最近読んだ本です

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ばんば憑き 宮部みゆき 江戸の幽霊話、6編です。継母に虐待された子供だったり、見えざるものが見えることで道が変わってしまったり、人を入れ替えたり、あり得ない話ではありますが、それに付随した心たちは充分に人でありまして、ただ江戸の時代では、決められた道を歩くことしかできない、今のように自分で選ぶなんてことは無理、そしてまた天災や病気、そういう不幸も普通に転がっている、そんな絶対的な背景に、それが本当の人の世の中なのかも、なんて思ったりもします。( 6月 30日)
名探偵の饗宴 山口雅也 篠田真由美 今邑彩 二階堂黎人  松尾由美 法月綸太郎 麻耶雄嵩 若竹七海 鼠が耳をすます時(山口雅也)水難(麻耶雄嵩)ウシュクダラのエンジェル(篠田真由美)ある蒐集家の死(二階堂黎人)禁じられた遊び(法月綸太郎)詩人の死(若竹七海)神の目(今邑彩)バルーン・タウンの裏窓(松尾由美) というラインナップであります。さすがに(?)桜井京介の「ウシュクダラ・・」は過去に読みました。シリーズの短編集に入っていたものと思います。でもみんな面白くて、どんどんと読み進んで、もったいないくらいでした。若竹氏、松尾氏、今邑氏は初めてだったかも。基本女流作家の文章が好きなので、機会があったら各氏の作品を読んでみたいと思います。( 6月 20日)
やなりいなり 畠中恵 「しゃばけ」の第10弾です。妖怪(?)の恋の話、親友たちの痴話げんか(でも、本当はとっても悲しくて暖かい)そんな話がたくさんです。今回は江戸時代の(鳴家たちが側にいる時の)レシピ付き♪私には言わせれば、もう少し丁寧に表記して欲しいな、と。昨今はお忙しいのは急ぎ過ぎで、気持がついて行けない。筋が悪いというよりも、感情が重なる箇所もたくさん設けて欲しいと思うのでした。( 6月 18日)
いぬはミステリー アイザック アシモフ 眠れる犬(ロス・マクドナルド)敵(シャーロット・アームストロング)ジャズの嫌いな犬(ウィリアム・バンキア)闇の中を(ポール・W.フェアマン)非常口(マイケル・ギルバート)なぜうちの犬は吠えないか(ロン・グーラート)ブーツィーをあの世へ(ジョイス・ハリントン)レオポルド警部、ドッグレースへ行く(エドワード・D.ホック)リンカーンのかかりつけの医者の息子の犬(ワーナー・ロウ)こちら殺犬課(フランシス・M.ネヴィンズ)ポピーにまつわる謎(Q.パトリック)シャンブラン氏への伝言(ヒュー・ペンティコースト)ラッフルズ、バスカヴィル家の犬を追う(バリー・ペローン)コヨーテとクォータームーン(ビル・プロンジーニジェフリー・ウォールマン)薪売り(ジョン・ルーディン)真昼の犬(レックス・スタウト
これが実に面白かったです(◎_◎) 一番受けたのは、盲目のジャズピアニストの盲導犬が、何故か主人のジャズが好きじゃないらしくて、ピアノが始まると部屋を出て行く〜〜で、で?・・みたいな(^m^)( 6月 10日)
聖杯伝説 篠田真由美 徳間デュアル文庫は面白いんだけど、篠田氏初のSFは想像したようではなかったかな?遺跡の星の只一人の住人ヨギは季節毎に訪れる観光客のガイドをして暮らしてが、季節はずれにやってきた登録人。始まりは期待たっぷりだったし、滅び行く星の悲哀やそこに暮らしていた民たちの物語や恋愛もいかにもだったけど、どなたもあまり強烈に魅力的ではなく、文体は詩的ながらもあまり美しさも感じないでしまいました・・( 4月 10日)
ロボットと帝国〈上・下〉 アイザック・アシモフ なんと!「はだかの太陽」「夜明けのロボット」の面々の200年後じゃないですか!ソラリア、オーロラ、Rダニール、ジスカルト、グレディア、そしてイライジャベイリとその子孫〜 でも内容は懐かしいどころの話ではなくて、短命でそれゆえ世代交代が早く繁殖力がある人間と、たくさんのロボットに傅かれ、人との関係が希薄になっていく長命のスペーサー、そしてすべての原点である地球の緩やかな放射能化の企み〜〜スペーサーはまるで老齢化の進むこの国のようだし、核融合ではスリーマイル島のことが出てきたけど、もうスリーマイル島なんて笑えちゃうくらいのこの国のフクシマだし。それにロボット三原則の「第零条」!!人間個人よりも人類の幸福を重く考えるという、ロボットには(もちろん人間にも)とても難しい主題もある。上下巻で長かったし、「銀河帝国興亡史」のファウンディーション世界に連なる作品だけど、いろいろ現実とも重なって重たかったです。アシモフ氏、今、こんな気持で読む読者がいるとは想像しなかったでしょうけれどね〜〜 「鋼鉄都市」や「ファウンデーションの彼方へ」なんぞはあまりに大昔に読んでいて索引にはないけれど、もう一度読んでみたいと強く思いました。( 5月 4日)
魔女の死んだ家 篠田真由美 「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」の配本と銘打っておりますが、ちょいと篠田さん、これはおこちゃまにはヤバイでしょう ヘ(__ヘ)☆\(^^;)  それはそれは魅力的な女性と彼女の住んでいる家、彼女を「すうはい」する男達・・ 最初にその死を語るのは彼女の子供だけれど、全然子供向けじゃないお耽美の世界よ。文章全体が詩のように綺麗ではあるけれど。時を経て、その死の謎を解くために当時のことをいろいろな立場で検証するのだけど、で、最後にその謎を解いたのが京介のようだったけれど、最初は蒼の子供時代の話かしらと思っていたので、気怠い退廃と耽美の世界におっとっと、でありました。( 4月 20日)
燔祭の丘 〈建築探偵桜井京介の事件簿〉 篠田真由美 いやはや、最初に特異過ぎる美貌や性格を持った主人公を作っちゃうと、大変魅力的はあるけれども、これをシリーズ化してそのキャラのワケを説明しなくならなくなるともう大変(^m^)作家さんのこじつけ、小理屈、あるもんじゃないっ!ってくらいぶっ飛んでいたシリーズ完結作です。宗教、ルーツ、財宝・・ 20年前に起こった悲惨な事故の全貌・・ それに神代教授が結婚?!! いろいろ辻褄を合わせなくちゃならないでしょうが、それにしてもだいぶ現実離れしていました。(最初からか?)ま、好きなキャラたちなので、とりあえずは最後まで読めたことに感謝です。(4月 12日)
黒影の館〈建築探偵桜井京介の事件簿〉 篠田真由美 1980年、神代が門野に騙され(?)連れていかれた館にいた9歳のアレクセイ=後の京介=。 いやぁエグいエグい、ヨダレが落ちます (^_^;)\('_') アレクの美貌とおかれている立場、モイラの異常な価値観、毒草、父グレゴリの狂気と実力、何度も殺されそうになりながら神代がアレクに惹かれ、このイカレた家から連れ出してあげたいと強く思う気持ちがね、読んでいてよく分かって切ないのですよ。はぁ、シリーズ完結まで、あと一冊だけになっちゃいました〜( 4月 8日)
一角獣の繭 〈建築探偵桜井京介の事件簿〉 篠田真由美 蒼=香澄の恋愛!!って、相手は京介ではなく異常な家族の中で深く傷ついた少女でありますが。 (^_^;)\('_') 連作も佳境に入ってまいりまして、「聖女の塔」で蒼を殺し損ねた松浦が、また京介を傷つける為だけに蒼を狙ってきます。会員制の別荘地、鏡平でのブルジョアジーの会話、金はあっても心はワガママな子供のままの困った大人達、猟奇的な殺人〜〜 なかなかにえぐいのですが、最後の最後がとっても気がかりな終わり方で、こりゃ、次作品を急いで読まないと(;^_^A((3月 29日)
胡蝶の鏡建築探偵桜井京介の事件簿〉 篠田真由美 ハノイで結婚生活を送る京都出身の四条彰子が、ベトナムでの家族との軋轢から京介たちに助けを求めてきます。そこには家族の長老であるレ老人が少年の頃に起こった、客の青年の死の謎や、ベトナム戦争に翻弄されたハノイの歴史が絡み、彰子の夫とその弟の関係を一層複雑にしています。でも彰子の友人の妹である千夏の元気さに随分救われますよ〜 でも3部という感じではないんですが??あとからウーンと思うのかしら。(3月 21日)
美貌の帳 建築探偵桜井京介の事件簿〉 篠田真由美  ホテルで開かれることになったのは伝説と呼ばれる女優の復活の芝居「卒塔婆小町」。そのホテルの強面老人のオーナーになつかれた京介は演出家の失踪やホテルの火災、殺人などの謎を解きます。 これはシリーズ2部の最初の作品なので、京介はシニカルでクールでありますし、蒼も栗山もいかにもの性格で、それはそれで良いですね〜〜(*^-^*)(2月 21日)
聖女の塔 〈建築探偵桜井京介の事件簿〉 篠田真由美  読んでみたらば第3部の5冊シリーズの中の2作目で、れは全部まとめて5冊読みたいと慌ててネット注文したら、これを買った時に一緒に買っていた2冊とだぶってしまいました( -_-)。悔しいけれど返品もできないので、会社の読書好きの人にさしあげたけれど。
これは新興宗教と、京介を殺害、もしくは精神的にダメージを与えようとする意志が重なったなかなかしんどい作品でした。カルト的な宗教の歴史やマインドコントロールなんぞ、ちょっと不気味な世界をしっかり描いていたし、京介と蒼との強い絆も一層分かって、なかなか面白かったです。(2月 8日)
鷺娘―京の闇舞 菅浩江  京都で生まれ育った美樹は恋人が相談もなく郷里の九州に就職することを決めたことが許せない。 京都を捨て九州についていくことも論外・・ ってのは、なんとなくこの頃分かりますな、京都の特殊性が。それに著者は菅さんだし。でもその想いが高じて霊に取り憑かれてしまって、だんだんホラーになっちゃうのですが、脈々と続く京都という都や踊りへの深い想いがしっかり描かれていて、ちょっと想定外ではありましたが、やっぱり菅さんでありました。(1月 22日)
リトルプリンセス-
スレイヤーズすぺしゃる
神坂  シリーズのスペシャルを単発で読んでしまったせいか、ストーリーに違和感があるワケではないけれども、この平坦過ぎる無感動さはなんだろう、と。( -_-) 天才魔道士リナに降りかかる数々の試練(?)を解決しながら進んで行くのですが、まるで心には響かず、でもそれなりに面白いのでちゃんと完読したりして、でも感覚は読書ではなく見書、って感じでした(^^;ゞ(1月 10日)

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