最近読んだ本です

(’09 7〜9 )

     (’09  4〜 6)                            HOMEへ

ひらいたトランプ アガサクリスティー 邪悪な感じを演出して喜んでいるようなシャイタナ氏が殺されて、そこにいたのはポワロや警部など犯罪究明のプロ4人と、シャイタナ氏が過去に殺人をしたと睨んでいた4人。 後者の中の誰かが犯人に違いないわけで、物証の少ない殺人を4人の過去とブリッジの手で性格を追い犯人を見つけるポワロであります。最後はけっこうどんでん返しで、こういうのもアリかな〜 と。ちゃんと恋愛も用意されてございます。( 9月 29日)
仮面の島
〈建築探偵桜井京介の事件簿〉
篠田真由美 京介一座(!?)イタリアへ参りました。ヴェネツィアの小島に住む日本人の未亡人レイコの魅力と謎の絵画〜〜 どうしたって誰かは死んじゃうのだけど、相変わらすこってりと濃くてロマンティックで隠微で切ない。蒼の存在がどれだけ周囲を癒したかも計りつつ、おどろおどろした人間模様の中で、自分はいつまでも子供だ、優柔不断で周囲に迷惑をかけていると思いこんでいる蒼と、蒼のまっすぐな強さに勇気を与えられていると思う京介たちのギャップ、いい感じなんですよね〜(^-^) 京介はこんなに頭がよくて美形で性格も主役向けだけど、心密かに蒼が上を行ってたなと思った本作品でありました。( 9月 25日)
死して咲く花、実のある夢 神林長平 防衛軍の任務は猫を探す「マタタビ作戦」。で、乗り込んだ情報車が着いた先は廃棄物の山で過去のラジオ放送が聞こえ、空飛ぶ鯨を焼いて食べる・・ という出だしとは大違いの死と脳や意識がメインの禅問答のような実に会話の多い一冊でした。3人の隊員の現状と死に対する認識もそれぞれで、うわ== どうしよう、私の頭じゃついて行けない、と思いつつも、最後はとっても慈愛と希望に溢れて、思わずこみ上げるものが・・ 前向きな気持にさせられました。( 9月 22日)
星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン 面白い==ヾ(>y<;)ノ 文体は硬いし説明もけっこう専門的で難しいけど、そういうのぜ〜んぶ端折ってすっごいスケールのとびきりSFだと思います。 月から発見された人間の死体は5万年前のものだと分かり、遺品などからいろいろな見解が飛び出すのですが、そのあと木星の衛星から2500万年前の異星人の死体と宇宙船が見つかり、その中に当時の地球の生物のサンプルがぎっしり。この二つは関係あるのかどうか、月の死体はどこに住んでいたのか・・・ たっくさんの専門バカ、派閥、それを中立の立場で総括する立場のハント、この人の存在がすごい。最後は本当に納得しました。ところがこれ、シリーズじゃないですか!!絶対続きを読みます!( 9月 18日)
ネジ式ザゼツキー 島田荘司 だいぶ前に手に入れたけどもったいなくて(^^;ゞ で読んでみたらば島田氏はあいかわらずすっごいですねぇ(◎_◎) 30年ほど前以降の記憶がまったくない男性と彼の書いた『タンジール蜜柑共和国への帰還』という童話。その内容と会話からだけで、記憶を無くすきっかけとなった事件の真相を突き止める御手洗さま、すごすぎです。横書きの部分が多いのが、また新鮮でありました。( 9月 14日)
琥珀の城の殺人 篠田真由美 篠田氏のデビュー作ということで、はい、力いっぱいで濃ゆい(^^;ゞ 18世紀の曰く付きの城の中での殺人と、周囲のたっぷりワケありの人々。おどろおどろどしくてロマンティック、いやらしくもあり残酷でもありまして・・ 最後の謎解きのあたりは、まぁ、大どんでん返しなワケですが読むのがしんどくなっちゃったりしましたよ。この探偵さんはまだ出てきますが、私はやっぱり桜井京介の方がよいかも==( 9月 10日)
砂漠の銀星胡蝶―ホルス・マスター〈1〉 嬉野秋彦 命のど近眼で超かっちょい剣士と、それにちょっかいをだす拳士の女の子たちとのどたばたファンタジー。 んでも私はちょっと・・ね。キャラの色が見え見えだし、設定はともかくストーリーもありきたりで。( 9月 5日)
マジカルランド お師匠さまは魔物! ロバート アスプリン 見習い魔術師スキーヴが魔物の弟子になって繰り広げるどたばたの冒険物語。魔法が使えなくなった魔物オゥズが、なかなか口八丁で〜 と思ったら、この方「銀河お騒がせシリーズ」の片割れなのね。口がうまいはずデス〜 なんだか落語を聞いてるみたいでした。( 9月 1日)
老ヴォールの惑星 小川一水 面白かったヾ(>y<;)ノ また大好きな作家さんが見つかりました、とっても嬉しい。 宇宙の中の生命体の意識、4編、みな深くて感動しました。その中の「漂った男」はたった一人で未知の星の海で迎えを待つ人間の心情でありますが、通信で会話を続ける地球側もまたよいのよぉ。この方の作品、探しまくらねば!!( 8月 27日)
ソラリスの陽のもとに スタニスワフ・レム 未知の生命体との接触の話ですが、結局は人であることの心の有り様を描いているのかな?ソラリスの単一意識の海とコミニュケーションを取ろうとする人間達に対し、友好的でも敵対的でもない反応に意味をつかめないのですが、やがて苦悩の記憶の中の人物の形態をとって海が側にやってくるのですよ。理解しあえないけれど、触れあいたい気持だけは分かって、けっこう切ない物語です。ソラリスの海は応えてくれないから、自分の心を見つめるだけの話でもある気もしますが。最後、もっと劇的に終わってくれたら、もう少し達成感だったのですがね。( 8月 23日)
少女の空間 青木和
大塚英志
梶尾真治
小林泰三
篠田真由美
二階堂黎人
 
うう、嬉しい〜 全部書き下ろしです。青木和氏なんて寡作なので、それだけで買っちゃいましたが、篠田氏もよかったなぁ。二階堂氏のオチは効きました(^m^) 思いがけずに超よかったです。ラインナップは林泰三『独裁者の掟』青木和『死人魚』篠田真由美『セラフィーナ』大塚英志『彼女の海岸線』二階堂黎人『アンドロイド殺し』梶尾真治『朋恵の夢想時間』山田正紀&西澤保彦対談付き、であります。( 8月 18日)
怪奇・夢の城ホテル
―逢摩時雄の奇妙な事件簿
川辺敦 テレビ番組で噂の幽霊ホテルに乗り込んだ放送作家とそのクルー、本物のの幽霊に出会っちゃって、オマケに憑依までされちゃって、霊能力さんたちにも手伝ってもらう・・とか言う話ですが、とってもしっかりした構成と説得力のある霊に対する意見で、読んでいて違和感はありませんでした。本当にテレビ番組の裏側ではこんなこともあるのかもね、と、怪談の多い夏の番組に思ったりしています。シリーズになるのでしょうか?( 8月 15日)
ずぼら 田辺聖子 大阪の女性の6編の恋愛のお話です。とても現実的でして、もう少し夢を見てもいいじゃない、とか思いながら、オトコとオンナじゃ、こんなもんでしょ、とかも思ったりね(^^;ゞ( 8月 2日)
蘭陽きらら舞 高橋克彦 「だましゑ」シリーズ第4弾当たるのですね。今回は春朗よりも蘭陽の活躍がメインですが、おこうたち仲間も健在です。12の短編集ですが、幽霊話、人情モノ、お庭番絡みなど、さまざまで一気に読めました。( 8月 10日)
剣の輪舞 エレン・カシュナー 貴族からの請負で剣で暮らすリチャード・セント・ヴァイヤーと、美貌の恋人アレク。やおいファンタジーモノという解説でしたが、こりゃ政治の裏側を見てるような策略と貴族階級の力関係のお話・・というか。そういうことでは非常に生々しく現実的で、ちっともファンタジーじゃないので、魅力的なリチャードには悪いけど、斜め読みでした。( 8月 2日)
身も心も
<伊集院大介のアドリブ >
栗本薫 あぁお馴染みさんにあってホッとしました (^_^;)\('_') しっかし、このジャズ漬けにはアトムくんでなくても、頭がぐるぐるでしたけど。天才ジャズ・サックス奏者矢代俊一さまには過去にお目に掛かっておりましたっけ?私はこの人の繊細さや、ワガママぶり、でも放っておけない魅力に、久々にれすり〜を思いだしていましたがね・・・( 7月 30日)
トラヴェラー ジョン・トウェルヴ ホークス あらら、かなりしんどいよ。 ハークイン族のマヤと彼女の守るべき時空を超える力持つトラヴェラー族ゲイブルエルが敵と闘う話ですが、ファンタジーにしちゃ重すぎだし、なんと3部作で、まだまだこの緊張が続くんだってばさ〜〜〜 そのうち映画になるんでしょうね。「天使を悪魔」を読んだ時と、心情は似ています。( 7月 25日)
夢渦巻 田辺聖子 たまにはまったりと田辺さまの恋愛短編でも・・ ま、とってもよく分かるのですがね。30年も妻と勤め人をしていれば。普段読んでいるミステリやファンタジーに比べると、あまりに現実的で、ちょっとイライラしちゃったかも(^^;ゞ 小説の中でくらい、もう少しワクワクと楽しい夢が見たいわん。( 7月 22日)
ガリレオの苦悩 東野圭吾 湯川準教授と草薙、内田刑事のシリーズですが、いやぁ、ますます面白いです。トリックに人情が加わったというか、この5編の短編集はどれも味わい深いですよ。「容疑者Xの献身」はタイプ的に向かなかったので、今まで読んだシリーズ4作の中では一番好きでした。( 7月 20日)
どちらかが魔女 森博嗣 短編集のベスト版ですかね。 最後の作品以外は全部読んでいましたが、なんだか今回の主役は佐々木(西之園)睦子さまではなかったのかしらん??S&MシリーズとVシリーズのおなじみさんの集合と融合でありますれば、時間的な矛盾をちと感じたのに、最後の一遍で私にとっては大どんでん返し(?!)既存の短編を一冊にしただけで、私程度の読者をひっくり返すとはさすがに森氏であります!(私だけ??)表題の「どちらかが魔女」やら、「いつ入れ替わった?」やら、なかなかロマンティックでもあります(*^-^*)( 7月 19日)
南極(人) 京極夏彦 「どすこい」以来のギャグ小説でありますが、コラボがすっごいっす。こち亀や探偵ガリレオ(干菓子野ケーキには超受けヾ(>y<;)ノ)にも仰け反ったけれど、赤塚不二夫氏のイラスト付きのギャグマンガとギャグ小説の考察(?)にはもう大感激でありました。主役(?)の南極の汚らしさ、惨めったらしさにはちょっと辟易したけど、楽屋落ちっぽい編集室の大騒ぎもキャラが立っていてとっても面白かったです。(でも書くの本当に大変でしょうよねぇ)( 7月 7日)
スカイ・イクリプス 森博嗣 年を取らない戦闘パイロットたちと、空、飛行機、海、人・・ 生き続ける意味を探しながら、やったら透明です。これは短編集で、スカイクロラしか読んでいないので、今ひとつ登場人物が繋がっていなかったりするのですが、この色合いが好きでね。クサナギはどこへ行くのでしょうね。( 7月 6日)
火村英生に捧げる犯罪 有栖川 有栖 短篇4本掌篇(と言うのね)4本、どっぷり火村と有栖川です。火村の後ろでイジイジしている(?)有栖川がけっこう好き♪ヘ(__ヘ)☆\(^^;)  表題作は、な〜んとなく有栖川がメインで火村がおまけっぽかったので、またまた大好きでしたよん(^m^)( 7月 6日)
ドールズ 月下天使 高橋 克彦 眼吉親分にこんなに早くまた逢えるとは思っていなかったので、嗚呼、図書館様!と思いましたデス。 今回は聖夜さんという質実剛健(?)のお嬢様3部作でありました。眼吉親分の策士ぶり、説得力、それに加えて聖夜さんの腕っ節や正義感も加わるのですが、最終編はぶっとびます。1部の聖夜さんの悪に対する意識と行動、2部の学校でのテロ(?)とはまったく違って、盛岡の田舎の箱神に纏わる悪魔払い〜〜 時空までひっくり返っちゃうので、ここいらからは眼吉親分らしくないよ== なんて思いつつも、もち、またドールズに逢ったら、すぐ手に取るのでしょうけれど。( 7月 5日)
魚神 千早 茜 不思議な色合いで、ねっとり、うっとりなのはよいです。設定もちょっと非現実的だしファンタジーだし色彩が鮮やかに見える表現なのですが、ストーリーが好みではなかったかも。もっとはっきり今までの鬱積していた感情をぶつけ合って、誤解を解かして分かり合って欲しい、もう少し劇的なラストが好きだったかも・・ でした。なんだか山田詠美さんが読みたくなったりしましたよ。( 7月 1日)

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