑星がそういうものを作る(?)のか考えるワケです。最後はもっとはっきりすっきりして欲しかったけれども、これしかないかな?とも思うし〜〜( 1月 30日)

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