最近読んだ本です

(’02,4〜6)

(’02,1〜3)                             HOMEへ

天使の誘惑 横田順彌 ショートショートなんだけど、いつもの駄洒落オチばっかしじゃない13編。けっこうアンハッピーな終わり方にものあったんで、びくびくしながら読んじゃった(02,6,29)
銀河鉄道の惨劇(上下) 吉村達也 面白くなったね、吉村氏。(っていうかまだまだファン初心者で作品も決して順番通りに読んでいるわけじゃないけど)人の心の扱い方が筋が通ってきた、っていうか。でも、この作品は場面がものすごく変わるのよ。だから気持ちの切り替えも大変だった。上巻と下巻もなんかイメージ違ったし。それでも面白いのは説得力があるからだと思う。未読作品がたくさんあるから、楽しみだなぁ(02,6,28)
ショッピングの女王 中村うさぎ 泣いちゃうよね、全部ほんとだと思うと。文春で読んだ部分もあったんだけど、後半に行くにしたがって凄みを増すブランド品買いあさりと、経済的困窮・・・わたしゃ買い物依存症はさっぱりないけど、つい勢いに押されて2900円もするジャケット(桁は間違ってないよ。普段から着るモノはなんでもいい人。買うときは1000円以上のものはかなり悩む人だから)衝動買いしてしまってではないか!でも、でもだ、私は小説依存症。面白い本がなくなったら暴れるかも知れないな〜(02,6,23)
死仮面 横溝正史 う〜む、あいも変わらずえぐくも勢いがある、おどろおどろな横溝世界。八墓村の頃に書かれたようですが、かなりオトナな、耽美と倒錯の逸品ですな(^^ゞ (02,6,21)
時のアラベスク 服部まゆみ う〜ん、なんとなく犯人は読めちゃうし、文体は冷たいし、私はあわなかったなぁ なにより主人公に魅力がない(というか、私には魅力が分からない) おまけにその親友は全くイヤなタイプ。悪くても悪の魅力ってはあるはずで、わたしゃ、それも読めなかったのかな?トリックはなかなかだったけど、登場人物の人間性に納得できなくて、ちょっと寂しいですね。(02,6,19)
12のアップルパイ 筒井康隆編 再読ですな。遠藤周作、五木寛之、北杜夫、新田次郎・・などの大御所の皆様がとんでもない作品を書いていらっしゃいます。もう、笑っていいのか呆れていいのか・・ いや、恐れ入りますm(_ _)m 田辺聖子氏の「びっくりハウス」なんて、あんた、なんてコメントしたらええのよ。(02,6、17)
あじさい前線 連城三紀彦 これは面白かった!離婚を期に過去の8人の男達を巡って日本中を旅する話なんだけど、40代の女性の気持ちの流れとか20年ほどの前の男達の変貌とか、とても頷けるものがある中で、連城さん独特の文体がまた色があるし。「ため息の時間」の次に好きな一冊かも。(02,6,16)
Wの悲劇  夏木静子 この人の作品って、とっても緻密なんだよね。雰囲気とかで流されてない。これは映画にもなった名作だったはずだけど、初めて読みました。女流作家だけに、女性の悲しみがとても分かっていらっしゃる方ですよね。(02,6,13)
パロスの剣 栗本薫 これはちっとダメだったかな。ファンタジーっぽい設定は好きなんだけど、終わりがよくわからん。読み終わった到達感を見つけられなかったのよ。別にゲイに偏見持ってるつもりじゃないんだけどさぁ(02,6,10)
灰の迷宮 島田荘司 う〜む、吉敷はいい男だったんだね。通子が絡むとからきしだめだったんだけど。な〜んてはさておき、ほら、読んだ後のこの重さが吉村氏の作品と全然違うのよね。たまに辟易しちゃんんだけど、いろいろ考えさせられる作品は、大切だと思う。(02,6,9)
血液型殺人事件 吉村達也 だんだん吉村作品にも慣れて来た感じ。この小説のトリックなんてほんとにとんでもないのよね。島田氏の「斜め屋敷・・」も真っ青。でも登場人物はどれもこれも俗っぽくて、これが別の意味で魅力的なんでしょう。大変読みやすい作家さんですよね。(02,6,7)
ドールズ
闇から来た少女
高橋克彦 最初はなんだか気持ち悪かったんだけど、どんどんはまっていくの。生まれ変わりの話だけど、子供に宿ったもう一つの魂にもすごく惹かれるし。それにこの作品は登場人物の個性がとってもよく描かれていて、いつもそこに不満な作家だったけど、大満足!最後の優しい終わり方にも、とっても嬉しかった!続編があるはずなので、探そう!(02,6,4)
アガサクリスリティ殺人事件 河野典生 オリエント急行殺人事件の関係者が45年後にインドに集まってまた事件が起きる?という設定なんだけど、これがなかなか難解で、最初は大変でした。カタカナの名前が一人に3つずつもある感じで、それが総勢かれこれ20人・・・  これが日本の名前だったったら、もう3倍くらい楽しめただろうになぁ
ただ、作家の方のインドの描き方はまったくインドを知らない私にも、目にみえてくるようでした。(02,6,3)
ふぁん太爺さんほら吹き夜話 横田順 なんちゅうか、いっつもこの方のオチには開いた口がふさがらないのだが、今回はちぃとなまぬるいかいの。言わずもがな・・・の言わずもがな。(02,5,29)
そして誰もいなくなった アガサクリスリティ クリスリティオバサンの名作中の名作、もちろん再読、でも犯人は全然覚えていず〜〜〜〜〜
夏木氏の「そして誰かいなくなった」を重ねつつ(ほんとは逆だけど)やっぱ本家もスリリングよね〜 最初にこういうことを考え出したアガサクリスリティは偉い!!と思ったことでした。(02,5,28)
女のとうせんぼ 田辺聖子 週間文春に15年連載したエッセイの最終版。かもかのおっちゃんには、私も長いこと拍手したり、石投げたくなったり・・ でもとにかく笑いながらも納得できるなかなかタメになるシリーズでした。面白いよね♪(02,5,27)
最後の惨劇 吉村達也 やっちゃいましたねぇ シリーズものの推理小説作家兼探偵さんの朝比奈耕介の出生の秘密まであばいちゃう「惨劇」5部作であります。でも、これは花鳥風月の惨劇を読み終わっていても、なかなか入りづらい作品だったかも。場面や時間がどんどん移動しちゃうんで。ま、なかなか辛い朝比奈だったけど、このシリーズで恋人が出来たから、まぁよしとしよう。(02,5,23)
月影村の惨劇 吉村達也 いきなりど演歌のド〜ロドロの世界ですよぉ おまけに恐山、イタコ、降霊ですぞ〜〜〜〜〜だけどさぁ、いくら芸能界でもあれは酷すぎるよねぇ  それくらいの惨劇でしたのよ。(02,5,21)
鳥啼村の惨劇 吉村達也 欲しかった一冊が手に入ったので、一気読み、です。テレビ局のディレクター、離島の神々しいばかりの美貌の娘、それに埋蔵金、なかなかの取り合わせなんだけど、最後は朝比奈と血の繋がりを感じさせる青年の出現と、あくまでドラマティックですな。離島青島の自然ぶりがなかなかですね。(02,5,20)
雨の旅角館の殺人 津村秀介 題名に誘われて買ったのですが、この方はアリバイ崩しの名人、かな?(なにしろ馴染みがないもんで(^^ゞ )でも知った土地が出てくると嬉しいね。事故のあった場所に至ってはなんと実家の町ではないか。角館で被害者の飲んだ地酒が「飛良泉」だって!!これだけで充分満足でした。(おいおい\(^^\) 02,5,18)
そして誰かいなくなった 夏木静子 クリスティのあまりにも有名な「そして誰もいなくなった」をモチーフにずいぶんと凝った小説を書いてくださいましたね。けっこう硬めの文体で、読んでる方の心も固くなる感じ・・ で、最後まで読んで納得なのであります。(02,5,17)
ブレーン ロビンクック こりゃぁ怖かった。大病院の中の患者と研究 所の中で、興味ある症状の患者が皆行方不明になる・・・
出だしから重苦しく、こりゃ合わないかな?と思いながら、それが進むうちにますます恐怖が増すのよ。
最後はまったく何も信じられなくなってしまったね。友人も同僚も警察も国家さえ、裏切り者のよう。個人の人格なんて、吹っ飛ぶ怖さでした(02,5,15)
風吹村の惨劇 吉村達也 だんだん面白くなってきた、吉村作品も。このシリーズ全5作のうち、2作目だけがまだ手元にないので、4作目も5作目もちょっと読み惜しみだなぁ。全部そろったら、楽しみ〜 あ、この風吹・・は花咲から見ると、設定も小道具も面白いし、祭りのことなんかとっても丁寧に書いてある。地元の人は特に嬉しい一冊だろうなぁ(02,5,13)
こちらITT 草上仁 実はすっかりファンになっています草野氏の、これは記念すべき最初の本なのですね。発想がとんでもなくユニークで面白いですよぉ ちょっと文体的にわかりにくり部分もありますが、後の作品はそうでもないし、特に感情面は淡泊でもストーリーはとっても奇抜!面白かった!解説で「フレドリックブラウン」が好きとあたけど、その辺かしらねぇ 好みの原点は。(02,5,11)
江路村博士のスーパーダイエット 草上仁 これこれこれ、と言いつつ、短編集をまた楽しんで読みました。題名になってるえじそん博士のとんでもない発明の数々には、ちょっとめげてしまいましたが。一瞬横田順彌氏かと思っちゃいましたよ。(02,5,7)
ネフェルティティの微笑 栗本薫 はっきり言って、ヒロインの生き方には納得できないけど、エジプトの雰囲気は行ったことのない私でも想像できてしまいそう。街の匂いや音まで感じそうな、ホットな小説でしたね。(内容もかなり火遊びっぽいし)(^^ゞ (02,5,5)
出雲信仰殺人事件 吉村達也 8匹の蛇とか竜宮の使いとか皮を剥かれた兎様の殺人とか、いかにも奇抜なんだけど、登場人物の発想がと〜〜〜ってもマトモなのよね、吉村氏の作品って。ある意味普通で安心できるけど、ある意味とんでもないトリッキーな人が出ないんでそれなりでもあります。ま、シビアな物語でもけっこう笑えるので、この辺がまたこの方の作風なのでしょうか(02.5.4)
殺人は癖になる アガサクリスリティ やってしまいました(^^ゞ 「メソポタミアの殺人」の訳者と発売元が違うだけ。最初の書き出しですぐ分かったけど、た〜っぷりきっちり最後まで読んで、それでもって雰囲気は覚えていたけど犯人は忘れているんですよねぇ・・はぁε=(/。\;)
でも面白かったですよぉ。やっぱりオンナたちの性格を書かせたら、クリスティおばさんにはかないません。犯人の身元にもビックリ仰天だけど、動機ってのがねぇ・・連城さん真っ青ですってば(02,5,1)
R・P・G 宮部みゆき こりゃ、ほんと舞台のお芝居みたい。でも人の心の裏表、それから人の個性というか感じ方の違いというか、これが犯罪に結びついちゃうのがどうにも切ないけど、ありえないとも限らない、のが思春期犯罪の旗手(??)宮部氏だよな〜 ともかくネットがらみだったので、これまたなんとも言えず、一人で盛り上がってしまいました。(02,4,29)
怨霊の国 小松左京 再読の短編集なのですが、ハルキ文庫の「夜が明けたら」と前半はダブっているのね。ところが後半はすっかり忘れ去っていて、大変面白く読みました。25年前に文庫になった本なのになんでこう話題が身近なんでしょう。さすがに小松氏です。(02,4,28)
13の超小説 横田順彌 おお〜〜い、ヨコジュンよ〜〜〜 ストーリーもオチも全部駄洒落で押し通して、海外訳はどうすんだ〜〜〜〜 と言いながら、実は大好きだったりするのです。ああ、こんな小説書く作家も悲しいが、本を投げ投げ喜んじゃう自分も充分に悲しい・・(02,4,27)
緑幻想
(グリーン・レクイエムU)
新井素子 続編なのですが、これがけっこう難航したであろう、と思われる跡くっきりの作品ですね(^m^)植物は「私」意外の者すべてを無条件にアイシテル、なんてすっごくロマンティックなんだけど、その「想い」を具象化しなくちゃならなくて、登場人物達のセリフはかなり大変だったことでしょう。でも、雰囲気は分かりましたよ〜〜 好きですけどね、こういう発想(02,4,25)
グリーン・レクイエム 新井素子 ふ〜む、ありそうでなかったかも、の小説。新井氏独特の文体で、少女に戻って読みました。植物系のエイリアンと人間たちとの関わりあり、ちょっと切ないですね。(02,4,23)
花咲村の惨劇 吉村達也 5部作、ということで楽しみなのですが、全部が手元にない。朝比奈の作品もほとんど読んでいないので、これからまだまだ田の示そうです。これは設定はおどろおどろしてるんだけど、読んでみると意外な犯人とはいえ、感覚的には普通、よね。ちょっとビョーキっぽいものばかり読み過ぎて物足りないのかしら(02,4,22)
背中あわせ 連城三紀彦 再再読くらいだけど、また新たな面白さなんだよね。この辺が一番好きな連城氏かも。ちょっと栗本氏の大正ロマン、孤独壁、小説と重なるところがあって、一瞬作者が混同して不思議な感じでした。(02,4,20)
金田一温泉殺人事件 吉村達也 ほよほよほよ、金田一温泉の座敷わらしや、十和田湖、って、けっこう土地勘のある場所で興味深く読んじゃいました。文体自体は笑えちゃう方向なんですね。実は志垣警部、和久井刑事のコンビは初めてでしたのよん。内容は決して軽くはないのですけど、会話の妙とトリックの奇抜さで、あれよあれよという間に読み終えていましたねん。(02,4,19)
消える上海レディ 島田荘司 「水晶特急」のメンバーなのね。あの時もそうだったけど、およそ島田本らしくないんだよな〜 衣装の描写、女性の立場からの文章・・ ごっつい演歌歌手がオンナ唄を歌う雰囲気。それでも女性ヒロインがヒロインという立場でありながら、襲われるとマジ怪我しちゃうとこなんざ(それも一度じゃないもんね)やっぱ島田さんかなぁ(;^_^A (02,4,18)
真夜中の切り裂きジャック 栗本薫 これがまた・・・・ 短編集で最初はホラー、そして芸事、それから印南薫のお話だったんだけど、ホラーはすごく怖かった。誰の心にも潜んでいながら常軌を逸した人間の心ってのは、きっと幽霊よりも怖い感じがするよ。芸事の話は面白かったね。情がたっぷりで、特に「獅子」なんて、もうどうしていいか分からないくらい切なく、涙が出てきた。けっこうハードな短編集であるかも。(02,4,17)
どんぐりの民話館 星新一 星さんの本はなんの説明もいらない。大好きなお酒のよう。終わって無くなっちゃうのが寂しいから、小出しにしか読みたくない・・
でも読み終わっちゃった・・もう新作は読むことができないのに(02,4,15)
花咲かじいさんの
恩返し
所ジョージ 所さんたらぁ、と最初はかなりつっかかって読みにくかったのよ。これほど馴染んだニホンの昔話をこんなオチにしちゃって、と思って。それがもう何も考えずに読み始めると、面白いのよね、すんごく!特に「地蔵の嫁入り」はとっても大好きで、読み返したほどなのであります。(02,4,13)
魔都(恐怖仮面之巻) 栗本薫 これがねぇ、まずあとがきが思いっきり濃かったのよ。ところ中身というのがそれ以上濃厚・・栗本氏の思い入れたっぷりの大正ロマン、耽美、そして孤独感、寂寥感、なんたって栗本読みの私だからその辺の機微に惹かれて惹かれて・・・読み終わってからもしばらく、武知の闇に囚われたまんまで往生したくらいだったわね。ま、好き嫌いはあるかも知れないけど、私はやられた、って感じ。(02,4,12)
嘘でもいいから殺人事件 島田荘司 島田さ〜〜ん、これ、ほんとに大笑いしちゃった〜〜 まぁ、殺人事件で人が殺されちゃうわけではあるけど、登場人物のキャラがどれもこれも・・・(^m^)今までナンボ読んだか知れない島田作品も、これよりおっかしいのはないよね。「ユーモア」って銘打って てもけっこう重たくて悲哀に満ちてるものが多いのだけど、ほんとこれはこれは・・ 軽薄なやらせドキュメンタリーを作る、テレビやさんが、取材先の孤島で閉じこめられて・・というパターンもまた「いかにも」じゃない。私はけっこう好き!(02,4,6)
他人の目覚め 岬兄悟 う〜〜ん、お話の展開としてはなかなかの強引さで納得できないわけじゃないけど、あんまり優しくないの。人の気持ちや心が見えないの。それでもうダメかな・・と・・(02,4,4)
暗黒星雲のかなたに アイザックアシモフ 征服する側とされる側の駆け引き、化かし合いみたいな話だけど、アシモフおじさまの小説はほんとに面白い!!情報合戦、宇宙飛行、そしてそれに若い二人の恋。オタノシミはたっくさん!そして最後のオチは(ちょっと予想してはいたけど)猿の惑星(旧版)なみよん。これが40年以上も前に書かれた小説だなんてね〜 たまらないわん。(02,4,2)

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