最近読んだ本です

(’05,7〜12 )  

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片想い 東野圭吾 これは読み始めてびっくり!!性同一性障害、夫婦や社会での男女差、殺人・・それをすべて包み込む友情という絆。すっごくいろいろ考えてしまいました。私は普段、あまり性差別とか考えないんですけどね。いつでもオンナより人間でありたいと思ってるし、いろいろな格差はオンナであるからでなく、単なる立場だと思うし。だけど、これを読んだら、人の心の柔軟さと硬さが、すっごく見に迫りました。それにしても、最後のアメフトチームだった仲間たちの連係プレーには泣きました。薄氷を踏むような綱渡りの最後でしたが、互いの気持ちは充分に伝わりましたよね。(/_;)(12月 28日)
High and dry
   (はつ恋)
吉本ばなな 14歳の夕子の恋。キュウとの年齢差はお互いを知るうちにどんどん縮まっていって、夕子がずっと感じていた両親への気持ちを別の方向から見られるようになったり、とても瑞々しく心が洗われるような、幸せな一冊です。恋愛の小説というより、生き続けて行く方法を教えてくれるような本でした(*´ο`*)=3 ( 12月 25日)
ドラゴンの眼(上・下) スティーブン・キング ある国の王と二人の王子、そして側近の身分を隠してる悪い魔法使いの話でありまして、自分と友人の子供たちのために作った作品だそうです。いわゆるお伽話なんだけど、友情とか、人としての生き方とかを、父親殺しの濡れ衣で搭に閉じ込められたピーター王子を通して語っている感じ。魔法使いに操られて、兄王子を閉じ込めることになっちゃった弟王子も、気持ちは分かるしね〜( 12月 22日)
ZOKU 森博嗣 あ〜れ〜 あのぉ、どう言ったらよいのでしょ・・ キャラと道具立ては、もうメッチャクチャノリノリで凝っているんだけど、その敵も味方もやってることはなぁに??ささやかな悪事の意味づけ(意味がないってことを意味づけること??)と、それを阻止すべく戦う(??)黒ジェット機のZOKUと白い機関車のTAI.意味のなさに受けまくり、最後まで笑っていました。なんせ森氏の作品はFのシリーズしか知らなかったので、と〜っても楽しくバカバカしく読ませていただきました。( 12月 16日)
予知夢 東野圭吾 湯川博士が、超常現象がからむ事件を科学的に解いていく短編集ですが、面白かったわゎ〜〜(^m^)どれもこれも人間的な動機が隠れていて、それを科学的に暴き出しちゃうところがまたね。第一作の「探偵ガリレオ」も是非読みたいデス。( 12月 6日)
理由 宮部みゆき  手元に置いたまま5年!!なんだか怖かったのですよ、読み出すのが。一家4人殺しを取り巻く、被害者、加害者、彼らの身元、知り合い、知人、いろいろな人をルポした(だけ)の小説です。が・・ 事件を取り巻く普通の人たちの生の声と事件の異常性になんと言ってよいのやら。事件は普通の世間で起きているのですね。
( 11月 26日)
ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子 再読の短編集です。以前読んだのはだいぶ前のようで、作家索引には載ってなかったのですが、その間に何があったのか(x_x) \(^^;)ちょっと受け取り方は違ったかも。以前は結婚していても(いなくても)自立した女性たちに拍手を送ったものだけど、今はパートナーに本音をさらして、それでも気楽に暮らせるカップルの方がいいと感じられるから、ちょっと構えた女性たちが大変だと思ってしまったことでした。  ( 11月 23日)
筒井康隆 筒井さ〜ん、どうしてこんな小説が、こんなに面白いの?(x_x) \(^^;) 一人暮らし暦20年、元大学教授の渡邊義助氏の日常を丹念になぞっておりまするが、死と老齢がテーマでよろしんでしょうか。最初は日常の食べ物ののこと、お金のこと、交友関係などを外側から丁寧に教えてくれてるんですが、だんだん義助の夢の内容が頻繁に現れるようになって、そのあたりがいかにも筒井さんの小説(^m^)逃れられない死に対しての心構えもまた、いろいろ身につまされたし、亡くなった奥さんのことへの感じ方が時とともに変化していく様子や、とてもとてもとても愛してること、なんともいいようがないくらい、嬉しくて切ない。平均よりず〜〜っとマシな独居老人さんではありますが、その冴え冴えとした孤独ぶりと「敵」にひかされ最後まで読まされてしまいましたぁ  ( 11月 17日)
花まんま
朱川湊人
ホラー小説と銘打ってるけど、ちっともそんなことはない、大阪の庶民の人情話の短編集でしたね。それぞれに暖かさや、やりきれなさや、苦々しさや、優しさなど、はっきりした色合いがあって、シチュエーションは似通ってるのに雰囲気は独立してるのがまた面白かった。表題の花まんまは 生まれ変わりをテーマにしていて、別の女性の記憶を持つ妹を庇いながらも、その記憶の家族に逢いにいく兄妹のけなげさに泣きました。人って、そうですよねぇ( 11月 10日)
サーカス団長の娘 ヨースタイン
   ゴルデル
う〜ん、なんと言えばいいのであろうか?ちっとも道徳的でもないし、そんなに悪辣でもない、ただそういう自分がこの世にいて、一番自分らしく生きて、それでたまたそういう結果になってしまって・・
 作家援助士(?)の頭の中のたくさんのお話、面白くて、うらやましかったよ。 そして、それでいいんでしょう?あえてこの小説の主題なんて、探そうとは思わないよ。 ( 11月 5日)
上海迷宮 内田康夫 お休みだったので、2冊め読破♪ モデルの亦依さんはよく存じておりますのよ。センセの小説を中国語に訳してらっしゃる方ですの。(って、なんで敬語なんだ?)上海の発展のすさまじさは亦依さんご自身もおっしゃってましたけれど、生家のある上海の裏と表をセンセ、よく書かれましたね。んでもやっぱり、光彦さんかっこよすぎですよ。あそこまでみんなに手放しに褒められると、ほんとかいな、って思っちゃいましてよ。アホでもドジでも魅力は魅力。もう少し悩んだり後悔もして欲しくなっちゃったこのごろです・・( 11月 2日)
誰か 宮部みゆき で、また続けて宮部氏 。お偉い義父の運転手の事故死の謎を解くために、婿杉村は梶田運転手の娘さんたちと共に慣れない探偵の真似をすることになっちゃうのだけど、う〜ん、綺麗よりは人の心の裏側ばかりが出てきちゃった感はありまする。 でも杉村の妻子を大切にする様があまりにも素直で、そのあたりに感銘を受け、反面、遺児(成人だけど)である姉妹の違いと葛藤なんぞ、そしてお偉い舅のあり方なんぞに、家族というものを突きつけられた感じの一冊であります。あんまりいい終わり方ではなかったけれど、引っ張られるように読みました。( 11月 2日)
あかんべぇ 宮部みゆき 宮部 作品をどうしても読みたくなったので再読です。高熱のため向こうに行き損ねて戻ってきてからは亡者が見える体質になっちゃった料理屋「ふねや」の娘おりんをめぐる家族や使用人など生身の人々と、「ふねや」に住みついちゃってる亡者たちとの前向きなすったもんだの時代小説ですが、亡者さんたちでさえかなり生きていますもんねぇ みんなしっかり目的意識を持ってる。そのあたりが元気がもらえるゆえんですか。でも最後は親子の絆(?)で終わるあたりが、やっぱり涙落ちちゃいました。子供には親はすっごく大きな存在ですよねぇ・・( 11月 1日)
カエルの城 ヨースタイン
   ゴルデル
ソフィーの世界のゴルデル氏のファンタジーを図書館から借りてきました。子供向けというよりも、自分探しの最中の人なら、よく分かる部分もたくさんあります。 大好きなおじいちゃんを亡くして心に穴が空いちゃったけど、夢の中でニールやカエルの城での国王家族、侍従長、カエルや山椒魚たちと出会って、いろいろ考えますよ。宮部さんのとんでもないファンタジーよりは非常にあっさりで軽く済んじゃいます、それも良しとしましょう(*^_^*) ( 10月 28日)
イタリア幻想曲 内田康夫 お〜ほっほっほ、って別に笑える内容じゃないんですけど、センセ、海外ネタでここまで大法螺吹きますか(x_x) \(^^;) 赤軍派とセイガイフと放射能・・ それに宗教に対してのセンセのお考え、ほんとに笑えない重たさと意外性なんですが、ご夫妻は登場だわ、イタリアでも陽一郎兄の印籠だわ、とやっぱりいつもの光彦さんで、楽しかったですよん。( 10月 27日)
ICO−霧の城− 宮部みゆき 宮部氏がお気に入りのRPGのノベライズだそうですが、ゲームの経験はないにしろ、崖を上ったり、視界が広がったりの視覚的感覚は読んでいても分かりました。内容的には、なにしろ「ブレイブ・ストーリー」を読んだばかりの私なので、そっちのイメージよりは弱いのですが、イコの真相を知った時の苦悩、ヨルダの 後悔、トトの友情の深さ、そのあたりはさすがでした。( 10月 23日)
レークサイド 東野圭吾 ってことで、引き続き東野氏。これが意外と性に合わない作品で、ほぼ斜め読みです_(^^;)ゞ 4人の子供の塾合宿にその親たちも同伴し、その中の一人の父親の愛人がそこで殺されてしまうことから始まる疑心暗鬼の物語〜〜 愛憎の縺れかと思うと、子供たちも絡んできちゃうんで、これがこれで奥が深い。でも最後はあれでいいのかな??( 10月 22日)
白夜行 東野圭吾 いやぁ すっごい重量感のある桐原と唐沢!!小学の時に体験したオトナの身勝手からその後の生き方を曲げてしまった二人は、緻密に徹底的に裏と表を使い分け、人としては許されないことを毅然と美しいまでに成し遂げてしまう。愛情さえも計算しつくて演出して、欲しいものは手に入れるけれど・・ でも不幸だね。そうやっていくら頑張ってお金を手にしても、幸せなんてこないのに。 そしてそんな彼らを20年も追い続ける刑事の執念もまた凄みがあります。すっごい一冊でした。( 10月 21日)
日暮し(上下) 宮部みゆき 超美形の超頭脳弓 之助や、人間記録装置おでこが出てくる「ぼんくら」の続編ですが、これは親子関係を描いた作品ですね。おなじみ平四郎や小平次やお徳たちのほか、イリュージョンのような芝居をする一座やストーカーに付きまとわれるお六や、彦一なんぞという料理人など盛りだくさんの設定だけど、みな、親子の関わりに振り回されている。いかにも宮部氏らしい説得力のある上下巻でした。と〜っても面白かった。( 10月 18日)
はやぶさ新八御用帳 
幽霊屋敷の女
平岩弓枝 シリーズを過去に全部読んでいたはずではありましたが、あまりに久しぶりの新八にちょっと着いていけませなんだ。悩み多い人の出てくる小説ばかり読んでいたので、比較的時代と身分に乗っかってるだけの登場人物に、違和感をおぼえちゃいました、ごめんなさい。( 10月 13日)
しまなみ幻想 内田康夫 センセ、なんですかね、お母上に自殺されたピアノの上手なイイトコのお嬢様と、お宝拝見ですって? で、光彦さんはやたらチヤホヤされるわけで・・ 今回は瀬戸内の海に、軽く流れてしまいました?( 10月 11日)
ブレイブ・ストーリー(上下) 宮部みゆき 両親の不仲で不幸になっちゃった5年生のワタルは、ミツルとの出会いから、自分の運命を変えてもらうために『旅人」となって幻界へ行ったのですが〜 まぁ、RPGゲームみたいなファンタジーの世界ではありますが、ワタルこの行動そのものはしっかりした自分個人の意思が反映し、ワタルを取り巻く現実や幻界での友人たちが、素直で実にしっかりしてる・・ いろんな意味で涙が出ちゃいましたね。ワタルはそんなふうにして逞しくなっていくわけですが、もっと不幸だったがゆえ、誰も信じられなくなって友人の一人もいないミツル・・ そっちの方がよほど気になっちゃうんですけど〜〜( 10月 9日)
覗き小平次 京極夏彦 面白かった(*・ω・*) 幽霊役しかできない大根役者小平次の、嫌いなのに別れない女房、殺したいほど憎む同胞たちなどとの又市や治平も絡んだ人間模様、この押入れの中で外を覗くだけで生きている小平次の思考、ほんとに陰気で暗くて無気力で情けなくて嫌になっちゃうんだけど、だんだん哲学か禅のように生き続けていく意味を諭してくれるようで、凄惨でありながらしんと深い、希望も見える作品でした。文体も詩のようでもあり、とってもはまった一冊であります。( 10月 5日)
後巷説百物語 京極夏彦 時は移り、又市やお銀たちはもういない。山岡百介が翁となって、維新後の若者たちに怪の意味を語る・・みたいな感じ。百介翁は、過去をいろいろ振り返って、又市を思い出しまする。それがなんとも乾いた感傷でありましてね。 小夜という、もしかして又市の孫??の存在が、枯れた物語に活気を与えてくれます。若者4人組は元気がよすぎて、うるさいけどね。( 9月 30日)
ドリームバスター2 宮部みゆき う〜ん、切ないなぁ 建前はSFで、地球人(D・P)の夢の中に隠れちゃった、テーラの元死刑囚たちを捕まえる賞金稼ぎD・Bの話なんだけど、主人公のD・Bの少年シェンの心の動きとか、D・Pにならざるを得なかった理由、そして取り付いちゃった死刑囚たちの人間性とかがね、いかにも宮部さんらしく、とても頷けちゃうんだけど、それが悲しいのよ。人は善意のものであろうと願いけれども、それぞれがいろんな傷を心に持ってるし・・ そんなシェンをとりまくマエストロやエムリンたちオトナが、潔くて暖かくて、救われるけれるあたりも、宮部風かな? とりあえず他にも大きなテーマがあるので、ずっと続きそうだわね、このシリーズも。( 9月 24日)
贄門島(下) 内田康夫 三つの殺人と、行方不明者、島の秘密・・ が、だんだんとんでもない治外法権のような島の生き方そのものに・・ 最初、あんなに不安を掻き立てていた島のあり方が、この島こそ情に厚い、心を持った場所だと思えてきちゃうところがさすがにセンセ。光彦さんの秘密主義はあいかわらずだけど、これこそ口が裂けても言ってはならないと思ってしまふ。帯を見たときは「大団円」なんてあるわけないじゃん!と思ったけど、まさに大団円のカタルシスです。でも、人って正しくありたいですよね・・ 価値判断の難しいことも多いけれども・・今回は冴子ちゃんと光彦さんのラブシーン(?)もありだよん♪( 9月 23日)
贄門島(上) 内田康夫 を助けてくれた島の人にお礼を言おうと行ったはずが、とんでもない排他的な島民の態度と、殺人事件の容疑者にされちゃった光彦さん。疑心暗鬼の恐ろしさよ。ヒロインが天羽冴子さん、っていうのはまた別の感慨だけれども。(私も入っている浅見光彦FCのメンバーで美しい方であります。センセは登場人物によくメンバーの名前をお使いなさいます(*^_^*) ) 島ぐるみで人の生死を操ったり、それ以上の秘密を隠しているのではないか?なんて、光彦さん、そこまで突っ込んでいいの?こりゃ、生きて帰れないかもよ〜( 9月 19日)
 

十三の冥府

内田康夫 うわ(-"-;) これはまたなんと。 宗教によるマインドコントロールから、親子の因縁、ドロドロドロドロの殺人模様をば、青森の鉛色の空を訛りでもって 過去を紐解いていく・・ その過去もまたなんとも辛い人間模様で・・ 爽やかでスマートな光彦さんよ、結局13人も亡くなったのに、そのわけも全部胸の中に秘めちゃって地道に捜査してる刑事さんには知らん振り?まぁ差しさわりがあるのは分かるけど、結局真相を知った社会が部外者にどう対応するかを知ってる光彦さんだから、明かさないわけなのかなぁ??( 9月 15日)
化生の海 内田康夫 これは新聞掲載をされていたときに毎週その記事を送ってもらっていた、という思い出深い作品ですが、殺された父親の過去を探る三井所と浅見ちゃん。 父の出生の秘密が明かされるあたりは、いかにもおばさんが喜びそうですが、最後はやっぱりああなっちゃいますかね>内田センセ。事件を追いかけていた警察は、あのままでいいの?浅見ちゃん。( 9月 10日)
ハリーポッターと
不死鳥の騎士団
(上下)
J.Kローリング 発売から一年経ってるんですね。「炎のゴブレッド」があまりに重くて暗くて辛くて、積極的に手にできませんでした。で、今になって読んでみると、やっぱり面白いや( ̄∀ ̄ )。 ハリー、ロン、ハーマイオニーの成長だけでなく、ジニーや双子のウィズリー家、大活躍!!年頃だから恋もするし、体制側からホグワーツを統制するいやらしい校長はやってくるし、例のあの人はハリーと微妙に意識が繋がってるし、ガンダフル校長はハリーを見ないし、ハリーの感情はもう乱高下なのですが、今回はその落ち込みをそれほど辛くなく受け止められました。ハリーが孤独ではないから、かな?仲間たちが互いをわかりあえてる安心感が、一気に読ませてくれました。( 9月 6日)
マダム・ジゼル殺人事件 アガサ・クリスティー ええっとこれは「大空の死」とは違うのかな?ヾ(・・;)オイ 金貸しマダムジゼルが飛行機の中で殺される、いわば密室ものだけど、ポワロが客席にいちゃったのよねぇ〜
ってことで、貴族の美女やら孤児だった有職美女やら、ハンサムな男やら、素朴な男やら、恋愛模様とお金が渦巻く実にロマンティックなミステリです。同じ女流作家で恋愛を描いているのに、私の苦手な山村美紗氏となぜこんなに違うのだろう。( 9月 4日)
法月倫太郎の冒険 法月倫太郎 法月探偵の短編集です。 重い作品、暗い作品のあと、後半4作は図書館の司書穂波と探偵の掛け合い謎解きで、このコンビがなかなかおかしい(^m^)特に「土曜日の本」は、なんと北村薫氏の正体を暴く、というおまけまでついて(むろん仮名ですが)他の作家さんをもパロってるあたりに大笑い!!内輪ネタ満載でした。( 8月 28日)
世界ベスト・ミステリー50選上 EQMM-エレノア・サリヴァン編 ミステリの短編集です。 上巻には40年代〜60年代のエラリークーンミステリマガジンに収録された作品が収められています。ミステリというよりも、サスペンスやホラーっぽいと思われる、後味のあんまり・・という作品も多かったのですが、これは好みですからね。「深夜の貴婦人」などは思いっきりロマンティックなサスペンスで、いかにも女性向けでした。( 8月 20日)
さいはての二人 鷺沢萠 「あなたに合うかも」って友人から貰いました。なんせ、れすり〜への執着(?)や、それ以降向うに行きたくなっちゃうことのある私であることを知ってる友なので_(^^;)ゞ 
解説に「人情話の達人」ってありましたが、その程度の方じゃないですね。表題作「さいはての二人」も「約束」も「遮断機」も、生まれてしまった自己と生んだ家族との繋がりの希薄さに、生きる意味を見つけられない感じが、やっぱり自死を選んだ方なんだと切なくてしょうがなかった。とても優しくて泣けてくるけれど、誰にも分かりようのない孤独感がど〜んと居座ってるの、とてもよく見えたから。( 8月 16日)
紫の傷 連城三紀彦 短編集です。相変わらず事実の裏に潜む人の心の葛藤とか情念とか・・ 額面通りに受け取っちゃいけない氏の作品ですが、「紫の傷」は、どんでん返しの中でもいつになく幸福な気持ちになれました。それにしても氏の文章力にはいつも憧れます・・(7月 30日)
クローディアの告白
(下)
ダニエル・キイス 真犯人がいたにも関わらず、クローディアが何故自分を犯人かと思い込むようになったか を、周囲の関係者や、記憶は飛ぶし過去を話したがらないクローディアからなんとか話を聞くうち、病気になっていく過程や、生まれた家のこと、クスリや、仕事の様子などを あまり感情を挟まずレポしているのですが、読んでいくうちに私にも病気が移ったようにヘンな気分になってきた・・ 自分がまたこの世にいらない感じに・・ う〜 ちょっとアブナイ。五番目のサリーより、ずっと、私には・・ (7月25日)
クローディアの告白
(上)
ダニエル・キイス 連続殺人事件の犯人だと名乗りでた、心を病む美貌のクローディアの真実をルポした実録であります。当人や関係者の顔写真も載っています・・が、 実はまったく別の真犯人がいたんですよね。でも、クローディアの自白があまりに詳しかったため、拘置はされるは、仲間は巻き込むは〜〜 キイス氏は本人の懇願の末、その理由を探るべくたっくさんの人のインタビューを始めました。 (7月22日)
富豪刑事 筒井康隆 再々読です。テレビのドラマ化で、またぞろ読みたくなって買っちゃいましたが、20年以上前に読んだ時は、その設定と筒井作品のイメージで、ハチャメチャな刑事がいる!って高笑いしただけの気がしますが、今ミステリーとして読むと面白いですぅ でもやっぱり筒井さんですけどね。 (7月20日)
翼のある闇 摩耶雄嵩 再読。一度目の印象とは全然違って、ほぉほぉ、こう来たか、最後はここまでやるか?デビュー作、ってなモンでした。まさか、このズタボロ探偵と助手の作家さんがシリーズになっちゃうとは、最初の時は全然思わなかったのですけどね。(7月1 8日)
リスタデール卿の謎 アガサ・クリスティー ポワロもミスパープルも出てこない短編集。でもやっぱり過去に読んだことがありました_(^^;)ゞ 恋に絡む事件が多くて、なかなかクリスティおばさんもロマンティストです。 (7月14日)
木製の王子 摩耶雄嵩 いんやぁ〜 よくもこういうカルトな動機を考えるね!!構成のせいか、けっこうおどろおどろした内容だけど引っ張られるように読み続けちゃいました_(^^;)ゞ でも、ま、小説だから許せましょう。天才画家の異形の自宅、とんでもない家族構成、それが崩落する理由など、現実にこんなことがあったら、ぜ〜〜ったいに納得できない!という、ストーリーでなく動機がかなりな一冊でありましたな。ついもデビューの「翼のある闇」も買っちゃいました。読んだことはあるはずなんですけど(;^ω^A (7月10日)
ゴルフ場の殺人 アガサ・クリスティー 再読。(最近は再読がやたら多い気がする(-_-;))ポアロが、フランスの猟犬探偵(?)ジローと張り合う当たり、まだポアロも新人時代のようです。犯人やら被害者の人間性はもちろんクリスティらしいのですが、ヘイスティングの恋愛模様がロマンティックに描かれていることに、なんと申しましょうか〜〜_(^^;)ゞ( 7月8日)

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