最近読んだ本です

(08’10〜12 )

 (08’7〜 9)                                    HOMEへ

 

螺鈿迷宮
 
海堂尊 碧翠院桜宮病院にボランティアとして入り込んだ東城大学医学生の天馬くん、そこに火喰い鳥と氷姫まで登場・・ということで、「バチスタ」「ナイチンゲール」に連なる3作目です。 でも今回は出だしから恐さがこってりで、ホラーっぽい色合いでしたねぇ それでも終末医療の置かれている現状とか、国の方針の変化というのは、海堂氏が本当に憤っていることでありましょうし、また医師として他の人よりはたくさん見ているであろう「死」に対するスタンスを「死にゆく」人それぞれの立場で突きつけられた感じ。死ぬことに対しては若い頃とずいぶん考え方が変わってきましたが、それでも恐かったのは、終末ぬにいる多様な死に方、生き方、のせいでしょうか。( 12月 26日)
世界の終わり、あるいは始まり
 
歌野晶午 ミステリ好きの友人に勧められ初めて手に取った作家さんであります。 文体は相性がいいし、(最初の)設定はけっこう辛いモノなのに、読むのを止めたいと思う暗い重さがない。・・ってんで、どんどん読み進みましたが〜〜 う==ん、最後はいったいこれでいいざんしょうか??
でもね、とっても肌が合う感じは、きっとまた読んでしまう作家だと思います。( 12月 22日)
しゃばけ
 
畠中恵 これがウワサの一作目かぁ、こりゃ、マジ面白いや、と思いました。ご存じ妖の血が混じる若だんなと、一人息子にめっぽう甘い両親、若だんなの遊び相手であり、実は妖であるところの長崎屋の手代たち、ほか、若だんなの親友やたっくさんの妖怪さんたちが出てくる時代活劇、以前読んだ何作目かよりはずっと面白い読み物でした。早くシリーズをみんな読みたいぞ!!( 12月 20日)
バナタイム
 
よしもとばなな 結婚直後から妊娠までの劇的な時期のばななさんのエッセイですが、大きな失恋を引きずっているところから始まってそんなにはしゃいでもいません。 でもじわっと幸せを感じます。ものの見方や立ち位置で幸せって簡単なことかも、って思えたりもします。なかなかいい後味です。( 12月 12日)
巷説百物語
 
京極夏彦 又市がまだ駆けだしの頃(?)の話です。江戸の損料屋ゑんま屋を基点に若い又市がいろいろ企む中編集ですが、すっごく面白いけど、後半は暗いよなぁ・・ε=(/。\;) でも面白かった、本当に。特に素直な町方たちの受け取り方と、 裏の工作のコントラスト、そしてやっぱ語り口でしょうよね。( 12月 11日)
こころげそう
男女九人 お江戸恋ものがたり

 
畠中恵 江戸の幼馴染み9人がオトナになった頃の話です。 下っ引きの宇多は好きだったことを打ち明けられないまま死んでしまった於ふじが、幽霊になって宇多の仕事を手伝って(?)くれるのですが、青春まっただ中の9人は恋愛の駆け引き、仕事に対する考え方、そしてその行き先が『もしかしてこれ一冊じゃ完結しないのかもしれない、そうしたどうしよう』ってくらいの勢いで読ませました。(ちゃんと完結しました。)
若いっていいことや楽しいことより、迷いや不安の方がずっと大きいと思います。自分がこの年齢だからこそ楽しめた一冊でしょうか。( 12月 5日)
幻香
 
内田康夫 光彦に香り付きの手紙が届くところから事件が始まります。やたら警察嫌いの登場人物たちや、香りを携えた3人のヒロイン、なかなか華やかですが、これ、AMCに連載されたセンセと読者たちのリレー小説が下敷きになっていたんですね。香水の香りと作用、三位一体、読み物として、大変面白かったでした。( 12月 3日)
チエちゃんと私
 
よしもとばなな ということで、続けてばなな氏。ずっと従妹だと思っていた他人のチエちゃんと暮らす「私」の、チエちゃん、仕事、家族、恋愛などを描いているのですが、不思議なオバサン二人の暮らしだけど、私にはやっぱり現実的じゃないかも、とは思いました。でも結婚ってまさにこんな感じ>私には。亭主に感じる家族としての想いは、恋愛感情は最初からなかっ たけれど、一緒に暮らせるこの温かさがとてもありがたいから。でも、カラダなくして続くものなのかなぁ(性別なんかはどうでもいいんだけど) 
でももしそれが叶うなら、一緒に暮らしたい幼なじみがいるもん、もしかして現実の方がなんでもありかも。( 11月 30日)
ひとかげ
 
よしもとばなな 「とかげ」って好きだったよな、1文字しか違わないや、なんて思ってかりたら、「とかげ」のリメイクでした。ばなな氏のおっしゃるこだわりを、私が理解できたかどうか分からないけど、「ひとかげ」の方が柔らかいです。仕事も奇跡のように行うのではなく、ちゃんと仕事として一生懸命で。心と行動が自分たち二人だけのものでなく、ちゃんと周囲も受け止められているようで、こちらの方が好きでした。( 11月 29日)
天使と悪魔(上下)
 
ダン ブラウン ひぇ〜 くたびれた。「ダヴィン・チコード」でおなじみのロバート・ラングドン教授の第一の事件かしらん?反物質と宗教、バチカンとテロリスト・・ コンクラーベの日に教皇候補を4人も殺しちゃっていいの?反物質を空中から投げ出して、教授、マジ生きて帰れたの?で、イルミナティの正体があの人で、カトリックの人たちに怒られませんか?ってな、なかなかきわどい設定の上下巻でしたが、あまり丁寧に読み込めませんでした。息ができなくなりそうだったんですもの。( 11月 28日)
雨物語
 
半村良 半村氏ってウルフガイだよね??  でも非常に日常的な、日記を読んでいるような一冊です。書かれたのが20年も前で当時の時事を「雨女」という飲み屋で語る常連と、ママのことを散文的に書いているのですが、なんでか面白いのよ。ストーリーもないくらいなのですが、やめられず読みふけってしまいました。( 11月 24日)
ジュリエット作戦
ミルキーピア物語
 
東野司 ミルキーピアもけっこう読んでいるオバサンですが、これ、読んだシリーズの中では一番かも。R・P・Gの中で擬人化ソフトのローラ姫がおかしいと、ネット潜りを依頼される片山秀人だけど、なかなかロマンティックで、キャラもみんな立ってて、とっても面白かったです(^-^)(11月 22日)
花嫁誘拐記念日
 
クリスネリ 売れっ子ミステリ作家のトレーシーが、夫の妹の誘拐事件を解決するために探偵を始めちゃう、ハチャメチャジェットコースターミステリー。内容はしっかりしていて、奇想天外なんだけれど、読んでて疲れるのは私が年のせいでしょうね。それでもトレーシーや、彼女の両親や婚家の家族に馴染んだので、シリーズ全部読みたい、と思いますデス。 ( 11月 14日)
記憶の隠れ家
 
小池真理子 小池氏って遠い昔に読んだ記憶では、すっごく怖かった気がして、なかなか食べず嫌いでしたが、私も図太くなったのかしら、とっても面白く読めました。(確かに昔だったら、また遠ざかっていたかも)
一見普通に見える家庭に隠された秘密が暴かれる時、それはビョーキだったり、許されない恋だったり、けっこうヤバイくて怖いのよん。どうか小説の中だけにしてちょうだい、というおもしろさでした。( 11月 12日)
ゆらぎの森のシエラ
 
菅浩江 手に入れたものの、もったいなくて読めずに抱きしめていた一冊、ついに読んじゃいました(^^;ゞ でも「暁のビザンティラ」を先に読んじゃったからなぁ(;^_^A  緩やかな自然の進化と、強い力で急激に世界を変えようとする二つの力の戦いは、遠い過去には同じ場所にあったのですが、長い時間を経てまて向き合うことに。それぞれはいったい何を選び、どこへ行くのでしょうか。・・でもシエラは綺麗だし金目は凛々しいし、それがファンタジーだもんね♪ ( 11月 10日)
おそろし
三島屋変調百物語事始

 
宮部みゆき 図書館から借りたのが「おそれ」と「おそろし」の二冊とは(◎_◎) 
でも、宮部氏らしい江戸の町民の(ちょっとアッチが入った)人情物語です。ワケありで叔父夫婦に預けられたおちかが、その心の屈託を解放してあげたいと思っている叔父の提案で「かわり百物語」の聞き役になるのですが、「あやし」や「お初」のシリーズに連なる感じですね。続きは書かれるのでしょうか??( 11月 4日)
おそれ
 
高橋克彦 ホラー短編のベスト本、ですかね。「悪魔のリトル」「私の骨」「緋い記憶」などで読んだ記憶にあるものもありました。基本的にホラーは嫌いです。サイコサスペンスなんても嫌い。だけど高橋氏のホラーは違うから。立ち位置が高くないのね。だから気持が分かるんです、とっても怖いけど、その理由が。引き込まれしまいました。( 11月 2日)
カウント・プラン
 
黒川博行 読まず嫌いでした、ごめんなさい。実直な刑事物語の非連続短編集、とでも言いますか、いつもキャラ違う、でもしっかり殺人事件だったりします。感傷もないし、重すぎもないし(刑事は大阪弁だし)。でも犯人や被疑者はそこそこビョーキだし、意外と気楽に楽しく読めました。次もOKです。( 10月 30日)
霞町物語

浅田次郎

団塊世代の思春期の頃、そして場所は今はなき霞町って、麻布や青山や六本木界隈なんですね。当時は華族様たちの香りも残っていた・・ だけど田舎育ちの私でも、家族の関わりというのは分かるから。起承転結、ちゃんと一本筋の通った連作ですが、センチメンタルな色合いが浅田氏でしょうか。胸キュンでいい作品でした。( 10月 28日)
天使は探偵
スキー探偵大鳥安寿

 
笠井潔 長野のスキー場で起こる殺人事件をスキーインストラクター安寿と、ワトソン役の作家が解き明かしますが、新興宗教や微妙な超能力も見えたりして、社会派ではありません。作家さんにもキャラにも馴染みがないので、ちょっとしばらくごめんなさいね。なんだかどなたにも優しくないんですもの、初めての私は冷たい気がしました。( 10月 25日)
青森ねぶた殺人事件
 
西村京太郎 西村さんて意外とびっくりですよね。SFファンタジーに慣れきった私が「まさかこんなことあるワケないじゃん」って作品をたくさん書かれているんだもの。これはねぶた祭りで使われる大太鼓の中から若い女性の死体が発見されるってものでした。( 10月22日)
日暮らし(上下)
 
宮部みゆき 再読なんですが、やっぱり引き込まれて上下を一気に読ませて頂きました。(家事はどうした!!)葵が殺されることで暴かれるたくさんの思いこみや真実を、あの江戸のメンバーが感情豊かに伝えてくれます。みんな自分の個性で日常を一生懸命生きていますから、誰もが善人ってわけじゃないけど、それもこの年ならよく分かるし、とにかく好きな作品です。( 10月 20日)
黒後家蜘蛛の会〈5〉
 
アイザック アシモフ 相変わらずに冴えまくりのヘンリー様(もう『様』って付けちゃうもんね(^m^))古くさいバッグな盗まれ、中身がそっくり返された理由とか、約束した仕事相手がどうしても現れなかったのに、落ち度も事故もなかったワケなど、メンバーのみなみな様は個性出しまくりでありますが、私はいつも豪華なディナーの献立にも心惹かれるのあります。( 10月18 日)

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