最近読んだ本です

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木洩れ日に泳ぐ魚
 
恩田陸 「夜のピクニック」 にとっても心奪われちゃったのですが、またしても兄妹恋愛もの(?)のこちらは、ずいぶんとどろどろしていて、う=ん、読後感はあまりよくなかったです。ミステリー、ラブストーリー、SFファンタジーとかジャンル分けして読む私には、どっちの気持で読めばいいのかも掴みきれなくてこのあたりも気持の持っていき方が分からなくて、そういう読みにくさもあったし。やっぱり達成感や良い気持ちになれる小説を読みたいですからね・・( 9月 22日)
家日和
 
奥田英朗 6つの夫婦お話。ネットオークションに亭主のものを出したり、別居を機会に部屋をオトコの城に改造したり、会社が倒産にして主夫と働く妻に変わって、自分たちは大いに嬉しがってるのにやたら周囲に同情される夫婦・・ 面白かったです。実際はできなくてもぜ〜んぶ分かるし、それもけっこういい方向に動いてるし・・・ もっともっと読みたいです。( 9月 20日)
棄霊島〈上〉〈下〉
 
内田康夫 分厚い単行本の上下でしたが、読まずにいられませんでした。ある意味大いなるマンネリの浅見光彦ですけれど、でもね、光彦さんにかこつけて、これだけ今の日本の状況に物申せば、けっこう共感できる部分が多いだけに納得できるのですよ>センセ。拉致問題、靖国問題、宗教問題・・
誰もが現実ではなかなか言葉にできない意志を、こんなふうに小説の登場人物に言わせる手もあるんだな、と、今更ながら思ってしまいました。もち、久々の大いなるマンネリ、最後は結局そうかと思いながらも面白かったです。( 9月 17日)
魔女が語るグリム童話
 
池田香代子 池田さんて「ソフィーの世界」の訳者さんだったんですね。さすが、このパロディーの数々は、哲学でしたのです。特に男女の違いのようなものが如実に著されていて、腑に落ちて大笑い、って感じでした。おばぁちゃまからオトコのあしらい方を聞いた色っぽい赤ずきんとか、オンナか金メダルか、とにかく究極を選択せざるを得ないシンデレラ、などたっくさん。だけど、やっぱり胸に応えたのは、王子の恋を認めず自分で選んだお姫様と強引に結婚させてしまった女王さまと、その夫婦(王様と王妃様だけど)の結末だったですね。これ、童話じゃなくて実話ぢゃん!と。( 9月 16日)
もえない
 
博嗣 ぐわ。 こう来ましたですか。「夜のピクニック」事件バージョン、とでもいいますか、高校生淵田悟の普通の高校生活と(あまり親しいワケじゃない)友人の自殺を幼なじみと探るうちに気づく自分の記憶の曖昧さ・・ 忘れたままの方がよかったのか、思い出してよかったのかは部外者(私)が何を言うものでもありませんが、でも周囲はとっても優しくて淵田本人以上に彼を理解していたように思います。青春小説の中で、私は彼の母親の立場でしたからね。よかった、いろんなこと、本当によかったと涙したのでした。(私も随分オトナになったものです。)( 9月 16日)
ゾラ・一撃・さようなら
 
博嗣 ゾラという世界的な暗殺者(まるでゴルゴ13)に狙われているという噂の著名人法綸を助けて欲しいと以来された頸城私立探偵の単発ものです。トリックとかストーリーは決して劇的じゃないけど、でもってハードボイルド殺人請負人の話だけど、けっこうなラブストーリーなのですワ。(特に主演の頸城氏、本人のモノローグはさえないけど、現実はモテるモテる、モテまくり〜〜 それが全然当人には認識ないんだわさ。)んでもって、やっぱり登場人物たちの微妙な鬱っぽさ、これが私とばっちり波長が合ってしまうんでしょうね。どうってことないのに、すっごくハマルんです。( 9月 14日)
夜のピクニック
 
恩田陸 おもしろ(◎_◎) 高校の歩行祭、そのたった30時間ほどのことを高校生の瑞々しい会話で描いているのですが、普通の高校生ぶりがどうにもこうにも眩しいやら清々しいやら切ないやらかわいいやら・・・ とっても途中で止めることなどできなくて、一気読みでした。ああ、おもしろかった。( 9月 12日)
ナイチンゲールの沈黙
 
海道尊 チーム・バチスタの栄光にド肝を抜かれてから、これを見つけてすっごく嬉しかったのですが、あの鮮烈さはちょっと薄まってしまったかな?と。犯人も、やっぱりこの人じゃなきゃダメ??って感じもあるし、歌声の力、これってマジ?っても思っちゃう。ま、それでもこのコンビに会えるのは嬉しいです。私ってつくづくシリーズが好きなんだなぁ・・(9月 12日)
暁のビザンティラ〈上〉〈下〉
 
菅浩江 が二つあって、人とメブが仲良く共存する平和な村で、メブを貰えなかったカイチスが村を出て知り合った凛々しい女武人のビザンティラ〜 カイチスにとっては世界観がひっくりかえるくらいのいろいろな出会いがあり、この世界の遺伝子レベルの歴史物語があり=== ゆえ、なんでもありです。悪人と思い憎んでいた肉親と最後に分かり合えたり、性別を超えた恋愛があったり〜〜 なんだか読んでいて、そんな時代だったよね、とか、菅さんも若かった??なんて思いましたが、上巻から下巻へ本を換えるのももどかしいくらい、どっぷりはまっちゃいました(^^;ゞ( 9月 10日)
星界の断章 〈2〉
 
森岡浩之 はっきり言えば、たっくさんのカタカナ文字の名前と肩書きを持ったみなさんが、どこのどなただったか頭の中で一致しないまま、軽妙な掛け合いとちょっとしたエピソードにムフと笑いながら読みました。マニアの方ならこれが全部どの部分の過去のできごとだったか分かって、ヨダレものだったでしょうねぇ。( 9月 6日)
親切がいっぱい
 
神林長平 あ〜れ〜、これってなぁに?ドロボーさんも地上げ屋さんもみんな政府公認で、ちまちまアパートの追い出しなんかにかかずっている日常に、なんとぬいぐるみ型宇宙人マロくん登場。でも日常はまったく微動だにしないのでありまして、ま、世の中ってこんなもんでしょ、という実に圧倒的な日常を謳った一冊でありました(??)( 8月 29日)
敵は海賊・正義の眼
 
神林長平 カリスマ自然保護運動家の本当の心とは?? 異質な力を借りて、眠ったまま海賊達を殺し始めた活動家と恋人である女性のお話。海賊課の登場は後半にぽっちりだけ(?)ヨウメイも周囲が断定するほどの悪には絶対に描かれていなくて、今回はラテルチームはおまけみたいよ。やっぱりチームの掛け合いが一番で、アプロがもっともっと食い意地はっていないとねぇ〜〜( 8月 28日)
敵は海賊・A級の敵
 
神林長平 情報ってモノなの??ってわけでラジェンドラ、カーリー・ドゥルガーをも凌ぐA級知能体を巡って海賊課やヨウメイまでも出てきて大騒ぎ!だってその正体ってのが〜〜ヾ(>y<;)ノ でも見かけと違ってその強さは半端ではなくアプロは食べられちゃうし、天敵であるはずのラテルチームとヨウメイたちは手を組むし、ドピンクのオオトコのとんでもキャラが新登場で、深刻でこ難しい内容のワリには大笑いでありまする。神林さんて、すっごいよなぁ==( 8月 25日)
カルパチア綺想曲
 
中良樹 男の子みたいな女の子、わけアリの生い立ち、親子の確執、それに大富豪だら大冒険だら、ロマンスやらいろいろ盛りだくさんなんだけれど、私、世界史がどうもね(^^;ゞ 中世ヨーロッパの歴史がところどころに混じっているので、どうしても引いてしまうのでありました・・無学ですんませんm(__)m( 8月 23日)
真珠たち
 
久美沙織 伝染性のある不治の病、真珠病に罹った患者と、彼らを匿ったルエラ族の意志を、時間を超えて綴ったシリーズ短編集ですが、発想は好きです、小松左京さんに十代の頃に囚われていますので。だけど、う〜ん、気合いは分かるけれども文章力はイマイチかな、と。ごめんなさいね。もっとハチャメチャでぶっとんだエピソードをたくさん盛り込んで、文体はあくまで淡々と・・・ と望みたかったのでした。ストーリーは好きですけどね。( 8月 20日)
敵は海賊・
海賊課の一日

 
神林長平 アプロの666歳の誕生日、チーフバスターは何を思ったものやらラテルチームに海賊課の苦情係を命じたのでありましたが・・ 今回は意志ってのがテーマなのかな?意志は時空を超えてしまうのであります。ラテルの生い立ちやトラウマもばっちりだし、ラジェンドラがその超頭脳を人間同士の恋愛のことに使っちゃったり、それがどうもアプロのしわざらしいのですが、アプロは益々分からなくなっちゃって怖い反面、どんなに文化が違っても心が繋がっていたら、分かり合えて許し合えて嬉しくて切なくなっちゃうんです。とてもとてもとても面白くて、シリーズの続きをネット検索して注文しちゃいました(^^;ゞ あぁ、早く読みたい!!!!( 8月 18日)
敵は海賊・
不敵な休暇

 
神林長平 チーフ・バスターの休暇でチーフ代理になっちゃったラテル、アプロ、ラジェンドラのチームでありますが・・・・ ヨウメイもがんがん出てきて、けっこう深いのですよ。何故海賊でいるのか、何故海賊と戦うのか、人と人(でもアプロやラジェンドラは人とは言えないので、心と心)の関わり方とか、生きる意味なんぞを洞察していまして、ある意味哲学書です。でもチーフは本当は偉かったんだんだな、としみじみ感じましたよ。いろいろな立場でいろいろなことを想うのが心なら、上からそれを否定するなんて絶対に許されないことだと思いますから。面白かったです。( 8月 10日)
蹴りたい田中
 
田中啓文 あの・・・基本的には大好きですが(横田順彌さんを2,30年前から読んでるくらいなので)、でもどこまで本当??特に大好きな菅浩江さまの博物館惑星が吐仏花ン・・なんたらになっていて、それに菅氏のコメントが載ってる・・・ う===ん、実は、また別の作品を探そうと思っています。 (SFバカ本で、この中の一作を読んでいたことには、自分でも感激でしたが。)( 8月 7日)
ドッペルゲンガー宮“あかずの扉”研究会流氷館へ
 
霧舎巧 この作者さん、前に読んだ作品はこれより後に書かれたものだと思いましたが、ちょっとどうも・・ だったのに、これはなかなか読み応えがありましたです。いわゆる本格ミステリ、ですか?(私、そこいらがどうもテキトーなミステリ読みなもので( -_-) )ドッペルゲンガーの屋敷、そして人間、このあたりの謎解きはほんとうにすっごいッス。でも(私の視点は)キャラが立ってることや、登場人物の人間性の深さですかね。力作でした。( 7月 2日)
朽ちる散る落ちる
 
森博嗣 Vシリーズ第9作目ゆえ、この前の作品と関連があったようですが。地下の研究室で見つかった自殺とか思えない死体、でもどうやっても自殺では不可能な死に様でありまして・・ どうせ私は、謎解きよりもいつものメンバーの心情を追うことで、人であることの虚無感と、人と人の熱い距離感を読んでいただけなんですけど。( 7月 2日)
捩れ屋敷の利鈍
 
森博嗣 メビウスの輪を大金掛けて建物にしちゃった金満家さんの殺人事件の謎を解く・・・のはどうでもいいんです、スンマセンm(__)m それが萌絵と保呂草だったんですもん。輪廻は巡る糸車、森先生のお遊びでもかまわないんです、ちょっと浮いちゃった人たちの、その背景の色合いが大好きだから、森博嗣の本を見つけたら素通りできないんです。犀川へっくん、えらいぞ!!( 7月 2日)
星界の断章〈1〉
 
森岡浩之 な〜〜〜〜る!! と思っちゃう、星界シリーズの番外編の数々です。だけどね、なんだかやたらコミケネタが多いんです。あれって普通女性限定だと思うのですが、センセ、かまいませんこと??
それも含め、とっても楽しかった一冊です(*^-^*)( 7月 2日)
ペルシャ猫の謎
 
有栖川有栖 読んでました、過去に。・・と思いつつ、全部犯人は覚えていませんでした。けっこう曖昧な解決が多いのですが、有栖川作品をたくさん読んでいると、このなんだっかな〜〜 という結末も、それはそれで私のような本読みには合っているではないか、と思えたりします。好きな作家さんになっているんですね(∩.∩)( 7月 2日)
SFバカ本-
黄金スパム編
岬兄悟・大原まり子編 「ステレオタイプ・ワールド」「はなのゆくえ」「秒を読まれる」「とんべい」・・あれぇ、目的のまり子さんの作品がない=== でも、意外とエログロは少ないです。シュールなもの、心温まるものなどが多い9編でした。( 7月 7日)
SFバカ本-
天然パラダイス編
岬兄悟・大原まり子編 「家庭内重力」「地獄八景獣人戯」「ハッピーエッグ」「或る芸人の記録」・・『星界の紋章』の森岡浩之氏がとんでもない超能力者(??)の世界への貢献ぶり(?!)を描いた「呪殺者の肖像」いろいろな意味で来ますぜ。(私でも・・だから、男性諸君はすっごく映像的想像力をくすぐられると思うよ。(はい、絶対ヌケます (^_^;)\('_') )( 7月 4日)
SFバカ本-
電撃ボンバー編
岬兄悟・大原まり子編 「かにくい」「RAIN」「宇宙尼僧ジャクチョー」「淫らな指輪と貞淑な指」などがありました。雨男がその能力を買われて砂漠の農耕地化とか進めながら、まだまだとんでもない方向へ!!このあたりは大好きで大受けでしたが、エロ的SF小説(!!)も多いです。( 7月 4日)
チーム・バチスタの栄光(上下)
 
海堂 尊 おもしろ〜〜〜(◎_◎) 宇宙も時空も飛び越えちゃわないけど、大病院での度重なる医療ミスは実は殺人か???!と、院内の愚痴外来の田口医師と厚生省から派遣された白鳥の想像を絶するキャラクター(??) いやはや、とにかく全員が存在感たっぷりに動き回っているところに、最後のあの大芝居(!!)でしょ?ああ!この二人のタッグ、もっともっと読みたい!!!!! ( 7月 3日)
メンタル・フィメール
女性型精神構造保持者
大原まり子 サイバー社会っていうの?科学が溢れている場所で、人と都市を管理すべき人工の意志との関わりとか葛藤とかの短編集です。けっこう難しい。起承転結がきっちり見えるようにはないから。「時の花束」は、タイムリーパーさんのお話。これは胸がぬくたまりましたことです。( 7月 2日)

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