最近読んだ本です

(’09 4〜6 )

     (’09  1〜 3)                            HOMEへ

灰色の砦―建築探偵桜井京介の事件簿
 
篠田真由美 京介サマ19歳。 同じ19の深春が始めて京介を知った鮮烈な出来事を蒼に語る、という設定で始まるのですが、なかなかよいですよ、いろんな意味でヘ(__ヘ)☆\(^^;)  全編にちらつく帝国ホテルの設計者ライトの人柄が、作品にも影響を与えているはずなのですが、私にはライトが実在の人物かさえ分からないので、そこいらは申し訳ありませんm(__)m 当時の輝額荘の仲間たちが、何故散っていかなければならなかったのか、なかなか青春でよいですよ。女流作家さんならでは、と思います。( 6月 3日)
葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午 自殺しようとした女性を助けて恋に落ちたり、悪徳商法の証拠を捕まえようとしたり、けっこうな社会派小説かと思ったのですが、最後には『あれ〜 私、また騙されたっちゃった感じね。』と自分の馬鹿さ加減に唖然とし、何度か前に戻って読み返して、ま、どこにも反則はないわよね、と再確認するような一冊であります。でもどうも腑に落ちない。ま、ちゃんとしたことも言ってるし、私自身の年齢が作者と近いので、そこいらはとっても分かるのですが。う〜ん、どうしましょう・・( 6月 24日)
弥勒の森
 
青木和 大好きな青木氏の4作目です。青森の寒村に消えてしまった康彦を追う妹彩絵と、康彦の後輩の大神ですが、その村の伝説と幽閉されてしまった康彦を捜そうとするうちに、村の秘密に触れざるを得なくなって、結局命まで狙われそうになる二人ですが、今回も違う生命体との合体モノです。でも意識は完全に自分のものなので、あとはそれを周囲が受け入れるかどうか、ですね。そういうことでは今回は自己喪失の苦しさがなくて、比較的楽に読めました。そしてこれが現実なら全然受け入れOK!と思うくらいロマンティックですよん。今回初めて知ったのですが、青木和氏って女性だったの?そういうわれるとけっこう納得できるかも知れません。( 6月 18日)
女神にグッバイ
 
岬兄悟 ラブ・ペア・シリーズ、でありますが、前作を読んでいないので、何故こうなってるか分かりません。でも麻美ちゃんと関くんがえっちすると、両性有具のアンドロちゃんになっちゃうんですね。というわけで、えっち満載(?)のファンタジーでありまして、新興宗教やら売春やらオカマバーやらけっこう胡散臭い設定なのに、みないい人ばっかりが出てきます。すっごくぶっ飛んだストーリーですが、必然性がないので、なんやこりゃ?って気がしないでもありません。( 6月 19日)
ロシア幽霊軍艦事件
 
島田荘司 これは想像を絶していましたデスε=(/。\;)箱根のホテルにロシアの軍艦が到着した写真があった、ということから始まる壮大な歴史書でありまして、歴史が苦手な私には途中から研究論文風に感じられる部分が多すぎてヘドモドしましたが、ものすごく説得力があって、これは史実に違いないと信じてしまいました。どこまでフィクションなのか分かりませんが、島田氏、すごすぎます。( 6月 18日)
蒼いくちづけ
 
神林長平 憎悪と愛がテーマとかになっていますが、テレパスへの考察も深いし、ちょっとない展開で面白かったです。ルシアとOZだけでなく、周囲の普通人やテレパスの刑事達や医師たちも魅力的で、それなりにロマンティックで、ああいう主題をこんな風にまとめちゃう神林氏ですね。好きな作家さんです。( 6月 17日)
陽気な幽霊
 
栗本薫 京都と伊集院さんです。ミステリツアーのオブザーバーとしてかり出されたはいいけれど、てんこ盛りすぎる企画に憮然でありますが。この文庫本、2008年に発売されていて、あとがきを書かれている栗本氏がもういないなんてね・・ 大好きな作家さんだったし、まだまだお若いのに、惜しくも悔しいことです・・( 6月 13日)
紅蓮鬼
 
高橋克彦 ふ〜ん、週刊ゲンダイってこういう系統の雑誌なんですか。 なかなかエロくてグロかも。船で渡ってきた淫鬼が、えっちしながら相手に乗り移って、だんだん帝に近づいてゆく。それを阻止する陰陽道の加納一族・・って感じですが、オバサンには向かない気がいたします。( 6月 12日)
おおきくなりません 白倉由美 小説家の月哉と元漫画家の麻巳美の、なんとも心情的な生活が描かれています。月哉の甥や姪と仲良く暮らしてみたり、35歳で18歳のフリ(?)をして大学生になったりの麻巳美ですが、メンタル的に不安定なところがあります。麻巳美の夢に中に月哉が入ってしまうファンタジーっぽい章や、小学生の甥と真面目に日常したりする現実っぽい章、月哉の友人と関わる、ありそうでないだろう小説的章とか、なかなか不思議なんですが面白い。読んでいると心が洗われるような、森林浴でもしたような、気持ちよさです。最後の最後もとっても嬉しかった。私はとても好きになりました。( 6月 10日)
Rommy―越境者の夢 歌野晶午 天才シンガーRommyが殺された?その現場と、関係者たちの過去や想いが絡まって進む構成ですが、なんていうか、あまりない進み方ですよね。普通は最初の部分で物語りの登場人物や環境なんぞを把握し、それからぶわ==っと事件で盛り上がって解決で達成感、みたいなもんですが、全然違います。最後のちょっと前まで、ずっと前フリ、そしていきなりドッカ==ンの結末でした。あぁ、Rommy・・( 6月 4日)
悪霊の館 二階堂黎人 二階堂氏の作品て、モノ言いが大仰なんでちょっと引く雰囲気はあるのですが、中古屋さんで新書文庫合わせて5冊で1000円に惹かれて、ぶ厚いこの新書を買いました。曾祖父の時代の建物に子孫達3家族が棲み、遺産を巡ってたくさん人が殺されるのでありますが、二階堂蘭子さままで被害を受けるとんでもない一冊であります。建物の中の密室殺人やら、動く甲冑やら、頻繁に現れる幽霊やら、トリックと内外のミステリ作家たちの評論(?)なんぞもふんだんに散りばめられ、マニア向けの作品かと思われます。二階堂氏、このページ数がとっても嬉しかったでしょうね。( 6月 3日)
翡翠の城―建築探偵桜井京介の事件簿
 
篠田真由美 またしても京介サマの館モノです。今回は「碧水閣」とイタリア人の母親を持つ真理亜という95歳の老女と、その入り組んだ血族姻族のホテル経営者達の骨肉の争いですかね。テーマ的には「未明の家」と被りますが、オンナはこういう話が好きなもので(^^;ゞ 殺人も起こるし美貌の女性もたくさん(そのワリにはオトコはどれもしょうがない┐('~`;)┌ ) で、でも結局は真理亜刀自をずっと苦しめてきた誤解をうまく解くことができたからよかったのでは??蒼クンは今回も殺されそうになりますなぁ。( 5月 31日)
玄い女神―建築探偵桜井京介の事件簿
 
篠田真由美 ということで引き続き桜井京介サマ。インドで過去に恋人に死なれた狩野都は山奥に「恒河館」というホテルをオープンし、当時一緒に旅をしていた仲間を招待して、あの死の真実を知ろうとするのですが・・ちょっと難解だったかも。イメージが固定できないのよん。登場人物が好きじゃないタイプが多すぎたせいかも。でも最後はけっこうどんでん返しでしたよ。とくに↓なんで16歳の蒼が京介の助手をしてるのかが、少しだけ分かった気がして、蒼、かわいいんでね、かなりファンです(*^-^*)( 5月 24日)
未明の家―建築探偵桜井京介の事件簿
 
篠田真由美 面白かったです、さすが女流作家さん♪めんどいトリックなんてなくて、家族のコントラストとか、深い思い入れとか、そんなミステリーだし、登場人物がまた自分の想像力を駆使して一番の美形を想い浮かべる・・とかいう読み方ができるのです(*^-^*) これは建築探偵桜井京介のシリーズもので、スパニッシュ系の館の主の死、その家族の疑心暗鬼、などが、女系家族の衣装や化粧など艶やかに語られます。馬と宝石、なんて小道具もまたロマンティックでオンナ向けでありますね(^-^)( 5月 19日)
眠らない少女
 
高橋克彦 高橋克彦自薦短編集でありますので、半分以上は読んでいるはずなんですけど、覚えていないものですね。最後に目吉親分が出てきたのですが、やっぱりとてもとても面白かった。あの犯人を説得する語り口や、今回は折り紙とオルゴールの小道具、好きです。もっと書いてくれたらいいのに、もうおしまいっぽいのですよ、残念。( 5月 18日)
4U
 
山田詠美 なんとも分からないけどめちゃくちゃ面白い恋愛短編集です。なんで詠美さんのラブストーリーはこんなに惹かす力があるんだろう。ちなみに4UはFor You ってことらしいです。かわいいね♪善光寺のおみやげをくれた大好きな愛人の入れ墨オトコが、箱にこう書いてあった・・というお話です。(て、ネタバレか?)( 5月 16日)
カリブ海の秘密
 
アガサクリスティー あらぁ、やっぱりこれは読んだことがありました(´ヘ`;) そうそう、未読のクリスティーのミステリが転がっているはずはないですもんねぇ。 レイモンドからカリブ海の島の優雅な旅を贈ってもらったマープルおばさんだったけれど、そこでもまた殺人が!過去に連続で妻を自殺未遂、そのご本当の自殺してしまう、という状況で殺した犯人がホテルの中にいるらしい〜 ってんで、誰も知った人のいない旅先でミス・マープルは頑張ります!( 5月 10日)
ヴァレンタイン・ディの殺人
 
キャロリン・G. ハート 新婚夫婦の新居のご近所で、なにかと噂の人妻が近所総出演のパーティーの夜に殺されてしまった!美人で聡明で恋多き独身の姑(!!)まで連行されるにいたって、ミステリ専門の書店を開いているアニーは黙ってなんかいられないとばかり、ご近所に聞き込み、警察に楯突き、頑張りまくります!でもいちばんすごいのは美貌の姑ですけどね。アメリカ仕立てのマープルもの、って感じですかね。( 5月 8日)
パーフェクト・プラン
 
柳原慧 誘拐事件の話ではありますが、 オンライントレードやら代理母やら幼児虐待やら老人介護やら、ネット犯罪のはずなのにやたらアナログな家族的小説になっています。でもスピード感はすっごい!やめられなかったもん。小説の中だもの、なんでもありだよね、と、とりあえずはハッピーエンドでいいんではないかしらん?( 5月 6日)
もの言えぬ証人
 
アガサクリスティー ポアロに仕事を依頼した手紙の主は2週間前に亡くなっていた。そして彼女は莫大な財産を血縁にではなく、たいして気にもとめていない家政婦に贈る遺言を作っていたのだった〜 ってなおなじみっぽいお話ですが、まずは読んでいない作品を見つけたことが何より嬉しかった。犯人は本当に最後まで見当がつかなくて、へぇぇ〜〜〜??って感じでしたが、今回も登場人物達のキャラクターが、いろいろ含みがあって面白かったですよ〜ん( 5月 2日)
名探偵 水乃サトルの大冒険 二階堂黎人 イイトコのオボッチャマでマニアックでありながら(?)長身美形の水乃サトルが旅行会社の仕事と趣味を兼ねて、どんどん事件を解決してゆく短編集です。極めつけはかの「本陣殺人事件」をモチーフにした家で起こる殺人事件ですが、横溝氏の「本陣殺人事件」も、別の犯人の存在が可能と講釈しています。ふ〜ん(・・) 私的には、このサトル君の外見やら性格があまりにも絵に描いたようで、なんと申しますか・・・( 5月 1日)
おもいでエマノン
 
梶尾真治 30億年の地球の歴史をすべて覚えているというマノンの短編連作集です。 エマノンの恋する普通の男性や、未来視とテレパス、異星人(?)など、様々な登場人物との関わりを、ロマンティックに、ハードボイルドに、ミステリアスに綴られる不思議名物語は、とても気持を澄ませてくれました。( 4月30日)
銀河おさわがせマネー
 
ロバート アスプリン
ピーター・J. ヘック
ということでその前の「・・アンドロイド」の前作を。 キャラや設定が分かっていたので、振り回されずにすみましたが、オメガ中隊(というよりフール)は実にいろんな問題に取り囲まれているのですね。新隊員のスパイ容疑と技量の差、脱税容疑、派遣地ランドールでの政府高官との軋轢等々・・ 最後に一気に解決!ではなく、一つ一つ丁寧に解決してゆく あたりがちょっとぬるいですが、大きなお金がバカスカ動くのは爽快でっせ♪( 4月 28日)
イミューン―ぼくたちの敵
 
青木和 青木氏のデビュー作ですかね。 青春友情ものかと思えば、とんでもなく重く切なく悲しいSFでした。人間社会の中で起こる「汚れ」を消し去るために普通の人間がある日特別な力を持つようになるのですが、その力が個人の感情をも支配するので、互いを分かり合っているはずのフユルギと佑の関係もぎこちなくなって行くのですが、最後、苦しい中でも本当に気持ちが届いたことだけが嬉しい。でもやっぱり切なすぎますよね・・( 4月 25日)
銀河おさわがせアンドロイド
 
ロバート アスプリン
ピーター・J. ヘック
オメガ中隊という宇宙軍と中隊長で大金持ちで美形で図の頭脳明晰のフール、のシリーズのようで、この「・・アンドロイド」は4作目のようです。 今回の任務はゼノビア星に赴いて謎の敵の正体を暴くこと! なのにろくでもない上司が送り込まれ、フールのアンドロイドまでもやってきて、もうシッチャカメッチャカ、という話ですな。でも私は初めてなので、この雑多な方々の人となりを知るのに悪戦苦闘、なかなか大爆笑!という具合にはいかず。メンバーの構成を頭にたたき込んで、他のシリーズを見てみたいもんです。( 4月 19日)
恨みの陸中リス線
 
西村京太郎 全国を十津川警部が走り回る短編集です。 船舶保険に絡んだ連続殺人では、亀井刑事まで殺されそうになるし、けっこう過激です。十津川さんはあっさり犯人を割り出し、あとは裏付け捜査をして、結果はその通りでありますので、偉大な警部さんでありましょう。( 4月 14日)
春信殺人事件
 
高橋克彦 浮世絵の探し屋仙堂耿介は、鈴木春信の肉筆画とその持ち主を捜すことになったのですが、NYまで行って、浮世絵関係者が顔を会わせる状況になり、ま、そこで高橋氏の博学と思い入れが語られるわけですが、贋作と真作、版画と肉筆画、当時の日本の文化状況なんぞ、私には全く難しいのですが(^^;ゞ ころりと騙されてそういうこともありかも〜 と頭から信じてしまいます。お金も絡むことなので、けっこう裏の裏の社会を垣間見ることになるのが、ちょっと辛いですけどね。( 4月 12日)
オルディコスの三使徒〈1〉妖魔の爪
〈2〉紅蓮の絆
〈3〉巨神の春
菅浩江 三冊揃えるのにずいぶん時間がかかりました。 そして全作まとめて読めた幸福感です。 菅さんの作品が大好きです。手にできただけで、もう幸せですけど、この三冊はまた別格でした。香師イシュラーマと夢師タグロット楽師ブラウリカの三使徒ですが、それを受け入れること、互いの個性、そのあたりからもう、人として思い悩みます。だけど巻が進むにつれ、神、人、半獣、心、恋、願い、欲望・・・ いろんな感情とたくさんの登場人物で、ワクワクよりも苦しいことが多いです。誰も他人を苦しめようなんて思っていないのに、自分の幸福を願うと他がそのせいで苦しむ、そんな矛盾の世界での神の意味、個人としての存在の意味、そんなことを問いながら、愛し合うこと、認め合うこと、許し合うこと、そして喜べること、そんなことを長いファンタジーが示唆してくれているようでした。 (そして『歌』ですよ!!それが菅さんなんだと、何度も感じました(*^-^*) )この作品に巡りあえて幸せです。( 4月 14日)
ヴァネッサの伝言
 
中條てい 読後はしみじみと暖かく切なく、優しい気持ちになれました。 閉塞した村の未来を切り開くため、重い病気を抱えながら村の外へと出て行く天使の名を持つ美貌の青年ですが、なんだかとんでも大きなことをやり遂げるのに、流血の戦いがないんですよ、これが実に実に嬉しかった。友情とか信頼とか、言葉にするとちょっと気恥ずかしくなるような情愛もたっぷり詰まっていて、きっとそうだろうと思いながら泣きました。作者の方、身近な方の死を経験されたかただと感じられ、これを共感される方もたくさんいらっしゃることでしょうね。心洗われるような作品です。( 4月 9日)
妖しい詩韻
 
内田康夫 う〜ん、センセ、こうきましたか (^_^;)\('_') 死んで行く(行かざるを得ない。ほとんどは殺人に被害者です。)の人の直前のモノローグ集ですけれど、バカな人、って思ったり、そんなに楽なの?って思ったり、でも本当はけっこうヤバイのでは?私は全国の自殺率がダントツトップを10年以上ぶっちぎりで続けている秋田県人、なので。。( 4月 9日)
野球の国のアリス
 
北村薫 けっこう実力の野球少女のアリス、中学は女子を認めないのですが、実は春休みに鏡を通って左右反対側の世界で、ちょっとした社会風潮をその右腕(左腕か??)で変えてくる、ちょっと不思議で痛快なお話。仲間達の心意気もよかったですよぉ(*^-^*) ( 4月 9日)
銀河不動産の超越
 
森博嗣 とっても疲れやすくて、でも穏やかな性格の高橋青年が就職した銀河不動産。 お客様の声に自分なりの一途さで応えているだけなのですが、とっても幸せになれる連作集です。どうみてもあり得ないことばっかりだけど、なんだか夢の中みたいだけど、読み進むうちに嬉しさが増します。森氏って特別な色合いの空間を見せてくれるから好きです。一緒に「僕は秋子に借りがある」も借りましたが、短編集のベスト版のようでほとんど読んだものでした。( 4月 8日)
駅神ふたたび
 
図子慧 お名前は拝見しながらも初めて読ませていただきました。駅の四番線に現れるすっごくよく当たるけど正体不明の易老人(?)ヨバンセンの、易の解説書、ですか?でも肝心のヨバンセン老人は登場人物の会話に出てくるだけで、ちゃんとはお目にかかれません(?)。そしてその易がまた解釈が難しいので、それをかみ砕くお仲間がいて、実はその仲間達の話、という感じです。シリーズの一作目がまだなのですが、そこにすべての謎が隠れているようであります(??) この二作目には浮気症の主婦とか、犬に遺産を残した質屋チェーンの社長とか、揺れ動く代議員秘書の話なんぞが出てきましたデス。( 4月 2日)
楽園(上・下) 宮部みゆき すごい・・ もう、こうしか言えない感じです。模倣犯、の前畑滋子ですけど、今回は萩谷敏子、でもありました。ろくでなしの人間は確かにいるけれど、それが家族だった場合どうすればいいのか、大切な大切な大切な子供がこの世ながいなくなってしまった後の親は、どうしたらいいか・・ 答えのないのが答えみたいな、でもとてもよく分かる親の立場、絶対に分からない部外者、そんな自分を感じながら何度も泣きました。なかなか重かったです。だけどその分、重量級の面白さです。 同じような、誰か、名もなき毒・・このあたりのテーマは宮部さんだから読めると思う自分です。( 4月 1日)

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