最近読んだ本です

(08’4〜 6)

 (08’1〜 3 )                                    HOMEへ

 

未来の恋の物語 大原まり子 や〜ん、イルとクラムジーにまた逢えちゃった〜〜 今回はクラムジータイプの相棒と駆け落ちしちゃった警察官家族も準レギュラーで、いろんなタイプの生命体さんのメンタルな部分や恋愛なんぞをたくさん織り交ぜた短編集であります。だからイルとクラムジーのカップル(??)はそんなにラブラブじゃなくて、どこまでも同僚の同居人だったんだけどね〜( 6月 30日)
プリズムの瞳 菅浩江 この作品はやや重めに始まりました。不老不死で専門技術を持ったロボットPシリーズが、結局人間に受け入れられまいまま、ただ、絵えを描くことのみ許されて人間社会の中にいるのですが、それに反応する人々の心境を色彩の題名がついたシリーズで綴る連作短編集です。結局感情を持たない人型ロボットって、対する感情の固まりのような人間を、そのまま映す鏡なんですね。でも、読み進みうち、その重さもどんどん希望に変わってきました。かなり解釈は難しいけれど、いつでも感じ続けて行きたい(でもなかなかそういかない)と思っている私には、もう一度自分を振り返えさせてくる気もした作品でした。( 6月 26日)
金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲

 

菅浩江
赤川 次郎
小川 勝
柴田 よしき
北森 鴻
京極 夏彦
服部 まゆみ
有栖川 有栖
栗本 薫
菅さん目当てに借りたのですが、どの作品もみな面白かったです。(私だって一応横溝フリークですから。特に好きな作品は『三首塔』でしょうか。京極作品はすでに読んでいましたが、どれもみな、金田一や成城の先生が大好き!というのが分かりました。ほとんどが後年のどちらかが事件にちらりと登場する、(でも菅さんは、金 田、一 探偵事務所、これ、キムさんと、デンさんと、ニノマエさんという3人大学生が京都の町屋に開いた事務所の話でしたから、当人様たちは欠片もいらっしゃらず、ただ、ファン意識をまき散らしながら、「鬼女の都」のごとく京都ならではの事件と、その終わりでした。)服部氏だけは、金田一が事件を解決しています。マニア必見ですが、軽いファンの方でも十分に楽しめると思いました。( 6月 24日)
あやしうらめしあなかなし 浅田次郎 意図せず、これも幽霊話の短編集でした。これはけっこう重たく、しみじみとくる現代の怪談・・でしょうか。でもスプラッタじゃないからね。日本の幽霊さんは人情がある、というか・・(^^;ゞ 切なくて、優しい作品集でしたね。( 6月 18日)
ちんぷんかん 畠中恵 最近文庫本をよく見かけるので図書室から借りてみました、初めての作家さんです。妖怪参加型時代庶民モノで、これは「しゃばけ」シリーズの6巻目とか。読んでてちっとも違和感はないのですが、やっぱり初めての作家さんて文体に慣れるまで読みにくい感はありますよね。ちょっとわかんなくて戻ってみたりとか。江戸時代の大店の身体の弱い若旦那を守るための妖怪たちや店の人たち、家族、みんな温かくていいです(∩.∩)( 6月 15日)
おまかせハウスの人々 菅浩江 すご〜〜く面白かったですヾ(>y<;)ノ 家族がメインテーマの気がしますが、ロボットの子供を育てながら自分の人間性に悩んじゃう独身の母親とか、家事をすべてこなす家に住んだ3組の家族の事例など、出だしは解決困難な問題提起から始まるのに、それなりにハッピーエンドで終わって嬉しいし、とくに大受けで何度も読んじゃったのが「新フード病」 これはもう主婦なら共感と涙なしには(??)読めないくらい面白かった。菅さん、よく言ってくれました!!ってすっごい達成感です。(でも内容は笑えないくらい深刻な問題を孕んでいるんですけどね・・)菅さんってすごい作家だなぁ〜〜〜( 6月 10日)
変身願望~メタモルフォーゼ 赤木かん子(編集) さんの作品を読みたくて、県立図書館から貸し出してもらったら、アンソロジーでした。菅さんの「嘘つきな人魚」は読んだことがありました。(永遠の森の中の作品だったのかな?)でも星新一様の作品とか(これも当然読んでいます)翻訳ものもあり、ジュビナルっぽいながらも大変楽しめました。一緒に借りた「ロボット・オペラ」(瀬名秀明著、編集)の菅さんの「KAIGOの夜」は読んだものでしたが、思いがけず大原まり子さんの「告別のあいさつ」星さんの「ボッコちゃん」田辺さんの「愛のロボット」などは読んだことがあり、また初めての作品もありました。ま、こういう作品集も世の中にはたくさんあるんだと気がついた次第で、それなりに楽しめました。( 6月 5日)
まぼろしハワイ よしもとばなな ハワイを舞台にした3編ですが、ばななさんの小説を通して想うハワイは、とても不思議で温かくて深くて切なくて悲して優しい所みたいです。家族の死や別れ、そして義理の家族が絡んでいるお話なんだけれど、私も同じ感覚を一時持っていたことを思い出し、そういう気持ちを煎じ詰めて小説にしてしまうばななさん、この小説のために5年も歳月を掛けているなんて、その間じゅう、ずっとそんな気持ちを背負っていたら、ほんと、身体に悪い気がしますよ。読ませて頂いて、私はただ泣けばいいけど、ばななさんは苦しくなかったんだろうか、と、そんな心配をしていまいました。でも、元気になれる小説です。これが不思議なんですけど。( 6月 1日)
ひとがた流し 北村薫 時間がなかったけれど、とても読むことを止めるなんてできませんでした。 40代の女性3人の友情と日常を描いるのですが、互いのその位置と関わりの重さを、この年にして初めて思い知らされるのが、この作品を読んでやっと知らされた気がします。最初はちょっと回りくどい気がしていたのですが、それがどんどん勢いをつけて、今の年齢の私たちを揺り動かしてくれます。深い感動でした。「涙」という文字を使わなかったという北村氏ですが、読者は泣かずにはいられませんでした。
で、「月の砂漠をさばさばと」の牧子とさき親子、だったのですね、と、そこだけは笑ってしまいましたけど(^^;ゞ( 5月 29日)
プレシャス・ライアー 菅浩江 これはこれは・・ 私は大変素直な読み手なので(??)コンピューター世界のVRの中や、コンピューター自身のIAとか、怖くもあり、興味もあり・・でしたのに、結局はそういうことですか?確かに「I am」と通じるものがあり、物思うこと、意識や感情、それがデジタルでは納まらないという感じはずっと思っていましたが。ま、ちょっと理屈っぽかったかな、とは思います。( 5月 29日)
ファントム・レディ 火浦功 高飛びレイク・シリーズ番外篇あります。沈没宇宙船のお宝を頂くスッタモンダと、オシゴトの途中でとんでもないミーハー女学生にへばりつかれちゃうお話、それからレイクと関係なく、絵画泥棒と悪徳警官のシリアスな 追い駆けっこなど、3編ですが、シチュエーションは確かに未来とかですが、SFっぽくなく、それはそれでありでしょう、という感じですか。( 5月 27日)
創竜伝
〈11〉銀月王伝奇
田中芳樹 兄弟が霧立町に呼ばれ、国際演劇祭という大イベントの最中にとんでもない敵と戦う羽目になるという番外編です。涼子様を彷彿とさせる一話完結ものなので、大変面白かったです。でも新書版と文庫版、両方買っちゃった私、誰が責任取ってくれるの??( 5月 25日)
松島・蔵王殺人事件 西村京太郎 殺害された身元不明の死体が二つ。どちらも偽の名詞を持っていたことから始まった、東京、仙台の連続殺人でありますが、ある意味、都合よくいろんなことがわかり過ぎない?と思う場面もね。政治家ネタなので、二時間ドラマにはありがちな動機ですけれど、松島や蔵王、そりゃ、一度二度は行ったことがある場所なので、情景が浮かんで胸がときめきますし、十津川警部と亀井、西村たち、おなじみのメンバーのひらめきと努力は、最後まで読むことを止めさせませんから。( 5月 22日)
探偵倶楽部 東野圭吾 探偵倶楽部の渋い二人が活躍する短編集でありますが、渋すぎて怖いくらいでした。依頼人があってこその探偵ですけれど、殺人事件ですから警察も当然出てきます。でもこの探偵はまったくの黒子で、警察を出し抜いていながら、時には依頼者さえも出し抜いちゃう。探偵たちの描写は声と表情と衣装くらいなんですけれど、具体的なことが何も書かれていないからこそ、一層不気味ですごみがあります。トリックもすっごいですけから、あっという間に読み終わっちゃっいましたがね。( 5月 18日)
ユリ迷宮 二階堂黎人 あらら、こちらも作家さんと同名の探偵(助手?)さんが出てるのね。二階堂氏の作品はあまり読んだことはないのですが、二階堂蘭子さんのお噂はかねがね(?)伺っておりました。その蘭子さんが活躍する3編のミステリー。有無を言わさず断定的に推理する凛々しさは、やっぱり、オンナならですかねぇ(って、違うかな?)( 5月 16日)
法月綸太郎の新冒険 法月綸太郎 法月親子も警視と作家の息子で二人暮らしなのね。こんな設定なのは、法月氏が↓ぞっこんだって、ことなんでしょうね。その親子が活躍する短編集ですが、どのトリックもみな意外で(私はほんと、トリックには弱いですから(^^;ゞ)とっても面白かったです。( 5月 14日)
九尾の猫 エラリー・クィーン あまりにも有名な作家さんなのに、最近はとんとご無沙汰だったのですが、読み始めたらはまるはまる〜〜 時間に追われて中止しなくちゃならないのが悔しくてしょうがないくらい。、男性は青、女性は鮭肉色の絹の紐で首を絞められるというマンハッタンで起こった連続殺人事件、マスコミがまた世間を煽るので、人々はパニックに陥る〜 その中で犯人を捜し出さなければならないクィーン親子に、手助けをする被害者の肉親同士の恋愛とか、スリリングで殺伐としてて、でもロマンティックで、すっごく面白かったです。( 5月 10日)
特急「白鳥」十四時間 西村京太郎 亀井刑事の殺害に一千万の賞金が掛けられた!ってだけでそうとう荒唐無稽な発想で、へ、西村氏って、こんなとんでもないことも考え出す方なの?と思ったけれど、これだけの作品を量産されているんですから、非現実的なストーリーになるのも当然よね。この方、句点が多すぎのが邪魔でありまする〜〜( 5月 5日)
宇宙カジノ略奪作戦-高飛びレイク シリーズ1 火浦功 テレポート能力を持つ宇宙犯罪者レイクが相棒のジムや元妻たちとカジノ惑星略奪大作戦を決行するのですが、設定は好きだけれども、今ひとつワクワクドキドキしませんの。キャラはみんな魅力的なんだけれど、宇宙船とか、惑星内部の状況とか、ドンパチの最中の描写とか、きっちり脳内変換できなかった私が未熟なんでしょうけれど。( 5月 2日)
東京・山形殺人ルート 西村京太郎 普通、バラバラ殺人の被害者と被疑者が直感だけで分かるとは思いませんが、でも面白かったですよん。 なんの証拠もないのに、そうだと決めつけて捜査を断行、結局それでも証拠があがらず次の犯行を待っての逮捕劇は、端で見てるとヤバイ気もしますが、これが小説なればこそ最後はちゃんとつじつまがあい、やったぁ!のカタルシスであります。いや、ほんと、小説でよかったですよ、犯行の内容も。(現実だったらたまりません)( 5月 1日)
スバル星人 大原まり子 なんと、処女少女漫画家のみなさんにまたまたお会いできて、嬉しい限りですワ♪ 今回の設定は、なんだか自分の夢を想像したような、そこそこの位置にあるお話で、蟻型宇宙人、スバル星人が出てきた時はどうしようかと思ったけれども、なんだかすっかりみんな上手に治まってしまって、ふ〜ん、今回はこれでよかったわけね、と、実はちょっと不満だったりもしました。( 4月 30日)
天切り松 闇がたり
〈第1巻〉―闇の花道

〈第2巻〉―残侠
〈第3巻〉―初湯千両
浅田次郎 天切りを生業としていた大時代な盗人松蔵が、留置場まで出向いていって(?)自分たちの昔を語る、人情と任侠のシリーズものではありますが、どうも私は肌が合わず、これはどうしたもんでしょうね。それでも安親分にしろ、おこん姐さんにしろ、粋で強くて優しくて、実にかっこいいキャラではありますけど。そちらの世界も官の世界も、そして我ら民間も今は義理人情なんて言っていたら、全部責任負わされてぽいっ!ですからね、実にせこくも冷酷なよの中になってしまったとは思います。( 4月 29日)
笑壺-SFバカ本ナンセンス集 大原まり子・他 聞きしにまさるおバカSF集でありました(^m^) なんでか下ネタが多いのが不満ではありますが、美形のドラキュラ集団に紛れ込んでしまった中年ハゲオヤジの新人吸血鬼や、エイリアンにあっても彼らを利用してどうやって儲けるかしか考えない大阪人とか、ほんとにこれでいいのか??というような作品ばかりで唖然としましたが、かなり面白かったです。( 4月 22日)
ドリームバスター4 宮部みゆき 時間鉱山で出会った三人をなんとか帰還させ、地球にある瀕死状況から救おうと頑張るシェンですが、死にたい人間をどうやって更正させらいいのだろう・・という、心療内科のような一冊でもあります。ずっとシリーズに流れているテーマが一層顕著になっている気もして、ほんと、今のこの社会でみんなが楽に生きるためにはどうしたらいいんでしょうね・・と、答えのない問題を抱えてしまったみたい。でもまだまだシリーズは続くのよね。( 4月 21日)
メルサスの少年 
―「螺旋の街」の物語
菅浩江 生まれるはずがないのに生まれてしまった少年イェノムが棲む異形の国メルルキサスに、不釣り合いな未来視のカレンシアが逃げ込んできて・・ どこまでも現実ではあり得ない世界ですけれど、根底に流れる悲しみとか優しさとか慈しみとは、人本来のものです。女性にしか書けない、と思ってしまいますね。菅さん、大好き!!( 4月 20日)
クレオパトラの葬送
―薬師寺涼子の怪奇事件簿
田中芳樹 香港行きの豪華客船クレオパトラ八世です。なんでか客層が一般的な豪華客船と違い、目つきの悪い黒い服の中年男たちばかりですが、やっぱりややこしい「銀色の蛇」が出てきますナ。涼子さまの選りすぐった人の弱みを攻撃する言葉の数々、ムハハ、毎回これが読みたくて買っているようなもんですが、今回はそれに加えて、散在も見事でございましたよぉ┐('~`;)┌ ( 4月 17日)
の訪問者―薬師寺涼子の怪奇事件簿 田中芳樹 今度は軽井沢で休暇な涼子様と臣下の泉田くん♪ でもやっぱり何も起きないわけはなくて、アメリカの超富豪で狂信的な新興宗教を持っているマイラとその娘たちとの戦いが待っていましたですね。今回の敵はあまり怪奇的ではなく、ちょっとした薬とその成果くらいですが、舌戦はと〜〜っても楽しい。なんだかんだ、やめられないシリーズです。( 4月 13日)
われはロボット アイザック・アシモフ 大好きなアシモフ作品のわりに、なかなか読み続けられなかった一冊です。ロボット心理学者のキャルヴィン女史が、ロボット工学三原則をふまえてのロボットの進化の歴史を、様々な事例をインタビューに応える形で進む連続短編集ですが、読み終わってみれば、とても深い印象が残りました。( 4月 10日)
黒後家蜘蛛の会 2 アイザック・アシモフ あこがれの黒後家蜘蛛の会が手に入りました。 ヘンリー、かっこいいですねぇ(^^ 給仕の腕も超一流、推理も超超一流! 今回はシャーロキアン、とか、作品を買い取って絶対に載せてくれない編集者とか、隕石のかけらを欲しがった人の本心とか・・ 読み終わるのがもったいなくてたまりませんでした♪( 4月 5日)

(08’1〜 3 )                           HOMEへ