最近読んだ本です

(’02,10〜12)

(’02,7〜9)                            HOMEへ

 

火刑都市 島田荘司 これは・・ いつもの島田氏のようには女性を突き放してはいなかったね。最後まで切なかった。なかなか一生懸命生きても報われないものなんだよね、人って。読み終わったあともしばらく捕まってました。(02,12,28)
ねじれた家 アガサクリスリティ 独特の人間性を描いた作品であるますよな。どなたもこなたも一癖も二癖もある。読んでて誰も信じられなくなってくるのよ。主人公もヒロインも、この人達だけは、って思うのに疑いたくなる、それくらい分かり難いミステリでしたね。でも終わり方はこれでよいのか?という内田康夫氏的でもありました。(02,12,25)
水に眠る 北村薫 う〜む、不思議な短編集でありますね。SFでもあり、恋愛でもあり、それでも静かなんです。水の底から水面を見上げてる感じ。すべての短編に違う方々の解説がついていて、なるほどとそれにも感激ですが、私はとにかく北村作品のの穏やかだけど芯のある心が好きだから、どうでもいいから嬉しいです。「ものがたり」が一番好きかな?(02,12,22)
陰陽師龍笛の巻き 夢枕獏 「ゆこう」「うむ」「ゆこう」「ゆこう」そういうことになった、その五であります。不思議で優しくもあり暖かくもあり、ケッコウ不気味でもある晴明と博雅の友情物語(!?)あとがきで「映画では野村満斎さんを使ってくれ」と要求したとあり、彼の晴明ぶりを絶賛していましたな。うん、よかったよねぇ 映画はシリーズにはならないのかしら。(02,12,20)
貴賓室の怪人 内田康夫 おお〜い、いいんかい?こんなもんで。光彦さんの他センセご夫妻、岡部警視までご登場、最後はクリスティネタ〜
ま、いいけどね、これがセンセの優しさなんだから。(02,12,19)
模倣犯(上下) 宮部みゆき いやぁ 読んでてめげそうになりました。特に犯人側の心理描写の時はかなり斜め読みです。まったくイヤになりますね、犯人側の心情は。でも最後は、もう心臓がドンドンって高鳴ってるのが分かるの!ああ、すんげぇ〜〜 実際売れたし、映画も当たった作品だけど、納得できる重量感が充分あるよ。特に被害者側の苦悩、それに関わってしまう部外者の在り方、目が覚めたような感じ。現実では絶対被害者にも加害者にもなりたくないけど、遭遇してしまった方々の苦しみを野次馬根性で評論なんてできないよね、と思ってしまった。ま、あんな犯人が世に出ないことを願うし、犯人のようなオトナに都合に振り回される子供時代を送らなくちゃならない子どもを社会が作ってもいけないと思う。それにしても、濡れ衣を着せられた彼、その家族達・・あまりにも不幸な結末で、泣くに泣けない。どうかほんとにこんなことは小説の中だけでありますように(02,12,17)
葬儀を終えて アガサクリスリティ これ、最後の最後まで犯人がわからないよ!それ以外のところで一生懸命人間模様探るんだけど。いろいろ特徴的な人達が出てくるけど、どれもこれも頷けて、犯人をほっといてもその人間描写が魅力的。面白かったよ。(01,11,12)
ハリーポッターと炎のゴブレット J・Kロング 図書館に予約で読んでしまいました。3800円の本。
うむ、一言でいうなら重たい、しんどいよ。ハリーやロン、ハーマイオニーも14歳という思春期にさしかかり、友情や恋愛模様も複雑化してるけど、(実際、ハリーとロンが仲違いしたときは読んでて辛くてしょうがなかった・・)それよりもなによりも、仲間の復活できない死とか、例のあの人の強大になった力に対して、大人達が仲間割れしたり、ハリーが自分の意思に関わらず四面楚歌になっていくあたり、なんとも重たい。ハリーの勇気は目を見張るんだけどね。あと3巻、闘いはもっと酷くなりそう。ほんとはもっと明るくてあっけらかんとしたお話だといいのに。ああ、暗い暗い。(01,11,10)
双頭の蛇(上下) 栗本薫 これ、すんごいかも!登場人物の魅力はもちろん栗本様。美しく聡明で冷淡非情な男性、でもって、可愛くて芯がしっかりしていて優しくて人の心を思いやり過ぎ頑なで、でも強くて潔い男性、正直で逞しくて一本気で不器用な男性、どれもこれもいいオトコ達ばかりだが、結局の犯人はその町(を作っている歴史を引きずった人となり、というか)だっちゅうのが、田舎に長いこと住んでる私にはよく分かったりしたのです。(決して我が町がそうではありません)ある意味、映画の「ショコラ」に通じるというか。大層面白うございました。(02,11,30)
パーフェクトブルー 宮部みゆき ずっと前から持っていたけど、重そうでなかなか手に取れなかったのよ。(息子が何か言っていたのね、その先入観)でも、確かに逃げようのない暗い部分もやりきれない憤りもあるけど、登場人物がみな前向きだし、みんなかっこいい!所長も進也も椎名さんも加代ちゃんもそしてマサもね。暗い現実でも、そういう気持ちさえなくさなければ、なんとか明日も歩き出せるんじゃないか、ってそんな小説でしたね。読んでよかったよ。(02,11,16)
英語・ガイジン・恥・殺人 吉村達也 これ、面白かった(O.O;)(oo;) ちょっと犯人の異常性にはひっかかったけど、「ガイジン」についての蘊蓄には頷いてしまった。子ども達の素直さ健気さが、いつもの吉村作品にない、暖かさを出していた感じ。(02,11,23)
丸の内殺人事件 吉村達也 こわ〜〜〜 短編だけど、みんな後味悪くて、もうごめん。(一つだけ、優しい話もあったけど、悲しい話だし)ああ、苦手(02,11,22)
編集長連続殺人 吉村達也 おや、面白いでないかい??相変わらず、事件関係者はヤナタイプばっかりだけど、氷室が魅力的なんだな。いつもはそれほど感じなかったんだけど、この氷室はよい。(02,11,20)
幽霊作家殺人事件 吉村達也 あ〜だめ、こういう濡れ衣タイプ。トリックはよく考えているけど、登場人物の人間性がね。斜めで終わっちゃいました。(02,11、18)
姥勝手 田辺聖子 再々読かな?(^^ゞ  だって面白いんだもの。この説得力はなんだろう!歌子さんの80はこれまでの人生のたまものだよね。センスも人脈も経済性も。なんだかんだ言ったって、息子達、ヨメたちとの関係に一番大笑いですが(02,11,16)
空中庭園殺人事件 吉村達也 なかなか最後まで犯人が分からないし、シチュエーションも面白いんだけど、氷室や常連さん意外の事件関係の人達に人間的魅力がないんだよ。どいつもこいつもヤナ感じのヤツばかり。もう少しどうにかなんないもんかしら。(02,11,14)
城之崎温泉殺人事件 吉村達也 これは志垣警部の事件だけど、ゲイの扱い方は納得できる書き方ね。親子関係とか恋愛とかがメインだけど、被害者が死んでなおどんどん性格の悪さが暴かれる、というのはなんか違う感じがするんだよ。性格に弱いところがあっても魅力もなきゃ誰も惚れないよ。それが 三画関係の真ん中にいるっていうのは、せめて小説の中くらいではどっかいいところがなくちゃぁねぇ(02,11,13)
ショート博覧会 横田順 相変わらずの駄洒落オチの短編集。翻訳不可能であれ、楽しませて戴きました。短い話がたくさん!っていうのは、読者は得した気分になるよね。(02,11,11)
野望の夏 栗本薫 これはこれは栗本様、私にはちょっと読めませんでしたわ。思いっきり感傷的なバイオレンスもの、っちゅうか・・ でも栗本様の人物描写は、ま、それを想像するだけでもお徳、ってところで。(02,11,9)
百億の昼と千億の夜 光瀬龍 ついに読んじゃいましたね。長年片思いだったこの本。今更何も言うまいってことろはあるけど、ずっと流れ続けている無常観、不条理感には遠い果てに想いを馳せてしまうね。(02,11,8)
妾宅・本宅小説・人生相談 田辺聖子 笑えばいいのか泣けばいいのか〜 まったくおかしな人生相談の数々。ま、お聖さんの作品ですからHネタに老人問題が圧倒的ですが、そこそこ身につまされて、あっという間に読み終わる、という寸法です。(02,11,3)
ランプの秘湯殺人事件 吉村達也 これは今まで読んだ氏の作品の中では(まだまだ少ないが)動機に説得力もあるし、魅力的な登場人物も多い。トリックはいつも頑張ってるな、と思うんだけど、今回はそれほどでもないかな?(02,11,1)
旧軽井沢R邸の殺人 吉村達也 どうも吉村氏は人間性を軽く描くきらいがあって好きじゃない、といいながらまた読んでいますな。相変わらずトリックはよく考えているんだけど、動機にもっと説得力が欲しいし、登場人物はどんな立場の人もキャラに魅力が欲しいのよ。(02,10,28)
五番目のサリー(上下) ダニエル・キィス 多重人格の話なので、もっと重くて辛くて、子ども時代の虐待なんかが丹念に描かれているかと、ちょっと怖かったけどそんなことはない、希望に溢れる小説でした。人格が融合していく過程は読んでいる分には面白いのですが、実際はどんなものなのでしょうね。24の人格を持った現実の男性のドキュメントも書かれてるそうなので、チャンスがあったら怖がらずに読みましょうか。(02,10,25)
仮面舞踏会
伊集院大介の帰還
栗本薫 なんとチャットの仲間とオフ会をしようとして人が殺された!その犯人を伊集院大介が滝沢稔くんの指を通して解決していくという、殺人事件なのに、ネットのほんとうの楽しさが分かる作品でした。ネットを知らない人に是非読んで欲しいと思った。(02,10,23)
秋の花 北村薫 泣いた泣いた、最後はほんとに泣いてしまったよ。和泉さんの苦しさと、津田さんのお母さんの気持ちを思って。円紫師匠の言葉一つ一つに、少女の頃と親である今を行ったり来たりする自分がいました。(02,10,17)
夜の蝉 北村薫 うぅ、いいよねぇ 「私」と円紫さん。今回は「私」のお姉さん、友人達、ささやかな事件に大きく心が動くのよ。優しくて、泣きたくなってしまったわ。(02,10,15)
俺は透明人間 胡桃沢耕史 はっきり言ってエッチ本なのだけど、設定も内容もマジ面白いのよ。江戸時代の透明人間が美しい未亡人の亡くなるまでを、書くことを禁じられた春本家に語って聞かせる。で、その美貌の未亡人の過去は・・(02,10,12)
闇の法隆寺 中津文彦 ご高名は伺っておりましたが、初めて読ませていただきましたね。が、わたしゃ歴史がけっこう苦手。それでも聖徳太子のことは、さもありなん、と思ってしまいましたもんね。事件は追って追われる殺人事件、なかなかのサスペンスでありまして・・ でも、友人達が大きな力になってくれるところは、女性だとなかなかないケース。嬉しかったわん(02,10,11)
殺人の方程式 綾辻行人 おや、刑事物じゃないの。(双子が探偵する、っていうおまけもあるし)内容は重ためだし、犯人もきつい設定だし、終わり方もけっこう辛いものがあるけど、笑えるミステリを綾辻氏が書くとは思わなかったので、意外な面を楽しめました。(02,10,9)
霧越邸殺人事件 綾辻行人 これは面白かった。登場人物の人間性や心理描写がとってもよく描かれていて、感情移入しやすい。それに連続殺人の犯人が違うことや(ネタバレ〜〜)謎のまま残る霧越邸の存在も重みがあっていいよね。(02,10,7)
青の時代
伊集院大介の薔薇
栗本薫 勢いは相変わらずだけど、登場人物の分析するする= ヒロイン恵麻の才能も考え方も生き方、行動の仕方なんて、もう胸がすくね!犯人はなんとなく見当がつくように持っていってくれる薫サマ。カリスマにはめろめろタイプの私だから、伊集院様とお近づきになりたいわ☆/(x。x) (02,10,2)
南米と不倫 吉本ばなな ブエノスアイレスのあるところっちゅうとアルゼンチンだね。タンゴやアニータのお墓(?)や、イグアスの滝や、靴屋や喫茶店(?)や、ホテルや町並みの出てくる、それこそ南米と不倫の短編集でした。不倫とはいえ丁々発止やいがみ合いの少ない穏やかな、なんとなくほっとする、人の関わりの小説集でした。意外と明るくてよかったわ。(02,10,1)

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