最近読んだ本です

(’10 1〜 3)

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妙なる技の乙女たち 小川一水 働く女性の短編集ですが、その場所や仕事はSFです。近未来の都市で、デザイナーをしたり、土地を売ったり、船を操ったりするお仕事のみなさんですが、技の他にちゃんと心も溢れていて、特にそれぞれのオチが実にいいです(^^;ゞ 私ではちょっと未消化な部分もあるので、もう少し余計なお世話くらに丁寧に書いてくださればありがいかな、と。( 3月 30日)
ふちなしのかがみ 辻村深月 神林さんのトリビュートで好きだった作家さんですが、これはちっと恐すぎ。高志克彦氏のホラーなんかと違う恐さなんですよ。ちょっと後ろ向きの意識を持っている登場人物たちには共感もしたくないし(するのが恐い)。学校や田舎での昔の子供達の話なので、子供の頃の自分が重なって非力を思い出すせいでしょうか。蝉の声が降ってくるような短編集です。( 3月 24日)
風が強く吹いている 三浦しをん ごめんさい、複数の方から勧められたのに私には無理ですっとび斜め読みにしてしまいました。素人が箱根駅伝に出場するってこともありえないと思うのですが、そんなのは小説だから別にいいですけど、スポーツ音痴の私は、チーム競技の駆け引きとか互いの実力の比較とか、そういうのがとっても苦手なので、走りたい気持は多少分かるとしても、しんどくて辛くて、やっと読み終えたってぇのが本音でした・・・エッセイ集なら楽しめるのでしょうかね。( 3月 20日)
ラブコメ今昔 有川浩 最近こんなに面白い恋愛小説を読んだことがない(◎_◎) もうびっくり、とんでもおもしろ!!!全部に自衛官が登場する恋愛モノですが、自衛官の真摯さと恋ってのがけっこうミスマッチで大笑い。 胸があったかくなって、嬉しくなって切なくなって、泣けてくるなんて、やっぱり恋愛小説ですね。最初と最後の作品の関連もとっても楽しくて、もう一度読み返していまいました(^-^)( 3月 18日)
心霊特捜 今野敏 あらぁ、面白い。「R特捜班」なる心霊現象が絡む刑事事件を解決する3人の霊能力のある刑事と、彼らをまとめる茫洋とした班長、そして連絡係り5人のシリーズもの6編です。霊絡みでもちっともおどろおどろしていなくて、みな、霊たちに優しい、軽くてあっという間に読めちゃう作品ですが、連絡係の岩切刑事、解決する様子をつぶさに見ていても能力がないゆえに実感が沸かないのですが、最後では美しい女性に取り憑かれちゃって除霊してもらう、ってぇのもあり、ちょっと垣間見れたりして、作者さんも優しい方ですね(*^-^*) これくらいならナンボでも読みたいと思います。( 3月 13日)
午前零時のサンドリヨン 相沢沙呼 高校生の日常の謎と、マジック、恋愛、友情なんぞが、真剣に、またけっこう面白可笑しい青春小説であります。その年代に相応しく、青い恋愛、いじめ、自殺、孤独感なんぞがてんこ盛りでどんんどん読めたのですが、少女漫画のノリの人間関係が私にはちっと苦手だったかも。マジックがすんばらしいヒロインの酉乃初、おニューと呼ばれているのですが、これって、ニュートリノ??出演者(?)の名前も凝っていましたねぇ(^m^)( 3月 10日)
神林長平トリビュート 海猫沢めろん
虚淵玄
円城塔
桜坂洋
辻村深月
仁木稔
元長柾木
森深紅
あらぁ、町の図書館にこんな本があるとはびっくり!神林氏の単行本は置いていないのにね。ラインナップは狐と踊れ」桜坂 洋「七胴落とし」辻村 深月「完璧な涙 」仁木 稔 「死して咲く花、実のある夢」円城 塔 「魂の駆動体」森 深紅「敵は海賊」虚淵 玄 「我語りて世界あり」元長 柾木「言葉使い師」 海猫沢めろん 序文に「敬意と挑戦」と題した神林氏の文章があります。トリビュートされた若い作家さんはみな初お目見えだし、選ばれた作品も私は半分しか読んでいないな。海賊シリーズはもちろん好きだけれど、初期の短編も読みたいと想い続けておりますが。好きだったのは辻村深月「七胴落とし」ですかね、女流作家さんもたくさんいらっしゃるし、子供の時は猫の言葉が分かって、子供達は猫に気持を育てて貰っている、って感じ、近所の婆様たちがどこの子でも構って声を掛けてる昔の田舎みたいで、ほっこりしたのよね。( 3月 3日)

桜の園
神代教授の日常と謎
篠田真由美 これは面白かったですよ〜。 神代教授主演の中編二作ですが、いつもの京介や蒼の時と色合いが違います。「桜館」のオトナの理由、「桜の形見に」はオトナのロマン、神代教授のぼやきと裏腹に、どんどん読み進ませてくれますよん。京介モノより、読みやすいのは私が神代年代のせいでしょうか(^m^)( 2月 27日)
駅神 図子慧 「ふたたび」の方を先に読んでしまいましたが、一作目のこちらが面白いですね。 (二作目は説明が少なくて、着いて行くのに手間取ったからかな?)気まぐれに駅舎に現れて易をする謎の老人に、やっと占って貰えた章平と、その占いの結果を具体的に検証しようとする仲間たちとの現代人情劇、とでもいうか。易だけれど、やっぱり人なんですね。老若男女、いろいろなタイプの人が出てきて楽しい読み物でした。( 2月 25日)
ダブル・ダブル エラリー・クイーン けっこう好きな作品でした。ライツヴィル物だけど、天使のような野生児の娘や童謡の歌詞通りの連続殺人・・ クィーンはいろいろは人を疑うけれど、ま、それが仕事っちゅうか趣味っちゅうか・・・ 小説としては面白い読み物だったと思います。これが現実だったら悲し過ぎる人間模様だけどね。( 2月 20日)
壺霊 <上>< 下> 内田康夫 なんだかんだ言いながらも浅見光彦に出会うとほっとする自分(^^;ゞ。 今回は京都が舞台で、絡むのは怨念なのやらオンナのサガなのやら、なかなかねっとりな上下巻であります。センセもお年にめげず、男女関係もしっかり描かれますからね。でも、浅見光彦、やっぱり永遠に独身なのだろうか・・携帯電話も一生持たないのだろうか・・・( 2月 11日)
ころころろ 畠中恵 しゃばけの第8弾。うふん、好き。 若だんな、今回は目が見えなくなってしまいます。よって周囲の騒ぎはご想像通り。最後は神様と呼ばれるものまで出てきて、一太郎の推理を聞き、なんとかお目目も元通り〜〜 まさに時代劇ファンタジーの世界ですが、あったかくてね、読んでいるのが楽しいんです。( 2月 5日)
トーマの心臓 Lost heart for Thoma 森博嗣/萩尾望都(原作) 氏がノベライズしていたとはまったく知りませんでしたが、目の前にあって素通りはできませんよねぇ(図書館ですけど)。 もちろん黄色くなった原作全3冊をば持っております。思春期バリバリの頃、望都さまの絵で見た時とはイメージが違って当たり前ですが、別物と考えれば森氏のいつもの退廃的というか憂鬱さとかが、希望を持って描かれていまして、あの年代の少年達の美しさが優雅な物腰で動いておりました。でも設定が日本というのは、違うのでありませんかねぇ〜( 1月 29日)
スーパーサラリーマン 草上仁 優しいふんわりの草上作品とは思えないくらい、ブラックぽいものもあるサラリーマン短編集。11作品あるので、みな短めですが、雰囲気がどれも違って、ちょっとびっくりです。でもいつものイメージあまりに違ったので、ふんわり草上の方が、私は好きだなって思っちゃいました。( 1月 27日)
宇宙探査機 迷惑一番 神林長平 パラレルワールドの脳天気宇宙に飛ばされちゃった、本当は死んでる雷獣”迎撃小隊のメンバーの右往左往ぶりを描いた、まっことシュールな一冊、「死して咲く花、実のある夢」と相通じる、なんとも不思議なお話でありました・・ ちょっと禅問答みたいよん。( 1月 20日)
銀河おさわがせドギー ロバート アスプリン
ピーター・J. ヘック
今度は環境汚染を探るお犬さまに新任のウサギちゃん、カジノにはフールの父親に例の誘拐を企む二人組・・・ いつものようにたくさんの問題が平行に起きあがって、そしてそれなりに解決いたします。ま、私の頭にはもう少し問題を絞って、解決した時の達成快感をもっと味あわせていただきたいのですがね。( 1月 8日)
綺羅の柩
〈建築探偵桜井京介の事件簿〉
篠田真由美 京介、蒼、深春、今度はマレーシアです!30年前の失踪事件の謎、タイシルク、一人の女性の生涯を神代教授、綾乃や過去のメンバーがてんこ盛りで出演して探ります。京介は相変わらず寡黙ですが、今回はそんなに落ち込んでいないので良しとしましょう(??)( 1月 5日)

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