最近読んだ本です

(’16 1〜 12)

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ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾 こういう小説が大好きです。 東野圭吾作品は硬軟あって読むまでわからなかったりするので、シロートの私はいつも怖々手にとります。
悩み相談を受け付けるポストのあるナミヤ雑貨店、でも内部は時空が入り乱れていて、児童施設に関係する人間たちの過去未来、悩みの末などが、だんだん後半になって繋がってきて、理不尽で切なくて、でも温かくて優しくて、人の世の中全然公平ではないけれど、いつも最善の選択をする努力をしていけば、きっと自分なりに幸福になれる・・ なんて、童話みたいなことを思えてしまう、いい連作小説だと思いました。( 9月28日)
レキシントンの幽霊 村上春樹 ふ〜ん、これが村上氏の世界観の一旦なんですね。今更ながら面白いです。今ならもう一度”ノルウェイの森”も読めそうな気がしています。
『レキシントン
の幽霊』『緑色の獣』『沈黙』『氷男』『トニー滝谷』『七番目の男』『めっくらやなぎと、眠る女』 の8編、意外とぶっきらぼうな終わり方がいいですね。それがむしろ余韻が残って、切ないです。( 9月22日)
太宰治の辞書 北村薫 久しぶりの円紫さんと私シリーズですが、『花火』はもう芥川論をまた論じてる感じ、『女生徒』では読んだことのない作品を全部開設付で読ませていただいた感じ、『太宰治の辞書』 では辞書探しや真打塩紫さんの落語が聴けて(?)やっとアクティブになってきた”私”ちゃん、気が付けば理解のある配偶者と小学生の息子がいて、忙しい中で友人と会ったりもして。
太宰の時代のいろいろな辞典(事典)を開いて「ロココ」を比べるくだり、とても面白かったです。( 9月18日)
謎解きはディナーのあとで2 東川篤哉 テレビのドラマを先に見てしまったので、キャラが役者さんの顔になって登場ですが(^_^;)
コミック的な登場人物がど派手に動いてくれるので、お気楽に読めて面白かったです。( 9月9日)
UFO大通り 島田荘司 図書館で見つけて、久しぶりの島田氏ですが、当然再読ですね、記憶がありましたもの。でも中身はすっかり忘れているので、最後まで面白くワクワクして読みました。
このあたりが一番私には合っている、ほんとに大好きな御手洗と石岡のコンビです。( 9月7日)
神様が殺してくれる 森博嗣 今回は超頭脳ではなくて、超美形のリオンの存在と、リール、パリ、ミラノ、フランクフルト、東京での殺人事件を追いかけるインターポールの職員や各地の刑事たちですが、けっこうしっかりミステリーしてて、倒錯の方向がそっちへ行ったかと(^_^;)\('_')
犯人は私なんぞにはま〜〜ったく想定外でしたが、でも動機は想像可なので、人の持つ心というものが切なくて、こういう気持ちになれる小説はとても好きだと思いました。( 8月27日)
北の街物語 内田康夫 センセ、おいくつになられたかな?
光彦さまに慣れ親しんだ我々なら、もう脳内イメージで映像にすり替えてしまうけど、けっこう唐突だったり思い込みだったり、展開が強引じゃありませんか?
『妖精』という少女の裸婦像が盗まれてしまうことから始まる話ですが、妖精にまつわる話はちょっとエロテックで、そこいらも先生の雰囲気がありました。( 8月21日)
舟を編む 三浦しをん 面白かったです。普通に仕事をしてるだけの話だけど、その仕事が好きで好きで愛情込めて打ち込めるなんてどれだけ幸福なことかと思いました。また随所で笑わせてもらって、これも幸せ。
辞書って言葉の意味を表現するのは、同じ人間なのよねーと今更感動しちゃいました。( 7月20日)
なりたい 畠中恵 しゃばけシリーズの1 4弾です。金に飽かせてたくさんの神様を招待したもんだから、次はなにに生まれ変わりたいか決めるように約束させられちゃった一太郎です。
序「妖になりたい」「妖になりたい」「人になりたい」「猫になりたい」「親になりたい」「立派になりたい」終
人情話風から小話風までバラエティーに富んで、外堀を埋めるメンバーは同じなのにいつものしゃばけと違うみたいです。
病弱は変わらないけど、だんだん独り立ちして行こうとする若旦那、だからシリーズが続くのよね(^^)( 7月12日)
たぶんねこ 畠中恵 しゃばけシリーズの1 2弾。なんだか若旦那、他の大店の跡取りたちと3人で誰が一番稼げるか競争を始めましたよ、あの病弱で甘やかされの一太郎が♪
序「跡取り三人」「こいさがし」「くたびれ砂糖」「みどりのたま」「たぶんねこ」終の5編プラスでありますが、仁吉の記憶喪失や、神の庭に帰りたい者、出て行きたい者、そして栄吉の修行先での後輩の弟子にちょっと人格破壊者がいて、家鳴りたちがきゅいきゅい言ってる場合じゃないくらいイライラしたり。
わちゃわちゃと読みにくいのは相変わらずですが、内容はいつに増して充実していたのでは?( 6月28日)
ひなこまち 畠中恵 しゃばけシリーズの11弾です。 相変わらず読みにくい。(^_^;)\('_')
5編ですが、全編ひなこまちの選出にかかわっていて、最後は嬉しくなりました。河童の妙薬や獏の夢の中でテレポートしちゃう技とか、頭がこんがらがってきますが、この世界観、好きなんですよね(^^)( 6月20日)
泣き童子 三島屋変調百物語参之続

 

宮部みゆき 三島屋シリーズ、読みたかった作品です。表題の泣き童子はホラーですね。ぞっとしちゃいましたが、この物語の中にまた百物語が語られたり、新しい人、お馴染みの人が周囲を固めているので、少しは安心ですが(^_^;)
「魂取の池」「くりから御殿」「小雪舞う日の怪談語り」「まぐる笛」「節気顔」江戸時代のこの世とあの世の接点を行ったり来たりしながら、人の心を感じて腑に落ちています。
( 6月15日)
ペテロの葬列 宮部みゆき すごいです。読むことを止められず、久々に寝不足になってしまいました。
バスジャック、”トレーナー”、悪徳商事、ネット・・ たくさんの題材のを背景に夫婦、義理の家族のこと、会社の上下関係、同僚たちとの関係など、あの杉村三郎シリーズではありますが、まさか最後にあんなことが待ち構えていたとはね・・( 5月15日)
神去なあなあ夜話 三浦しをん 面白かったです(^m^)私は前作の「日」常よりも好きみたい。勇気の立ち位置、ヨキさんや清一さん初め、登場人物の山や人などに真摯に向き合う生き方、勇気と直紀の恋愛模様、ムハハハと笑ってしまいます。
勇気、青春だねぇ、そして神去村の田舎ぶり、実はとってもよくわかるよ!!
三太のサンタネタや祭りや白蛇の昔話や、20年前の村人の事故のことなど、とても素直に感情が動きました。( 5月10日)
すえずえ 畠中恵 しゃばけシリーズの13弾です。 やや読書から遠ざかっていたので、間がいくつか読めていませんが、相変わらず若だんな一太郎は病弱で、周囲の兄さんたちや貧乏神や鳴家の妖たちは騒がしいです。若だんなの許嫁が決まったり、夢で遠くの仲間と交信する獏など、ほのぼのしながらもストーリーはしっかりしていますよね。句点が多すぎるのが、ちっと読みにくいですが(^_^;) 読み損ねている11弾12弾も手にしたいです。( 5月5日)
荒神 宮部みゆき 今までで一番読むのに苦労した宮部作品かもデス。藩の争い、病気や毒、呪詛の家系やら貧しさ〜 そんな中でとんでもない化け物が殺戮を始めるし、出会う人達も敵なのか味方なのかワケ分からないし〜
生き残りの子ども蓑吉の素直さや、朱音の姿と心根の美しさ、最初に出てきたワリにはなかなか最後までカッコ悪い直弥の、でも前向きに事態を受け取ろうとする意志など、他にも深い人間性を持つ登場人物はたくさんでしたが、全般に硬くて辛くて暗くて臭い、重たい小説でした。( 4月29日)
過ぎ去りし王国の城 宮部みゆき ファンタジー仕立てだけど、学校での孤立やいじめ、理不尽な家庭環境、そして育児放棄や虐待などで苦しんでいる子供たちと、親の死に自分を見失ってしまったオトナの必死の想いが溢れて、そこそこ辛い話です。宮部さんにはお馴染みのテーマだし、宮部さんでなければ私は近寄らないテーマですけど。
古城の絵の中に入り込む3人と、その古城にいた少女。最後はパラレルワールド的に辛い少女も救われて、会社の昼休みの控室で、ちょろっと涙でした。( 4月19日)
鹿の王(上下) 上橋菜穂子 以前読んでいた「精霊の守り人」がドラマになったのを見始めたら、どうしても「鹿の王」が読みたくなったけれど、手元にはな〜い。で、昨年の母の日に息子からもらったのにまだ読んでいないという同僚から借りて先に読ませてもらうことに。珍しく爆読みして、上下巻を読破しました。
ファンタジーとかジュブナルかと思ったら大間違い!時代と場所は確かに架空ですが、移民難民問題、細菌やウイルスによる病気、子育て、内容は深いです。
それでも登場人物たちの心根や、この世界の動物たちやそれに携わる人間たちの苦悩や喜び、男女の恋も家族愛もあります。
そしてもう一方、感染症の解説!!でもある意味生物兵器や風土病の意味合いもあり、それが医学と宗教、生きて行く意味や死と対峙する覚悟とか、主人公たちは壮年ですけど、老年に差し掛かった自分こそが身に沁みる部分でもありまして、ファンタジー大好きの私向きではありません。でも読んでよかった!そう思える作品でした。( 4月6日)
探偵倶楽部 東野圭吾 これも2008年に引き続きの再読ですが、記憶にありませんでした(;'∀')
お金持ち専門の探偵故、警察を出し抜いて依頼主の意思に添う結果を出すあたりは、さっすが!と手を叩き、庶民相手にゲスな使われ方をした時の探偵は、警察より怖い結果を出しちゃう〜
地味でかっこよくてなんでも分かってしまう、なかなかの探偵ぶりでありました。
『偽装の夜』『罠の中』『依頼人の娘』『探偵の使い方』『薔薇とナイフ』の5編です。
( 3月31日)
おそろし 三島屋変調百物語事始 宮部みゆき 2008年に図書館から借りて読みましたが、再読でも新鮮でした。
『曼珠沙華』『凶宅』『邪恋』『魔鏡』『家鳴り』 の5作品、重いですし、題材が生理的にきついものもありますが、そこが宮部氏なんですよね。ちゃんと目を背けずに受け止められ、考えさせられる筆力ですもの。第3弾、なんとか手に入れて読みたいもんです。( 3月16日)
赤緑黒白 森博嗣 再読です。Vシリーズもやっぱり好きなんだけど、この頃は頭が悪い人間は森氏の本で喜んでちゃ申し訳ないのかしら、って思うようになったかも。紫子ちゃん、普通なのに、なんだか「君はただの普通人間だもんね」って言われてるみたい。
犯人側と捕まえる側も微妙な連帯感というか、普通人の刑事たちには分からない部分で理解しあって、”私たちは頭が良すぎて、こんな世の中、そぐわないのよね〜”的会話をテレパシーでしてるんじゃないか、ってひがんでしまいます(;^ω^)( 2月21日)
戦闘妖精・雪風(改) 神林長平 中古本屋さんで神林さんのお名前を見つけて、戦闘は好きではないけれども買ってしまいました。未知の異星体「ジャム」と戦う戦術戦闘電子偵察機・雪風と乗組員(?)の深井零ですが、雪風の美しくも素晴らしい性能を感じながらも、人である我々は心や感情を持っているが上にジャムと雪風との激しい戦いから疎外されてる感が、なんとも小説的で面白いんですね〜 人が動かさず、何が戦闘機だと思いますが、異星体ははなから人間なんて眼中にないんですもん。
でもFAFでは人間社会にジャムが侵入しないように必死で食い止めてるわけで、そのあたりの悲哀や悲壮感、無力感、けっこうはまりました。( 2月1日)
カンガルー日和 村上春樹 いつもノーベル賞候補に上る村上様。ノルウェーの森で出鼻をくじかれて以来近寄っていませんでしたが、気まぐれに買ったこの本は実に面白かったです。
長編はどうしてダメだったんでしょうね?こんなに面白い本を書かれる方の作品なのに。
『カンガルー日和』『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』『眠い』『タクシーに乗った吸血鬼』『彼女の町と、彼女の緬羊』『あしか祭り』『鏡』
『1963/1982年のイパネマ娘』『バート・バカラックはお好き?』『5月の海岸線』『駄目になった王国』『32歳のデイトリッパー』『とんがり焼の盛衰』『チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏』『スパゲティーの年に』『かいつぶり』『サウスベイ・ストラット―ドゥービー・ブラザーズ「サウスベイ・ストラット」のためのBGM』『図書館奇譚

現実的な恋愛的な軽い話が多いのですが、色合いは大好きな星新一氏を彷彿とするような、淡々としていながら心を超越したSF的珠玉の数々でした。( 1月9日)

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