最近読んだ本です

(’05,1〜6)  

   (’04, 7〜 12)                        HOMEへ

いつかわたしに会いにきて エリカ・クラウス オトナの結婚しない女性の、男性や親との関係を描いている短編集。イメージは山田詠美氏と重なるかな?すっごくよく分かるんだけど、意外と未来に繋がらなくて閉塞感と頭痛がしそう。う〜ん・・(6月)
太鼓叩きはなぜ笑う 鮎川哲也 「三番館シリーズ」というヤツだそうです(x_x) \(^^;) ぼんくら探偵が切れモノのバーテンの推理で被疑者の濡れ衣を晴らしていく、という短編集でありますが、ワンパターンというべき展開が、時代劇のようで、楽でありました。トリックはすばらしいのでしょうけど〜 トリックなんてどうでもいいミステリ読みで、申し訳ない(-_-;)(6月)
黒後家蜘蛛の会1 アイザック・アシモフ アシモフセンセのシリーズものの短編集。仲良しさんたちが、月一集まって、女人禁制、他言無用で喋り捲り、給仕のヘンリーが話しに出てきた謎を解いていく、という実にそそられる一冊ですが、中古本屋さんでやっとみつけた1、2も3も読みたいけど、どこかにないかしらね〜〜(6月)
夜の蝉 北村薫 再読でありますが 、微妙な姉妹の確執と愛情、最初のときより分かった気がしました。北村氏って、どうしてこうしみじみと泣けてきてしまうのでしょう・・(6月)
クリスマス12のミステリー アシモフ他編 お歴々作家の(エラリー・クイン、とか)のクリスマスにまつわる12の短編集であります。無宗教(どちらかといえば仏教)の私には、そこまでこだわるクリスマスが今ひとつわからないのですが、それぞれが面白かったです。「クリスマスの万引きはお早めに」←スカッと昇華しまっせ!! (6月)
あやし 宮部みゆき 再読でありますが、初めての時ほど辛くはなかった。庶民の身を粉にして働くだけの日常が、一番人らしいのだと分かりました。「安達家の鬼」 の終わりが好きで、何度も読み返しては泣いたりして
(^ヘ ^;(6月)
ペルシャ猫の謎 有栖川有栖 《国名シリーズ》第5弾、と銘打ってありますな。火村、有栖川コンビの短編集であります。「悲劇的」の落ちにはのけぞりましたが、ま、こんなところでありましょう。普通の感覚のミステリになっていると思います。(褒めてる?はい_(^^;)ゞ ) (5月)
神変まだら蜘蛛 栗本薫 再読でありますが、最後まで過去に読んでいたことを思い出せなかった(;^_^A 栗本氏らしい、ヤオイの匂いプンプンの、怪しくもお耽美な、連続美女殺しの、刺青の、因縁の血の繋がりの、キリシタンの、埋蔵金の、超娯楽時代劇でありまする。 (5月)
朱の絶筆 鮎川哲也 いわゆる本格と称される鮎川作品、濃い小説でした。傲慢不遜な作家の家でその作家が殺され、動機を持つもの達がうじゃうじゃと泊まっている中、次々と4人も連続殺人が起きてしまうのですが、トリックもさながら関係者の個性も見事に書き分けられていて、でもあまり感傷に落ちこともなく淡々と読み続けていかれるところが、この作家さんの特徴でしょうか。( 4、 21)
ロートレック荘事件 筒井康隆 再読ですが、何年前に読んだか忘れたくらいの大昔です。でも被害者も犯人も覚えてないのに、微妙にトリックは覚えていまして、それを踏まえて読みますと、ほぅ〜(O.O;)(oo;) 「シックスセンス」をもう一度見た時と同じ感覚で読みました。でもトリックはトリックで、動機や最後の被害者、過加害者の心の動きが見事でございました・・( 4、 10)
心理探偵八雲 神永学 初めての作家さんですが・・ う〜む、死者の魂を見ることができる、寂しい青年という着想を一冊の本にできたのはすばらしい。でも言葉使いがミエミエだし、意外性も少なくて、今ひとつ翔んでないのであります。文体を変えるだけでも、ずいぶん引き込まれるようになると思います。頑張れ!( 4、 2)
チグリス・ユーフラテス(下) 新井素子 いやぁ、難しかったっす。これは哲学書か?宗教の本か?って思ってしまったくらい。最後の子供として生まれてしまったルナに、惑星ナインの創設者であり女神の称号(?)を持うレイディ アカリは、どうやって生まれてきた意味を説くのか・・ これがやっぱり女性である作家さんの勝ち、です。悔しい(でしょう)けど、納得してしまうルナの気持ちが分かって涙おちちゃいましたもん。母性って、大きくて暖かくて強い!!よくこんな難しいテーマをまとめたものですね。感服いたしました。( 3、 26)
チグリス・ユーフラテス(上) 新井素子 げ!これも↓の作品に優るとも劣らないテーマではないか!人類が惑星ナインに移住し、栄華と衰退の果てに最後の子供となった老女ルナが、コールドスリープしてるいろいろな時代のいろいろな立場の人間を起こして、 何故自分が最後の子供でなければならないのか、その意味を問うというような小説ではあるが、それぞれの立場での考え方、幸福感というものがみな違って面白い。テーマは重いが、実に女性らしい表現、発想だし。さて、下巻はいかになるやら?( 3、 24)
ハイブリッド・チャイルド 大原まり子 イルとクラムジーのノリで取り掛かったらとんでもない超重量級のSFで、目がくらんでしまいそうでした。戦隊用の生体メカニックの人工生命体は、他の生物の細胞を食べ、遺伝子情報と記憶を自分の物にしては、メタモルフォーゼを繰り返して、生きてる意味、死んでいく意味、寂しさのわけ、愛なんかを探していく〜〜 ってなのん気なもんでなく、時空は絡むは闘いはあるは、の展開の中、根底に「親に愛されない子供」(もしくは愛されすぎて人権を認めてもらえなかった子供?)の意識が、寂しさ、孤独感、精神的飢餓感、としてずっと流れてる。読んでる最中、とにかく寂しくて寂しくて、メンタルな部分にまで影響されちゃいました。( 3、 21)
無制限 渡辺容子 離婚直前で失踪した夫を探す妻が、その過程でパチンコ店での人間模様を体験しながら夫の人となりを再確認していく、みたいな話だけど、これがとんでもなく面白い。(この方の作品は「左手に告げるなかれ」を読んでいるけど、これも面白かったなぁ)パチンコ、未経験じゃないし、でもそんなに深く知ってるわけでもなかったのが、オーナーの心意気、苦労、裏ロム、二重ロム!!ゴト師から、行政との癒着、もうてんこ盛り!!気張って取材したんだろうなぁって、つくづく思っちゃった・・ 夫婦関係、互いの恋人との関係も、さすがに女流作家さんだな、って書き方でした。夢中で読んだよん。( 3、 11)
氷雪の殺人 内田康夫 自殺と思われた通信機器メーカーの社員の死に、政府のお偉いさん、浅見の兄上まで絡んで、光彦坊ちゃまに真義のほどを探るように求める・・ 終わり方は例のごとく「う〜む」というところでありますが、そのう〜む、までいかにもありそうですし・・
再読でありますが、北朝鮮との関係がクローズアップされている昨今、また別の読み方ができます。やっぱセンセは予知能力あるかも??( 3、5)
嘘でもいいから誘拐事件 島田荘司 重たい系の島田氏のハチャメチャ小説シリーズ。テレビ局のやらせ取材班、今回は幽霊話などをおっかけていますが、ちゃんと謎解きがあるところがさすがに島田氏なんです、面白いよん♪( 3 、2)
暗い抱擁 アガサクリスティー クリスティー作品で初挫折です。中を飛ばしちゃいました。これはミステリーではなく、恋愛小説に分類されるのでしょうか。 駆け落ちまでした恋人同士、でもお互いが分からないのね、エピローグですべて氷解、と申しましょうか〜(あそこだけで充分泣けました。)
語り部さんの義姉の言葉が、いかにもクリスティらしい、人を深く洞察した数々でした。( 2 、28)
陰陽師生成り姫 夢枕獏 陰陽師の長編ですが、悲しい女の立場にはやりきれなさを感じ、清明と博雅の関係にはしみじみと嬉しさをかみ締めました。葦屋道満と清明の違いは博雅がいるかいないかの違いだって、ほんとに泣けるくらい感じちゃいます。能力と心ってとてもバランスが大事。心って、自分ひとりきりじゃちゃんとしておけないんですね・・( 2 、20)
神州日月変(下) 栗本薫 これが上のおどろおどろしい妖気の時代物から、完璧時空飛び回るSFになっちゃった(^m^)どっちに転んでも栗本さんなんだけど、いつもの切なさのエッセンスは微量かもしれませんです。( 2 、4)
神州日月変(上) 栗本薫 時間が空いたからと手にとってしまったら、時間がなくなっても止められない_(^^;)ゞ 栗本作品の中でも悲壮感や感傷のない、はっちゃきの時代物。相撲取りのような大きな同心雷四郎と、彼をとりまく連中が、神隠しにあった美女 たちを追いかけ、妖怪変化の待つ平野へ向かうよ〜〜 勢いに負けないように気合で読む!( 2 、1)
黄金仮面 江戸川乱歩 黄金の仮面を被った稀代の盗賊はアルセーヌ・ルパンだった。それを見破った明智小五郎〜 そしてフ ランス人の超かっこいい盗賊の日本人の恋人、それがなんと不二子ちゃんだったのでありました〜 う〜ん、そうだったのかぁ〜〜(1 、20)

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